移住体験ツアーをオンラインで開催!
木曽川を中心に広がる長野県木曽地域。
地域の特徴として、山岳信仰の霊山として知られる御嶽山(御嶽信仰)の麓に位置しながら、京と江戸をつなぐ中山道が地域の真ん中を抜けており、多くの宿場町・木工産業など独自の伝統・文化が根付いてきたエリア。木曽町・上松町・南木曽町・木祖村・王滝村・大桑村の3町3村で構成される地域です。
2018年-2019年に移住体験ツアーを開催してきた長野県木曽地域では、2020年は新型コロナウイルスの影響を考慮し、オンライン移住体験ツアーに変更して開催しました。
木曽地域のスポット
オンラインツアーは、午前の部(10:00〜12:00)、午後の部(14:00〜16:00)、夜の交流会(19:00〜21:00)の三部構成。オンラインなので、もちろん参加者の住まいはそれぞれ異なり、埼玉県・岩手県・長野県・東京…と様々な地域からZOOMをつないで木曽地域を訪れました。
参加の動機は、移住を検討している方から、木曽を訪れるきっかけとして参加した方など様々です。コロナ禍の中で実際に現地に行くことが難しいので、自宅からでも気軽に参加できるのがオンラインイベントのいいところ。
今回のツアーで巡るのは、木曽地域内の「木曽町」「木祖村」「王滝村」の3町村。それぞれに現地中継をつなぎながら、地域の紹介をしていきます。
まずは、位置関係・土地、規模感を知ってもらうためにGoogle Earthを使って木曽地域を上空から紹介します。上空から見るとよく分かりますが、木曽地域は、木曽川に沿うように川沿いにまちが広がっています。リアルツアーでは分かりにくい部分ですが、地図上で見るとその土地の特徴がよくわかります。
一言に「木曽地域」と言っても3町村の特徴はそれぞれ異なり、地理的な違いや文化の違いがあります。リアルのツアーでは、現地を訪れることで肌で感じる部分を、オンラインでは様々なツールを用いて“地域を訪れた感”を参加者の方々に感じていただきました。
木曽町
ツアーの出発地点は、木曽福島駅が位置する木曽地域内でも中心的な機能が揃っている木曽町。お店や生活インフラなどの、まちとしての機能だけではなく、崖家づくりや開田高原など独特の歴史と文化が残るエリアです。
木曽町では、まちの交流拠点兼コワーキングスペース「ふらっと木曽」より木曽町移住サポートセンターの木村耕紀さん、「ふらっと木曽」を運営している現役地域おこし協力隊の方々、そして先輩移住者さんの3名と中継をつないで現地をレポートしていただきました。
夜にお酒を飲みにいけるお店があったり、少し車を走らせればひらけた開田高原に行くことができたりと木曽町ならではの便利な暮らしやすさを紹介していただきつつ、ふらっと木曽の紹介・木曽町での働き方などについてお話ししていただきました。
「自己実現とか難しく考える前に、とりあえず地域に足を運んでみる。ゆるく住んでみる。それで、合わなければ別の場所に行っていればいいんじゃないかな」と、木村さんからは移住を難しく考えすぎないためのアドバイスをいただきました。
木祖村
二つ目のエリアは、木曽川の源流に位置している木祖村。
木祖村の漢字が木曽と異なるのは、木曽川の源流の地であることから木曽の“祖”という意味が込められて名付けられたからだとか。
木祖村では、ちょうどツアー開催時に地域のアートイベント「木曽ペインティングス」が開催されていたので、木祖村の役場担当者と現役地域おこし協力隊の大沢理沙さん(左)に案内していただきイベントの様子をリポートしていただきました。
木曽ペインティングスとは、2017年に第一回目が開催された、アートを通じて地域資源を持続可能な形で循環させていくプロジェクト。イベントでは、木祖村の空き家を活用して、アート作品の展示などが行われていました。
イベントの案内をしていただいた後には、地域の交流拠点「笑ん館」を訪れ、施設の案内・地域の紹介をしていただきました。
「木祖村は、人との関わりが密接な地域なんです。藪原宿という宿場町がある地域なので、旅人をもてなすDNAがあるんだと思います。今まで住んでいた地域にはない濃いご近所付き合いがあって、外の人からしたらいい意味で濃い人が多くいるのも魅力だと思います」
大沢さんの移住者目線での木祖村のお話や、暮らしの魅力について紹介していただきました。
王滝村
ツアー最後に訪れたのは、木曽地域内でも最も自然が多く、御嶽山の裾野に位置している王滝村。
王滝村では、2020年オープンしたばかり、村唯一のBar「常八-Farm stays & 大衆酒Bar」から中継をつないで、合同会社Rext滝越 代表の倉橋孝四郎さんと杉野明日香さんに王滝村ならではの暮らし方をご紹介していただきました。
合同会社Rext滝越では、キャンプ場の運営や常八の運営など様々な事業を行なっていますが、倉橋さんは事業実施目的で王滝村に来たわけではないそう。
倉橋さん「王滝村は、他の町村に比べてもディープ感があるんじゃないかなと思います。買い物するにも遠いですし。だからこそ、自分たちで何かを始めたいという方には向いている地域じゃないかと思います」
杉野さん「住んでいる人が少ないので、一人ひとりの力が大切だし重宝してくれてるなって。だから外から来た人たちのことを地域の人がすごい応援してくれます」
王滝村は、他の町村に比べて山深い分不便なことも多いけど、その分自分の力で面白いことができる、それが王滝村の魅力だとお二人とも口を揃えてお話ししていただきました。
夜の交流会では、事前に参加者の方に送っていた地域のお土産品を使いながら交流を行いました。
3つの酒蔵の日本酒飲み比べセットなど、地域の逸品をお届けしています。
昼の部は、聞く時間が多かったかもしれませんが、夜の部では参加者の方からも質問が飛んだり、ゲストの方からは夜のテンション(?)だからこそ話せる木曽地域の暮らしの話などをしていただき、あっという間の2時間となりました。
今回はオンラインでの開催となった木曽地域移住体験ツアー。
参加者の方からは「二拠点生活へのイメージを膨らませるきっかけになりました!」「冬が明けたらお邪魔させていただこうかと思います!」と、実際に地域にお足を運ぶきっかけとなるオンラインツアーになったようです。
リアルとオンラインを組み合わせて地域とのつながりを作っていくことができれば、地域の魅力をもっと多くの方に知ってもらうことができるのでは…と参加者だけでなく運営スタッフにとってもオンラインの可能性を感じることができるツアーとなりました。