特集1|新 地方の経済入門
日本全国各地で、自ら小さな経済を生み出す人たちがいます。
都市圏での大きな経済ではなく、今の仕事の近長線上に、自分たちでつくる地方圏の経済。
地域資源を活かし、運用をつくり、その土地に住む人たちとともに継続的な経済を回していくこと。これこそがこれからの地域活性にもっとも必要なことだとTURNSは考えます。
第一特集では「プロジェクト・NPO・インバウンド・プロダクト」の四つにカテゴリをわけて紹介します。
RENEW
福井県鯖江市
福井県鯖江市河和田を中心に開催される年に1度の国内最大規模の産業観光イベント「RENEW」。産地のPRにとどまらず、持続可能な産地づくりを目的とし移住者増加や雇用拡大と地域経済圏をつくりだしている。
文・編集:田中佑典 写真:ミネシンゴ
郡上エネルギー株式会社
岐阜県郡上市
岐阜県郡上市にある郡上エネルギーは、地域市民出資のエネルギー会社。
電力の小売を主な事業とし、地域内でエネルギー供給を行っている。
持続可能な地域を実現させるためにはどのような課題があり、何が必要なのか。
文・編集:山田宗太朗 写真:福村暁
ヤマガタデザイン
山形県鶴岡市
ホテル、児童施設、人材紹介……。会社設立からたった5年で、完全地域主導のプロジェクトを多数手がけてきた「ヤマガタデザイン」が、次に取り組んだのは、農業だった。
文:石倉葵 写真:高橋希
日高わのわ会
高知県高岡郡
全国から観光客が訪れる『オムライス街道』、喫茶の経営、障がい者支援、出荷できない規格外商品を使った加工品の製造販売。地域の「すきま」から生まれたあらゆる困りごとをビジネスに変えているお母ちゃんたちがいる。彼女たちが等身大で実践していたのは、これからの地域のつくり方だった。
文:菊池百合子 編集:佐藤芽生 写真:吉田正之
MENEX
長野県木曽郡
最近、インバウンドで注目を浴びている長野県南木曽町。江戸時代の街並みをそのまま残す中山道の宿場町「妻籠宿」や、長野の大自然に可能性を感じ、新たな価値を生み出そうとしているのが株式会社MENEXだ。彼らはこの町とどのように関わり、この土地に根ざしていくのか。今までの活動とこれからの展望を聞いた。
文:宮崎愛子 撮影:中田健司 編集:小倉冬美香
長良川鉄道
岐阜県関市
地域のを考える上で、インフラである鉄道会社の存在は欠かせない。車の南北を断する長川鉄道は、観光列車「ながら」の導入によって年間でインバウンドを含めた2万人以上を集客。一方で、鉄道全体では赤字が続いている。補助金を使って経営していても乗客数が減少しても、ローカル線を存続させる意味はあるのかー。その問いと真正面から向き合う現場に話を聞いた。
文:菊池百合子 編集:佐藤芽生 写真:山口タクト
バターのいとこ
栃木県那須郡
新感覚の食感とミルクの優しい甘さで地元住民や観光客に大人気の栃木県・那須の新銘菓「バターのいとこ」。地方が抱えるさまざまな課題を解決するこのお菓子には、 “これからの地域経済”の鍵を握るストーリーがあった。
編集・文・写真:本間加恵
特集2|場所を作ることで、小さな経済が動き出す
いつでも立ち寄れて、かならず人がいる場所。人がいて、誰かが立ち寄って、「対話」が生まれる。場所をつくることで人が集い、小さな経済が動き出す。
第2特集では、新たに場所を作ることを始めた人たちにフォーカスを当てて、場所から生まれる価値、町に与えていく影響、そこから生まれる小さな経済をご紹介。
「腰を据える」ことでその土地に新たな文化が醸成し、うまくいけば雇用が生めて産業になっていく。場所をつくることは、もっともわかりやすい「まちづくり」の一つだと思うのです。
沼垂テラス商店街
新潟県新潟市
新潟駅から徒歩15分ほどにある、元港町の旧沼垂市場。
シャッター通りだった長屋店舗を活かした新しい商店街が生み出す“地域経済圏商店街”を手がけるのは沼垂が地元の姉弟。
自身を商店街の管理人と話す2人が中心となりミクロな地域経済の歯車を動かしている。
文・編集:田中佑典 写真:ミネシンゴ
DENIM HOSTEL float
岡山県倉敷市
まさにデニム色をした鮮やかな瀬戸内海を見渡せる高台。四十七都道府県旅の終着、デニム兄弟「エブリデニム」が泊まれるデニム屋をオープンした。これまでの旅での 出会いとこの拠点がつながり、ここ児島の新たな地域経済圏の扉が開く予感がする。
文・編集:田中佑典 写真:ミネシンゴ
やまわけキッチン
大阪府堺市
団地の一室に惣菜屋さんが誕生。地域住民が楽しめるコミュニティスペースとして話題を呼んでいる。
この素敵なアイデアと仕組みをもっと多くの人たちと「山分け」したい、そんな想いで、大阪府堺市へ――。
文・編集:山田曽太朗 写真:福村暁
宗一郎珈琲
香川県三豊市
近年、SNSの拡散力により急激に観光名所となった父母ヶ浜。
願ってもいない訪客の大挙が新たな地域課題として浮かび上がる中、観光地の新たなあり方を模索するために取り組むコーヒースタンドがオープンした。
文:山城一真 写真・編集:福村暁
やってこ!シンカイ
長野県長野市
善光寺から東に下っていくと、目を引く緑のトタンの壁に「シンカイ金物店」の白抜き看板。2018年6月にオープンした「やってこ!シンカイ」。
お店をはじめた代表の徳谷柿次郎さんに、場所から生まれる経済と、「お店2.0」を掲げオープンして1年経った話を伺った。
文・編集:ナカノヒトミ 写真:ミネシンゴ