都市と自然のいいとこどり!
愛知県といえばどんなイメージがありますか? なごやめしやモーニング文化、三英傑、またレゴランドやジブリパーク? はたまた、「トヨタ自動車」の本拠地がある、製造業が盛ん(※1)な県というイメージでしょうか?
でも、それだけじゃないんです。山里や離島で自然暮らしを楽しめる“いいとこどり”の県なので、その魅力をじっくりお聞きしました。
あいちの山里&離島とは?
愛知県は実は、豊かな緑や海の恵みと暮らせる、多彩な魅力を持つ県なんです。
• 県土の40%が森林。四季折々の山里暮らしが楽しめる
• 温暖な気候と豊かな水で、農業産出額は全国8位(※2)
• 人の住んでいる離島が3つあり、船で約10分~20分で行ける
• 伊勢湾、三河湾、太平洋からの海の幸が新鮮で多彩
あいちの山里には、心癒されるのどかな風景や、趣ある古い町並みがあり、道の駅や直売所の特産品も豊富。トレッキング、キャンプ、釣りなどアウトドアレジャーも充実しています(※3)。
さらに、都市へのアクセスも良好。車や電車で1〜2時間の距離で都市を満喫できます。
一方、海辺の暮らしも、魅力に溢れています。マリンスポーツが盛んな沿岸部に加えて、レトロでどこか懐かしさを感じる、個性豊かな3つの有人離島も見逃せません。
山里に住むなら……岡崎市(額田地区)、豊田市(旭、足助、稲武、小原、下山、藤岡の各地区)、新城市、設楽町、東栄町、豊根村
離島に住むなら……佐久島(西尾市)、日間賀島(南知多町)、篠島(南知多町)
今回は、愛知の山間部に多世代で移住したご家族に、きっかけや、仕事や子育てのリアルなお話、あいちの山里&離島の魅力を伺いました。
訪れたのは、豊田市の中心部から車で30分ほどの足助(あすけ)地区。地区の名前になっている足助町は、江戸時代には中馬街道の宿場町として栄え、三河湾から信州に塩を運ぶ「塩の道」として発展。紅葉の名所としても人気で、美しい渓谷や歴史ある町並みが残ります。
清流・足助川が流れる趣ある町並みを抜け、山道を車で走ること5分。見えてきたのは青い外壁が素敵な一戸建てです。
▲家族の一員が、窓から早くもお出迎え
今回お話を伺う上野津さん家族が、笑顔で迎えてくれました。
移住者インタビュー:上野津家
(左から父・英樹さん、母・福子さん、広樹さん、妻・理香子さん、長男・陸くん、長女ルカちゃん、妹・弥咲さん)家族構成:
• 広樹さん(37歳):東京都出身。前職は商業施設の玩具ショップに勤務
• 妻・理香子さん(27歳):神奈川県出身。前職は接客業
• 長男・陸くん(1歳10ヶ月)
• 長女・ルカちゃん(0歳10ヶ月)
• 父・英樹さん(60歳):東京都出身。前職は建設業
• 母・福子さん(68歳):東京都出身。前職は駅構内の清掃員
• 妹・弥咲さん(27歳):東京都出身。前職は舞台衣装の制作
▲DIYの遊び心と心地よさたっぷりの、開放的な前庭
移住のきっかけと決断
●都市生活からの転機
移住前は、名古屋市内で暮らしていた広樹さん・理香子さん夫婦。周辺に大きな商業施設が多く、繁華街、ビジネス街へのアクセスもよいエリアでした。
それまでの暮らしに不満はなかったものの、休日に夫婦でたびたび訪れた愛知の山里や離島での時間が、移住を考えるきっかけになったそうです。
「山・海・川に囲まれた愛知の自然環境は、都市部からのアクセスの良さなど利便性の魅力以上に、言葉では表しきれない、居心地のよさがあると思います。自然の中で過ごすうちに、妻の表情がどんどん豊かに、明るくなっていったんです」
●気になる離島の魅力
愛知が有する3つの有人離島(日間賀島、佐久島、篠島)は、それぞれ観光地としても人気。
「昔、遊びに行った日間賀島や佐久島も、どちらも海が綺麗で。特に日間賀島のタコは絶品です!佐久島はアートやカフェが楽しめますよね。でも僕としては、波の音が綺麗で、心洗われる場所。実は、いつか海辺でも暮らすのが夢のひとつです」(広樹さん)
「関東では江ノ島にも行きましたが、若者が集まる賑やかなイメージなのに対して、愛知の海はのんびりリラックスできるイメージ。海水も綺麗だと感じますね」(妻・理香子さん)
また、篠島は風光明媚で、実は伊勢神宮ともゆかりが深い島。1000年以上前から、篠島の鯛は伊勢神宮の祭事に供えられる特別な食材とされてきました。
それぞれの島へは定期的に船が出ていて、アクセスも良好。日常的に行き来できます。
\島へのアクセス/
・篠島:師崎港から約10分、河和港から約30分
・日間賀島:師崎港から約10分、河和港から約20分
・佐久島:一色港から約20分
豊かな山間部と個性的な島々を、世代を問わず、一年中楽しめるのも、愛知の自然の魅力です。
●よりよい暮らしへ向けて
さて、自然の中にいる時の理香子さんの明るい笑顔を見て、家族にとって「よりよい暮らし」を考えるようになった広樹さん。次の暮らしをイメージして、自然豊かな環境の中で、のびのびと暮らし、子どもを育てたいと感じたそう。
「僕は幼い頃、叔父に自然豊かな場所へたくさん連れて行ってもらった、幸せで大切な思い出が今も残っています。自分も家族ができたら、そんな心の風景を残してあげたいなと思っていました」(広樹さん)
▲「自然の中で、妻の笑顔をたくさん見たくて」と広樹さん
家族全員での移住を決意
一方、関東在住だったご両親も、新しい暮らしを始めたいと考えていたそう。
「遠くに暮らす子どもや孫にもなかなか会えないし、住宅街の暮らしはもういいかなと。そんな時にテレビで見た田舎暮らしが、なんだか楽しそうに見えたんです」(母・福子さん)
妹の弥咲さんは、見知らぬ土地への移住に最後まで悩んだそう。
「愛知県で自分がやりたい仕事を探せるのか不安でした」
情報を集めるため、東京での移住相談会に出かけた際、現地の移住者との出会いがきっかけになったといいます。
「それがご縁で、東海エリアで服を製作する憧れのクリエイターの方とお話する機会があって。いつか一緒に仕事をしましょうと言っていただけて、移住に前向きになれました」(弥咲さん)
こうして家族3世代での移住が決まりました。
愛知県を選んだワケ
「関東近辺にも候補地はありましたが、最終的には、妻の実家のルーツが愛知県だったことが大きな決め手です。妻の祖父母に、孫の顔を頻繁に見せてあげたくて」(広樹さん)
妻・理香子さんのエリアの決め手を教えてもらいました。
「近くのエリアをドライブしていた時、桜の花びらがフロントガラスにふわーっと舞ってきたんです。その光景がとても美しくて、『この辺りに住めたら、いいな』と直感的に感じました」
土地の価格も決め手の一つ。
「山里で暮らすと決めた時点で、土地の価格はかなり安くなるイメージがあったので、安心して探せましたね」と広樹さん。現在の土地は300万円台で購入したそう。
\あいちの山里移住のメリット/
• 自然と利便性のバランスが取れている
• 土地、住宅の価格が手頃
• 県内に高速道路や自動車専用道路が充実し、名古屋や県外へのアクセスが良好
田舎すぎないので、慣れない田舎暮らしにも馴染みやすく、アクティブに活動したい子育て中はもちろん、歳をとってからも困ることが少ないのがポイントです。
●土地選び
「わが家は乳幼児もいる多世代なので、暮らしに求める条件はなかなか絞れません。環境と利便性のバランスが家族全員にフィットしたことが土地の決め手でした」(広樹さん)
実際の土地選びでは、イメージに合う土地にはなかなか出会えず苦労したそう。
「そんな時、今回依頼した設計士さんのホームページを見つけました。沖縄出身で、足助地区に移住した方です」
実際に会って話を聞き、現地も案内してもらった上野津さん夫婦。縁あって土地の持ち主の方に出会い、お話を聞くことができました。
「今の土地の情報は、実はまだ世に出ていなかったんです。持ち主の方が、若い世代に何らかの形で使ってほしいとのことで。ホームページだけで探していたら、きっと辿り着けませんでした。ここなら、妻や両親、家族みんなで幸せに暮らせるイメージが湧いたんです」(広樹さん)
●暮らしに求めた条件
・居住環境:家族が心地よいと感じる土地の雰囲気、十分な土地の広さ、子育て環境
・利便性:町へのアクセスの良さ、スーパーや病院など生活に必要な施設の充実度
●家づくりのこだわり
「妻の希望を叶えたくて、設計士さんと何度も話し合いました」(広樹さん)
▲ゆったりとした山里に完成した家族の新居
足助に暮らす設計士と地元の大工が手掛けたこだわりの一戸建て。無垢材の温もりが感じられる、心地よい空間です。
▲家族が集まるリビングの床には陸くん専用の線路
▲玄関ポーチも子どもたちの遊び場
●移住支援と地域の受け入れ
移住者が増加している足助地区では、地元の人々が家族を温かく迎えてくれたそう。
「地元の方もとても気さくで、町内の行事にも参加しやすい雰囲気です。お野菜や薪、なんと車を頂いたことも! 子育ての相談もしやすい環境で、本当に良くしてもらっています」(広樹さん)
住宅取得時の補助金など、市の支援制度も充実しています(※4)。
移住後の暮らし
●あいちの山里の魅力
移住後の家族の暮らしは、豊かな自然と、人とのつながりを感じる日々だといいます。
「朝の澄んだ空気や満天の星空に癒される毎日です。家の2階から見る朝焼けが、まるで絵画のように美しくて」(広樹さん)
「移住直後は、環境の変化に戸惑うこともあったけれど、今は住みやすく感じています。空気もいいし、周りの人も温かいですよ」(父・英樹さん)
▲裏庭の3羽の鶏も頂き物。「頂いてばかりですが」と笑う広樹さん
妹・弥咲さんは県外へのアクセスの良さも実感していました。
「名古屋から東京方面には夜行バスも多く出ていて、気軽で便利なんです」(妹・弥咲さん)
一方で、野生動物の出没など、田舎ならではの課題も。
「山里は想定以上に鹿などの野生の動物が多いです。それと、私たちの暮らす地区は、意外にも工場に通う大型車両も多くて。それに加えて、観光地に近いためオーバーツーリズムの不便を感じる時期も。住んでみないとわからないこともありました」
地域の次の世代を担う立場として、課題もいい方向に変えていけるよう力になっていければ、と広樹さん。
とはいえ、自然に囲まれた生活のおかげで、家族の健康面に良い変化が。喘息があった父・英樹さんは、移住後、症状が徐々によくなっているそう。
「父は前よりも咳が減り、性格もずっと明るくなりました。今では、積極的に薪割りや、鶏の世話など家の仕事をしてくれています」
広樹さんは、「家族の表情が明るくなったことが何よりうれしい」と笑顔で語ります。
仕事と収入の変化
●家族の〈得意〉が活かせた働き方
広樹さんは移住後、林業を主体として地域振興を手掛けるNPO法人に転職。現在は岐阜県恵那市に通って活動し、廃校を生かしたレクリエーション施設の管理も仕事の一環です。
「山里での仕事は、組織の中の1人の役割、責任、期待が大きい分、とてもやりがいがあると感じます」
勤務時間や休日は子どもに合わせることができるので、ワークライフバランスは充実。
さらに、田舎ならではの出来事も。
「父には、たまに私の仕事も手伝ってもらっているんです。施設のプールの修繕を一手に引き受けてくれて。以前の仕事は建築関係でしたので、そのスキルが今とても活かされています」
父・英樹さんは普段、豊田市役所で警備の仕事を担っています。
母・福子さんも、家事や、夢だった作物づくりで充実した日々を過ごすなかで、自分に合った働き方を見つけました。
「以前の仕事で培ったスキルを活かし、非常勤で清掃の仕事や、昨年はラリージャパンの宿泊客に提供する、食事のメニューを考案してもらいました。夢中で楽しそうな姿が印象的で」と広樹さん。
特技や経験を活かしつつ、環境に合わせて臨機応変に対応できる人材は、60歳を過ぎても貴重な存在として重宝されるといいます。
▲「畑仕事は、ずっとやってみたかったんです」と福子さん
妻・理香子さんは隣の地区にあるゴルフ場のレストランで、フルタイム勤務。職場は、子どもたちが通うこども園のすぐ近くで見つかりました。
「レストランの窓から見える景色は、一面に緑が広がっていて心癒されます。ビルで働いていたときは、空がすごく狭く感じていました。でもこの町は空が広くて、星も綺麗。この環境で働けて、本当によかったと思います」(理香子さん)
接客業の経験を持つ若い人も、里山では貴重な存在。理香子さんも、今の職場でとても頼りにされているそう。
妹の弥咲さんは、足助町の素敵な町並みに面したカフェの2階に工房をもち、服のリメイクの仕事も。その服が、東京・青山で販売されているのだとか。
「リメイクの仕事が元々あったわけではなくて。たまたま応募したカフェのオーナーが、新しく服の仕事も始めようと、縫製ができる人を探していたそうなんです」(弥咲さん)
▲弥咲さんが働くカフェにて。現在は自転車とバスで通勤し、運転免許を取得予定
業態ありきで人を雇う都市のシステムではなく、個人の〈得意〉を活かして新しい業態が生まれる。こんなことも、都市部と近い愛知の田舎ならではかもしれません。
地元の人と話すことで、つながりが生まれることもあります、と広樹さん。
「自分のやりたいことや、できることを話すと、『こんな仕事があるよ』と教えてくれることも。コミュニケーションの密度が濃く、挑戦する人を応援する土地柄が影響しているかもしれません。都市ではめったに味わえないことだと思います」
弥咲さんは、今では地元の人と藍を育て、藍染の服を作ったり、と、移住前に悩んでいたことが、まるで嘘のように毎日が充実しているのだとか。
外観もおしゃれなカフェ。2階が弥咲さんの仕事場
「移住後、家族それぞれが居場所を見つけ、役割を持つことができました。これも、以前の経験を活かす機会をくれたこの町と、人々との出会いのおかげです」(広樹さん)
収入の変化
収入は、個人で見れば少なくなった場合もあるけれど、家族全体で見れば、個々で暮らしていた時よりも、少しずつ上向きになっているそう。
●生活コストの比較
・下がった:家賃や固定費、野菜や卵といった食費
・上がった:暖房費やガソリン代など
「移住前とのコストの比較は、物価高の影響で難しいものもあります。でも、コストが下がるメリットよりも、自分たちで一から食を生み出している喜びの方が今は大きいです!」(広樹さん)
▲畑では小松菜や、大根、白菜、水菜、夏にはトマトも収穫できるそう
子育て環境と医療面
陸くんとルカちゃんが通う子ども園は、車で15分ほどの場所にあります。
一番近い子ども園は、定員オーバーだったそう。実は今、豊田市の中心部に住む人も、豊かな環境を求めて、あえて山里のこども園に通わせるケースが増えているのだとか。
上野津さん夫婦が考える、山里での子育てに期待することとは?
「自然が与えてくれる『生きる強さ』みたいなものですね。泥んこになって、ちょっと危ない思いをしながらも遊んで、大人になる。そんな環境が、豊かな人格を育んでくれるのでは、と思っています」(広樹さん)
「たくましく、人との接し方が上手な子に育ってほしいですね。近くの小学校では、日々の出来事をおたよりで知らせてくれて。少人数ならではの、とてもいい授業をしています。ぜひ通わせたいです」(妻・理香子さん)
▲近所の小学校の周辺も、清流が流れる豊かな環境
一方で、医療面では山里ならではの課題を感じるそう。
「近くに病院があり、普段の診療は困らないけれど、緊急時には不安が残ります。対応可能な病院までの移送時間が、とても長く感じました。これから移住先を探す人は、医療体制が自分たちに合うか、検討するのもおすすめです」(広樹さん)
\あいちの山里 子育て環境まとめ/
・自然の中で四季を感じながら、のびのびと学び、遊べる
・保育園・学校が少人数で、先生との距離が近い
・地域の行事が多く、子ども同士や大人たちとの交流の機会が豊富
・相談窓口や手当てなど、子育て世帯の目線に立った施策も多い(※5)
・医療体制の充実が課題
多世代での暮らしの良さ
多世代で山里移住できたことで、収入の安定や家事の分担、個々で対処できない問題の解決などメリットも多くありました。
「両親が家事をほとんど手助けしてくれるおかげで、時間が許す限り、子どもと毎日一緒に過ごせています」(広樹さん)
「いつも誰かが子どもを見てくれている安心感が、何より大きいですね」(妻・理香子さん)
「私たちが子育てをしていた時は共働きで、子どもとの時間がなかなかとれず、心残りでした。でも今は、ゆっくり、じっくり、楽しみながら子育て(孫育て)ができることが嬉しくて」(母・福子さん)
▲日々の子どもの成長を共に喜べるのも、多世代暮らしの良さ
一日の過ごし方、趣味の変化
移住後、生活は大きく変化したという広樹さん。朝は生き物の世話、作物の手入れがルーティンに。冬には凍結対策や、薪ストーブの火入れなども行います。そして、休日はドライブやDIYが家族の趣味に!
DIYは必要なものを作ること以上に「家族の思い出」としての側面が大きいです、と広樹さん。
「たとえば、前庭にあるプレイハウスは、母が面を整えた材を用意し、僕がそれを組み立て、父が基礎と塗装を担当しました。妻は細かな装飾を施し、妹はカーテンを作ってくれました。家族全員が協力して子どもたちが喜ぶものを作り上げる、そんな環境を、とても嬉しく思っています」(広樹さん)
▲家族で作ったプレイハウスで元気に遊ぶ陸くん
▲「休日もやることがたくさんあるので、忙しいですよ」と嬉しそうに話す英樹さん
「家族が温まるための薪を、じーじとばーばが作ってくれたことを、いつか子どもたちが思い出してくれたらとても素敵だなと思います」(広樹さん)
1. 手の届く田舎暮らし
「完全な田舎暮らしはハードルが高い」と感じる人にとって、ほどよい田舎暮らしが可能。都市部(名古屋・豊田、県外)へのアクセスが良く、車があれば通勤・買い物も便利。
2. 手頃な住宅価格
名古屋圏と比べて土地・住宅の価格が格段に安い。数百万円で一戸建てや土地が手に入ることも。
3. 豊かな自然×利便性
山、川、森に囲まれた環境で、アウトドアレジャーや家庭菜園を楽しめる。一方、スーパー・病院も一定の距離内にあり、極端に不便ではない。
4. 子育て環境の充実
待機児童が少なく(※6)、自然と触れ合いながら育つことで、子どもの感性や体力が養われる。少人数教育で一人ひとりに目が行き届く。
5. 地域とのつながり
伝統行事や地域コミュニティーの活動が盛んで、助け合いの文化が根付いている。自治体による移住支援制度も充実。
6. 仕事の選択肢も多様
農業・林業・漁業だけでなく、観光業、カフェ経営など地域資源を活かした働き方も可能。都市部との距離も近いため、新しいビジネスが生まれることも。
これから移住を考える人へ
●事前に準備すべきこと
・気になる土地へはすぐに出かけて、地元の人と話す(世に出ない素敵な情報に出会えることも)
・救急対応が可能な病院への距離は意外に盲点、ぜひリサーチを
・可能なら移住前に運転免許の取得
「調べすぎると、逆に動けなくなることもあると思います。それよりも、大事なのは情熱を持ち続けること。幸せを作るぞ!という気持ちがあれば、きっと楽しく準備が進むはずです!」(広樹さん)
▲新居の庭には、陸くんの身長に合わせて購入したモミの木が。今後の暮らしの楽しみの一つ
最後に、移住を考える人へのメッセージをお聞きしました。
「愛知の山里は、自然と人とのつながりを大切にしながら、働き方の可能性も広がる場所。離島の穏やかな海も魅力的で、まさに多様な暮らしを楽しめるエリアです!」(広樹さん)
ぜひ、実際に訪れて魅力を感じてみては?
※1:製造品出荷額46年連続一位(総務省・経済産業省「経済構造実態調査結果」(2022年))
※2:農林水産省「令和5年生産農業所得統計」
※3:愛知県のキャンプ人口は全国3位(総務省「社会生活基本調査結果」(2021年))
※4:豊田市ホームページ
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/sumai/index.html
※5:豊田市ホームページ
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/kosodateshien/index.html
※6:愛知県の待機児童数:38人。(こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」(令和6年4月1日) )
文/後藤春香
撮影/夏秋ゆり(Toruto)
編集/竹内葉子(葉月舎)