学生と村を結でつなぐ、福島県葛尾村滞在レポート

ターンズインターン生レポート

こんにちは。
TURNSインターン生の鹿子木(かのこぎ)です。

先日、福島県葛尾村で1泊2日のフィールドワークが行われ、
地域にまつわるメディアを運営されている皆様と、現地でインターンをしている学生さんと共に参加させて頂きました。

福島県葛尾村は、福島県浜通り地方の内陸に位置する山村で、地図で示すとピンクの部分です。

(地図:コトバンク)

原発事故の影響により一時は村民全員が避難をしましたが、2016年に避難指示は解除され、現在、震災前の人口の約3割である329人の方が村で生活をしています。

どうやらこちらの葛尾村、最近県内外から訪れる学生が多いらしいのです。
それは一体どうしてなのか。1泊2日の滞在を通して感じたことを書いてみようと思います。
キーワードは「みんなのおばあちゃん」「自然を楽しむ」「下枝さん」の3つ。

まず、この村のキーマンである『葛力創造舎』の下枝さんに村内を案内をしていただいた様子を少し写真で紹介します。

 

村で大人気の『石井食堂』さんにて。チャーハンがオススメと言われ頼んでみたら特大サイズが…!

田んぼの上に廃棄物が置かれているという、目を反らせない現実に胸が詰まりました。

「本当に見せたいのは廃棄物ではなく、自然や暮らし、文化、葛尾の元気な姿なんだ。」と下枝さん。

この他にも交流館、田んぼ、小・中学校、歴史資料館などを案内していただき、葛尾村がどんな村であるのか理解を深めていきました。

 

「みんなのおばあちゃん」

(写真:ほんまさゆりさん)

村を巡った後、お夕飯を頂きに「幸子さん」という下枝さんの親しいおばあちゃんのお宅へ。美味しいお漬物、ホカホカご飯、煮物を用意しながら迎えてくれた幸子さん。お手伝いをしようと思いながらも、野菜の切り方すら分からない私に「これはこう切るんだよ。」と優しく教えてくれました。自分の身内に教えてもらうとするとどうしても口喧嘩になってしまうのに、幸子さんに教えてもらうとこんなに素直に楽しく学べるものなのかと新鮮な気持ち。やればできるじゃん!と少し調子に乗ってしまいました。作っていただいたご飯は、全て頬が落ちるくらい美味しくて「味付けまで教わりたい!」と思ったところでタイムアップ。
お味噌や梅干しなどのお土産を持たせ「また来てね。」と言ってくれた幸子さんに名残惜しく別れを告げました。

 

「自然を楽しむ」

『ZICCA』という民宿にお邪魔し、さあ寝ようかなと思った23時ごろ、なんと外で焚き木の準備が始まりました。マイナス何度かの野外で火を起こし、おいしいお肉を食べたり、星を見ながらたわいもない話をして盛り上がる。今日初めて出会ったのにも関わらず、短時間でここまで距離が近くなったような経験はこれまでにありませんでした。
なんて贅沢な時間なんだろうと思いながら翌日朝の4時まで焚き火は続いていったのでした。

 

「葛尾村のキーマン 下枝さん」

(写真:ほんまさゆりさん)

先ほどから話に名前が出てきている「下枝さん」は、震災を機に帰村したUターン移住者。
『葛力創造舎』という団体を立ち上げ、村のために精力的に活動されています。

そんな下枝さんが特に力を入れているのは「学生のチャレンジ応援」。
例えば、建築に興味のある高校生には「リノベーションを一緒にやろう!」と。
カフェをやりたいという女性には「場所を用意するからやってみて!」など、
学生のまっすぐな気持ちややる気を大切にし、チャンスの場をたくさん提供されていることに驚きました。何かやってみたいけれど実行できる場所や機会がない。そんな学生たちにとって本気で応援してくれる大人と出会えるのはとてもありがたいこと。
熱い想いを持った下枝さんとの出会いが、村をを訪れる1番のきっかけになっているように思いました。

 

短い時間でありながら、葛尾村で大切にされている「結」という助け合いの文化をぎゅっと体感した1泊2日のフィールドワーク。
普段あまり出会えない熱い気持ちを持った大人との出会いや村ならではの贅沢で心地よい時間に、多くの学生が魅了されているのだろうと感じました。

(文:鹿子木千尋)

 

                   

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