これからの地方暮らしを考えよう!
地方移住に憧れはあるけど、失敗したくない。そう考えながら色々な地域の移住セミナーに参加するけれど、次の一歩が踏み切れない。そんな『移住の悩み』を抱える皆さんと一緒に不安や心配事を共有する “おしゃべり座談会” が開催されました。
『女性限定の移住体験ツアー「“ニイガタビト” に出会う旅」』のプレオンラインイベントとして開催された『#わたしのにいがたじかん@おしゃべり座談会』です。
女性同士だからこそ共感できるであろう、仕事・キャリア・お金・結婚・出産・家族・人間関係について新潟に移住した先輩女性移住者をゲストに迎えて考えました。
「出会い」から「暮らし方」を見つける
今回のゲストは3名。
新潟市にUターン後、県内の三条市に移住した田中美央さん、
村上市にUターンをした高橋典子さん、
十日町市にIターンをしたほんまさゆりさんです。
田中「新潟の旅行会社で働いていたのですが、外の世界を見てみたいと思い退職して世界一周の旅に出たりしたのですが、結局、新潟が好きだと分かり新潟市に戻ってきました。地元は理由がなくても居てよい場所で、安心感がありました。でも、転職した広告会社が忙しく、自分の暮らし方・働き方を見直そうと思ったのです」
田中さんが三条市での地域おこし協力隊を選んだのは、世界一周の旅で教えてもらった “半農半X” という、半分は農業、半分は自分の得意なことをするという生き方をしたいと思ったから。その後、ウコン農家のおじいさんとの出会いがきっかけで、休耕田を借りてウコンの栽培と商品開発の事業を始めることになりました。ウコン栽培の他に、飲食店と他県の会社でリモートワークの仕事も行っており、目標としていた“半農半X”の生活を送っています。
高橋「私は高校時代から新潟市で一人暮らしをしていて、大学で県外に進学、その後、東京で就職しました。Uターンは家の事情が大きかったのですが、田中さんと同じく、仕事が多忙で、このまま続けるのはどうなんだろうと考えていたタイミングと重なったことも後押しとなりました。村上ならではの仕事がしたいという気持ちがあり、鮭の加工会社に転職して働いていたのですが、外から来るお客さんと接しているうちに、村上の観光の魅力を伝えられるゲストハウスがあったらいいなと思っていました」
Uターン者だからこそ、何か新しいことをやりたいと思った時に応援されやすいという地域柄に後押しされて、2年間かけて物件を見つけ、『よはくや』というゲストハウスをオープンしました。現在、高橋さんはフリーライターとしても活動し、地域の発信もしています。
ほんま「都心で金融関係の企業でOLをしていたのですが、環境を変えてチャレンジがしたいと思って独学でDTPの資格を取ってから、地域おこし協力隊として移住しました。最初は6,000円でチラシを作るような仕事を受注させてもらうところからスタートして、撮影やデザインのスキルを磨いていきました。そういった仕事を通じて出会った地場企業からオファーをいただいて、数社のブランディングディレクターを兼任しています」
3人の中で唯一のIターン移住者のほんまさんは、知り合いの伝手もなく十日町市に飛び込みました。入っていかないと分からないことがあるならば、悩んで何年も経ってしまうより、早い方が修正もきくから良いだろうという考えを持ちつつ、いざという時に自分で稼いでいける技術を身につけて移住をしています。
3名に共通するのは、地域での「出会い」が派生して今の仕事や暮らし方に繋がっているということ。不安はあれど、移住をしてからの出会いがきっかけで人生が大きく動いています。
住んでみないと分からないことの方が圧倒的に多い
高橋「変化するのは怖いですが、地元を離れて経験を重ねたからこそ、新しい挑戦ができたのだと思います。子供の頃に当たり前だった商店街も外の視点から褒めてもらえることで誇りとして再認識できて、それが今のゲストハウスに繋がっています」
田中「私は協力隊になってからウコン農家になるなんて思ってもいませんでした。ただ、このままだと途切れてしまうウコン栽培の歴史を知って、そこに想いを持った方と出会って、途切れさせてはいけないという気持ちが大きくなり、結果的に引き継ぐことが一番の近道だったという、それだけです」
住んでからの出会いが人生を変えることもある
新潟にいた時には見えなかったものが、Uターンをしてから見えるようになることも、Uターン移住者の多くが体験することのようです。地元を離れて得た経験や知識をどうやっていかせるのかという視点も移住を成功させるには必要なのだといいます。
ほんま「どんなに調べても分からないことはどうしてもありますよね。そこから来る不安は『住んでみる』以外には解消する方法ってないのかもしれないなって思います。デザインやブランディングの仕事も都心では当たり前でも、新潟の企業だと人材が少なくて、潜在的に求められていることでした。それは住んでみて感じたことだったので、それを仕事にしようって決められたのです」
移住する前に準備すれば解決できること、移住してからじゃないと解決できないこと、自分の抱えている不安がどちらになるのか整理することも必要なのかもしれません。
今回のイベントでは参加者がどんなことを不安に感じているのかを集計して、ゲストの方に聞いてみました。その一部を紹介していきます。
にいがた暮らしを考えている皆さんへ! お役立ち Q & A
◆ 仕事とお金の不安 ◆
Q. 地方暮らしとお金を稼ぐこと、どうやって両立したら良い?
A. 地域にもよりますが、企業数がそもそも少ない。都市以外の地域で暮らすなら、専門スキルを身につけて複業やテレワークを取り入れる準備をしても良いと思います。都市の仕事を持ちながら、「暮らす場所は新潟」という選択肢も今の時代なら出来ます。個人事業をするなら小さな仕事からでも、コツコツと実績を重ねていくと人の繋がりで仕事は入ってくるようになりますよ!
Q. 新潟ならではの支出はあるの?特に冬の暮らしはどうですか?
A. たくさん雪が降る地域では『ワンルームの賃貸料が都市並み』の場合も。駐車場の除雪費用や車のメンテナンス代、車両維持費がかかるので、車を元々持ってない人は、生活の固定費が下がらないかもしれません。
農を取り入れた生活も一定規模より小さいと、労力・コストが見合わないかも?お金よりも重要な価値は何かを考える機会にしてみたら良いかもしれません。シェアハウスで固定費を下げて生活基盤をつくる方法もオススメです。
家族や夫婦で移住するなら『住む場所』は重要ですよね。地域の繋がりで良い物件や空き家に出会えたら『家賃』の固定費は大幅に下げられる可能性もあります。例えば、市街地にあって、4LDKの一軒家でも家賃3〜4万円の物件も見つかります。
Q. 地域おこし協力隊は実際どうなの?
A. 自治体によって変わりますが、基本月収は16万6千円で家賃補助や移動用車両の支給があります。仕事と住む場所と移動手段は確保しながら最大3年間働けます。仕事内容は多種多様なので気になる地域を調べてみるといいですね。1〜3年間の任期後に起業する場合には創業補助金が出たり、集落支援員という制度があって継続して働いたり、地域に残るための制度もあるようです。
◆ 住む場所と人間関係の不安 ◆
Q. ご近所づきあいは都会と違う?
A. 噂話が広まるのはとても早いですが、挨拶やもらったものへのお返しのような基本的なことをしっかりやればトラブルにはなりにくいです。良くも悪くも人との距離が近いので、コミュニケーションをこまめにとる、地域と繋げてくれる・面倒を見てくれる人を大事にすることも必要です。
Q. 住む家はどうやって見つけたの?
A. 人との繋がりや紹介が良い物件に出会う秘訣です。人間関係の中から見つかることも多いですね。空き家バンクが整備されているところは自治体が間に入って見つけてくれますよ。都心部は首都圏と同じように借りれば良いと思います。
高橋さんの「よはくや」は、物件との出会いに2年かかった
\現地ツアーで新潟移住を体験しよう!/
事前に分かることもあれば、現地に行ってみないと分からないこともあります。例えば、ご近所づきあいだとかは、実際に住んでみないと分かりませんよね。
仕事や住まいは移住する前に準備ができるので、情報収集をすることも大事ですが移住した後に柔軟に動けるようなライフスタイルを設計しておくことも必要になるでしょう。
実際に移住した後に別の市町村に移ったり、集落から市街地に移る人も大勢います。一度、移住をしたら、ずっとそこに居ないといけない訳ではありません。それに、自分の理想の新潟暮らしを思い描くには、文字や写真だけでは情報が足りませんよね。
そこで、情報収集やオンラインセミナーに参加した後にオススメしたいのが『現地に行ってみる・暮らしてみる』ことです。特に人と会って話す機会を持つことが移住の準備をするのには一番重要なことだと言われています。
観光や旅行ではなく『暮らすことを前提に地域を訪れる』ことが次のステップ。先輩移住者、新潟県、TURNSがあなたの新潟移住の準備をお手伝いするツアーを企画しましたので、是非、こちらもご参加くださいね。
次は新潟でお会いしましょう!!
【INFORMATION】女性限定ツアー「“ニイガタビト” に出会う旅」企画中!
■11/27〜28(土日)1泊2日:下越エリア(燕三条、村上市、新潟市)を巡る
・参加費:19,800円(税込) ※往復の新幹線代、宿泊費、体験費、食費が含まれます。
・訪問先:現在調整中
・宿泊先:瀬波温泉ゆうなみの宿『瀬波ビューホテル』■12/28〜29(火水)1泊2日:上越エリア(十日町市、上越市、妙高市)を巡る
・参加費:19,800円(税込) ※往復の新幹線代、宿泊費、体験費、食費が含まれます。
・訪問先:現在調整中
・宿泊先:ひなの宿 『ちとせ』(日本三大薬湯 松之山温泉)詳細・申込ページ:準備出来次第こちらでご案内いたします
文/大塚 眞
\地方暮らしを考える沢山の方々が参加してくれました!/
ご紹介した『#わたしのにいがたじかん@おしゃべり座談会』(9月19日開催)では、たくさんのご参加をありがとうございました!その参加者層の一部をご紹介します。
参加者の皆さまからは「とても刺激になりました!ありがとうございました!」「SNSフォローさせていただきます」「リアルなお話しが聞けてよかったです。移住には“思い切り”が大切ですね」「生業を作らなければ転職を繰り返すことになる、という言葉が印象に残りました」「またこういうチャンスがあれば参加して、移住した方々の考えに触れてみたいです!」など、たくさんの嬉しい感想をいただきました。
現地ツアーでも、素晴らしいにいがた暮らしを体験いただけるように準備を進めていきますので、どうぞお楽しみに♪