食材の宝庫 福島で、「食」の楽しさを伝えていきたい

福島県 福島市在住 今野 麻未(こんの あさみ)さん
北海道生まれ。親の都合で小さい頃は静岡県で過ごし、大阪の製菓専門学校に進学。
1年間フランスでパティシエの修行を積む。帰国後は都内の洋菓子店等で勤務したのち、2014年に結婚と同時に夫の実家のある福島市へ移住。
2017年に出産。現在は子育てをしながら夫の農業をサポートしている。

 

 

出会いはフランス、東京時代を経て共に福島へ

福島市八木田の大通りを一本入った住宅街を進むと、ひときわ印象的な大きいビニールハウスが見えてきます。夫の拓也さんが運営する野菜農家「れぎゅーむれぎゅーむ」のハウスです。同農家では、トマトをメインにキュウリや西洋野菜など少量多品目栽培をしています。その拓也さんと2014年に結婚し、福島に移住したのが麻未さんです。移住前は、夫婦共に東京の飲食店でパティシエやバリスタとして働いていました。

幼少期から母の手作りお菓子を食べて育った麻未さん。小学校の頃には自分でお菓子を作ることが好きになり、パティシエになるべく製菓専門学校への進学を決めます。
麻未さんは大阪、拓也さんは東京でそれぞれ同系列の製菓専門学校に通っていました。同じ時期に1年間フランス研修に参加したことがきっかけで二人は出会い、仲間として、そして恋人として切磋琢磨しながら異国の地でパティシエの修行に励みました。

帰国後、二人は東京で別々の飲食店にパティシエやバリスタとして勤務。作ることも食べることも好きという麻未さんの東京での生活は、仕事もプライベートも料理漬けの日々でした。
 

 

農作業はできなくても、農家の夫をサポート

拓也さんからは、30歳までに地元福島に戻って農業をしたいと聞いていたので、そのタイミングで麻未さんも福島へ行くのだと、自然と心は決まっていきました。満員電車に揺られる毎日にも疲れていた頃だといいます。
2013年に拓也さんが一足先に福島の実家へ戻り就農。麻未さんが福島へ移住し、結婚したのは2014年のこと。

「震災後間もないので不安もありましたが、移住前に2回、福島を実際に訪れたことで不安が薄れました。義父母の印象がとても良かったことも移住の決め手になりました」

「虫が大の苦手」という麻未さんは、「農作業は手伝わないからね」と、拓也さんに結婚・移住前から伝えてきたそう。

拓也さんはそんな麻未さんの気持ちを酌み、一人で敷地面積10アール(田んぼ約一枚分)のビニールハウスを管理できるよう、最先端の機器を導入したり、JGAP(農産物の国際基準)認証を取得したりと、福島市では先進的な農業を実践。
そして麻未さんは、農作業は苦手でも自分にできることでサポートしようとスキルを磨いています。

「夫は、今後も最先端の技術を取り入れながら規模拡大をし、ゆくゆくは地域に雇用を生み出したいとの目標があります。その取り組みも応援していけるよう2020年2月に簿記の資格も取りました。農作業は手伝えないけれど、野菜の袋詰めや経理の仕事でサポートしていきたいです」。
 

 

一人のママ友との出会いから広がった世界

麻未さんは2017年に男の子を出産しましたが、同じアパートに住み、子どもの月齢が近いママ友が偶然できてから世界が広がったといいます。そのママ友は転勤族の夫をもち、情報収集力が高くネットワークの広い方。麻未さんはその方が通う子育てサークル「ポレポレ」を紹介してもらいました。

「ポレポレ」は、「福島市での子育てをみんなで良くしていこう、不安なママを一人でも減らそう」という考えのサークルで、運営スタッフも全員が子育て中のママなんだそう。
「私もたくさんお世話になりました。旦那さんが転勤族の方や私のような移住者も多く、同じ境遇の方と知り合えて心強かったです」。

麻未さんは自分が得意な食の分野でママ達の役に立てたらと、思い切ってスタッフに志願。サークルへの恩返しと、ママや親子向けのお菓子・料理教室を開く夢を見据えてのことでした。

「スタッフとして他の子のお世話をしたり、ママの困り事を聞いたり、情報交換をしたりして、育児スキルがアップしました。定期的に会える仲間もいて、福島での新しい居場所にもなりました。今度は私が『福島で子育てして良かった』と言ってもらえるような居場所づくりをしていきたいです」。
 
フランス伝統菓子「ファーブルトン」をベースにした焼き菓子(福島の巨峰を使用)
 

小さい頃からの夢が変化した2020年

長年、自分のカフェを開くことが夢だったという麻未さん。今はコロナ禍で飲食店を維持していくのは大変だと感じるようになりました。
「店舗を構えるのではなく、単発のイベントやサークルなどで親子料理教室を開くという形で福島の食育に関わっていきたいです」。
その足掛かりとして2020年9月に自然派お菓子作りの資格も取得し、日々スキルを磨いています。

さらに「今後は情報発信にも力をいれていきたい」と話す麻未さん。「れぎゅーむれぎゅーむ」のSNSアカウントで季節ごとに採れる野菜の情報やアレンジレシピの発信も計画中です。

「福島に来てびっくりしたのは、夫の実家では果物をほとんど買わないことです。年間通して買うのはバナナくらいでしょうか。ご近所や親戚からいただいたり、物々交換で済んでしまいます。たくさんいただくので、ジャムやシロップを作って保存できる形にしたり、りんご酵母を使ったパン作りにも挑戦していきたいです」と麻未さんは意気込みます。

「作ることや食べることは私の人生にとって生きがいです。福島では新鮮な野菜や果物が簡単に手に入るので、思う存分『食』生活を楽しみたいです。そして多くの人にその楽しさを伝えていければと思います」

 
食卓には常に季節の果物が並ぶ
 
━━取材を終えて
麻未さんは拓也さんの野菜を多くの人に知ってもらうきっかけ作りをしています。拓也さんは麻未さんの料理教室などに野菜を提供して支えていきたいと話します。
フランスでパティシエの修行中に出会い、東京でお互いパティシエとして働いた時代があり、福島移住後は拓也さんは農業に携わり、麻未さんはお菓子や料理作りに精を出す。世界のどこにいても二人は「食」で繋がり、お互いを思いあうのが伝わってくる素敵なご夫婦です。
(掲載:2020年11月)

 
 

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