岐阜県高山市にあるお寺、善光寺。
古くからの変わらない歴史ある町で、地元の人とともに、この地の魅力を発信する仕事を一から作り上げていく。そんな働き方をしてみませんか?
岐阜県の北部に位置する高山市は、飛騨地方の中心に位置し、飛騨高山として親しまれている場所です。昔ながらの古い町並みや町の中に点在している酒蔵など、高山の魅力に惹かれて、多くの外国人観光客が訪れています。また、日本三大美祭にも数えられる高山祭は、年に2回、春と秋に開催され、この時期には国内外問わずたくさんの観光客で賑わいます。
毎朝開催される朝市
夜はあたたかい色の光で町が照らされます
そんな高山の冬はどこをみても白く雪で覆われ、他の季節とは一味違う景色を楽しむことができます。
高山は、観光客の増加に伴ってゲストハウスなどの宿泊施設も増加しています。しかし、繁忙期には宿が不足するほど観光客が訪れており、町の景観を損なわないようにその受け皿となる宿泊施設を用意しなければいけないという課題も抱えています。
お寺ステイという活動
そんな高山にあるお寺“善光寺”では、“お寺ステイ”という活動が始まろうとしています。
お寺ステイを手がけるのが、株式会社シェアウィング代表で、お寺ステイのプロジェクトリーダーでもある佐藤真衣さん。
「この活動では、宿泊だけを目的とした宿坊ではなく日本文化を体感・体験してもらう、交流になるような場所をやっていきたいと考えています。少ないほど豊かであるという“less is more”という言葉をコンセプトに、心と体を綺麗にするということを“セルフクレンズ”という造語でよんでいます。つまり、お寺ステイとは体験・体感を通して利用者がセルフクレンズする場、と位置付けています」
この活動の舞台となる善光寺は、100年以上の歴史あるお寺で、もともと宿坊を営んでいたそう。しかし、運営の継続が困難になり、そのサポートをできる人を探している時に、偶然佐藤さんが出会ったという。そして、東京での活動に加えて、お寺ステイの理想の形を実現する場所として善光寺のお手伝いをすることを決めたそう。
そんな経緯から、高山でこの活動を支えてくれる人を募集することになりました。現在、善光寺は春に行われる高山祭に合わせて、今春オープンを目標に改修工事を進めています。
コンセプトに沿って本当に必要な箇所だけ改修し、使える家具もできるだけ残して使えるようにしたいそう。
また、住職の方が居住スペースとして利用していたお寺の2階部分は、新しく働いていただく方に生活スペースなどとして自由に使っていただいて構わないとのこと。
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宿泊以外ではどのように活用して行くのでしょうか。
「お寺だからこそ体験でき、その良さを実感できるようなものができたいいなと思っています。具体的には、写経や座禅・勤行など、お寺としての体験を提供したいですね。勤行は聞きなれない言葉かもしれませんが、仏前で読経などを行うことです。それは、もうすでに近くのお寺さんが通ってくれることになっていて、週2回ほどできる状況にあります。ただ、お寺の中だけで完結するのではなく、地域の人を巻き込んでいけるような活動を、これから働いていただける方と一緒に考えていきたいです」と佐藤さん。
善光寺次期ご住職の泉雪菜さん。おじいさんの代から引き継がれた宿坊を守っていくため修行に出ることを決意し、尼になった。
現在でも高山に宿泊される方は、海外の観光客が多いそう。以前の善光寺の宿坊も宿泊客の9割ほどは外国人だったとのこと。新しくオープンした後も、客層のイメージは海外の方がメインになりそうだ。
「ただ、漠然と海外の人というイメージではなく、日本の文化が好き・日本の建物が好きとか、お寺ならではの体験を目的とする人をターゲットとしています。そして、そこに興味を持った日本人がさらに集まるんじゃないかなと考えています」
高山という土地に馴染めるのか、地元の方との連携等どうすればいいのかという点に関しても対策があるようだ。
「現在、地元の老舗不動産会社がパートナーとしてサポートに入ってくれることになっているので、そのサポートを受けながら地域とのコミュニティーを築いていったり、このプロジェクトに宿坊プロデュサーとして関わる伊藤理恵さんとも相談しながら、活動のプロモーションなどを決めていって欲しいです」
お寺から地域へ
この地に期待することについて伊藤さんはこう語ります。
「この活動を通して、地域のコミュニティーやNPOなど、何かやりたいことが出てきたら、その活動を基軸としてどんどん地域につながることができたらいいなと考えています。また、高山は観光資源が豊富なので、森林ツアーや家具作り体験のように、地域の魅力を伝えていくこともしていきたいです」
最後にどのような人に応募して欲しいか伺いました。
「まず移住する場合、高山は冬に雪がすごい降るので、そこに関しては覚悟を持って来て欲しいですね。雪かきが必要だったり、水道管が凍らないように気をつけるなど、雪国ならではの大変さもあります」
「活動面に関しては、お寺ステイということで主に宿の管理などもやっていただきますが、宿泊業については未経験でもいいと思っています。経験よりも、お客様に対して思いやりを持って接することができるとか、日本文化を海外の人にも伝えていきたいとか、想いが重要だと考えています。あと、英語の能力もあるに越したことはないですけど、相手の言いたいことを汲み取ろうとする気持ちが大切で、そこに自信があるという方なら問題ないと思います」
写真左:お寺ステイ代表、佐藤真衣さん 写真右:宿坊プロデューサー、伊藤理恵さん
すでに出来上がった環境ではなく、これから自分で仕事を作り上げて行くことを楽しめる人には、とてもいい機会かもしれません。
伝統と歴史が息づく高山の地で、地域の人と関わりながら、お寺で働く。
この地を訪れる人に日本の魅力を伝えたい、感動と感謝が生まれるような場所を作りたい、そんな意欲にあふれる方の応募をお待ちしています。