【あまくさ若者座談会ONLINE】 〜私達が実現した地方移住の本音トーク!〜開催レポート

個性ゆたかな若い移住者たちの目線を通して、

天草ライフの魅力を深掘り。

熊本県天草市に移住した20代から30代の若者たちによるオンライントークイベント『あまくさ若者座談会ONLINE』が、12月22日に開催されました。

多種多様な経歴をもつ6人のゲスト移住者が、若いからこそ実現できた地方移住の本音や、リアルな天草ライフをクロストークで展開。

仕事、暮らしぶり、地域とのつながり方など、実際に住んでいるから見えてくる先輩移住者たちの目線を通して、天草の魅力を深掘りしたトークイベントをレポートします。

【ゲスト】

◆移住・定住コーディネーター 溝口大地さん

鹿児島県出身。野山を駆け回り、海や川で魚を追いながら育つ。
高校卒業後、山口県の大学へ。アパレル会社入社後、大阪や愛知など全国を転勤。
海に行けないストレスに負け、2022年3月に海に囲まれた天草へ移住。

 

◆新体操・ヨガインストラクター 黒田江梨佐さん

熊本県熊本市出身。小さい頃から新体操のクラブチームに所属。
アパレル企業入社後、全国を転勤。退職後、ヨガインストラクター資格取得。
愛知県在住時に海での静かな暮らしに憧れ、2022年3月に天草へ移住。

 

◆カフェ・キャンプ場経営 玉城悠生さん

大阪生まれ大阪育ち。兵庫県の大学卒業後、東京へ就職したのち大阪へ戻る。
コロナの影響で仕事を辞め、家賃が払えずバンライフ旅を始める。
旅の途中で天草へ立ち寄ったことがきっかけで2020年12月に移住。

 

◆カフェ・キャンプ場経営 田口あかねさん

愛知県岡崎市生まれ、天草育ち。
熊本市内の大学を卒業後、熊本市内のカフェやレストランに勤務。
2018年に地元・天草にUターン。2020年より地区振興会に所属。
海水浴場とキャンプ場を管理しながらカフェを経営。

 

◆会社員 松下悦子さん

東京生まれ東京育ち。東京の大学卒業後、都内で就職。
夫の両親の故郷である天草へ親戚の用事で訪れた際、釣りの醍醐味と鯛の美味しさにはまり、
理想の古民家を見つけたことが後押しとなって2021年に移住。
東京の会社の仕事はそのままテレワークで行い、週末や釣りや改修を楽しんでいる。

 

◆アーティスト(絵描き・ダンサー) 厚芝姫路美さん

奈良県の三輪山の麓に生まれる。徳島の大学院修了後、大阪で美術教員として勤める。
国内外で個展・グループ展を多数開催。『atsushibaギャラリー』主宰。
九州や沖縄の離島が好きで2020年に天草移住。現在は、古民家ギャラリー『中鶴美術館』主宰。

 

【ファシリテーター】

◆稲田佑太朗

陸続きの島暮らしに惹かれて、

移住者は年間100名前後

ファシリテーターの稲田佑太郎さんと、ゲストの自己紹介から座談会がスタート。移住・定住コーディネーターの溝口大地さんによる天草のまちの紹介をはじめ、ゲストそれぞれが出身地などのプロフィールを交えながら、現在の仕事やライフスタイル、空き家の活用法、地元の人や土地柄などをバラエティ豊かに語っていただきました。

天草市は熊本県南西部に位置し、上島と下島および御所浦島などからなる天草諸島の中心部。離島ではあるが天草五橋で陸続きになっています。天草市は人口約8万人で、広さは東京23区とほぼ同じくらいだそうです。気候は温暖で、年間平均気温は16.7℃で、冬は暖かく夏は涼しいのが特徴。島国ならではの豊かな海と山の恵みをいかした農業・漁業が盛んに行われています。また、世界遺産に登録された崎津集落などキリシタン・南蛮文化、野生のイルカとの遭遇率が90%以上という美しい海峡など風光明媚な自然環境が多く、観光資源にも恵まれています。現在、天草市には年間およそ400名が移住の相談や問い合わせがあり、そのうち年間100名前後の人が空き家バンクを利用して移住を果たしているそうです。

クロストーク①

移住の理由で一番多いのは『海』。

『人』の優しさも決め手に

今回のクロストークのテーマは、若いからこそ実現できた地方移住。1700以上もある自治体の中から天草という地域の仕事と暮らしに、どうたどり着いたのか。移住の経緯を伺いました。

ゲストたちが天草市を選んだ理由で目立ったのは『海』があること。四季折々の美しい景観、釣りやSUPなどのアクティビティを楽しめる“遊び”や“癒し”の場として、新鮮な海の幸をほこる“食と生活”の海洋資源として、天草の海はさまざまな恩恵をもたらしてくれます。交通やインフラなどの利便性よりも、「天草の海はエリアによって色んな表情がある」「好きな海の近くで暮らしたい」と、自らの感性を大事にして移住を決めたという意見が印象的でした。

一方、最初は移住をためらっていたという人も。Uターンした田口あかねさんは「10代の頃は何も無いと思っていたけど、大人になって天草の面白さが見えてきた」そうです。

玉木さんと田口さん

松下さん

東京からテレワーク移住をした松下悦子さんは「引っ越し自体したことがなく、移住は人生の一大イベント。すぐに決心がつかなかった」と言います。そんなお二人の琴線に触れたのが天草で出会った『人』の優しさ、温かみのあるコミュニケーションでした。

 

クロストーク②

ホントのところ“お金”はいくら必要?

当然ながら生活するにはお金が必要です。その中でも地方暮らしの目安になるのが固定費である『家賃』。溝口さんに『空き家バンク』を例にあげてもらいました。「今、僕も空き家バンクの賃貸物件に住んでいますが、3階建の1戸建てで月の家賃は3万5000円です。正直、空き家バンクでは最高級物件ですね(笑)」と、溝口さん。物件の広さや立地などにもよりますが、賃貸の相場は大体2万円前後。玉城悠生さんが暮らす古民家は破格の5000円。空き家バンクではなく、『固定資産税だけ払ってくれれば』と地元の人から譲り受けた家は、駐車場と山と畑付き。古民家ギャラリーを主宰している厚芝姫路美さんが、一軒家を改装したご自宅の画像を披露するサプライズも。広々とした家の購入資金は100万円だったそうです。家賃も含めて、年収100万円あれば余裕で生活できるという声もありました。

溝口さんと黒田さん

 

クロストーク③

魚介類から漁船まで
“いただきもの”が続々?!

いわゆる“田舎あるある”でよく耳にするのが、地元の人たちからのいただきもの。ヨガ教室をしている黒田江梨佐さんは「おじいさんとおばあさんが携帯の使い方で困っていたのを見かけて、手助けしたらお礼にと鯛をいただきました」と、思いがけず地域の人との知り合うことも。

厚芝さん

漁港が家の目の前にある田口さんは「底引網漁でかかっても出荷できない魚や貝をたくさんいただきます」。そのお返しに、人手が必要な時などはお手伝いをされるそうです。食べもの以外にも、軽トラいっぱいの木材、小さな漁船、家財道具一式という驚きのエピソードも。おすそわけをする地元の人は“もらってくれてありがとう”、受け取る移住者側も“気持ちをありがたくいただきます”と、感謝の応酬を通して、どんどんコミュニケーションが広がっていくようです。

 

クロストーク④

起業、テレワーク、会社勤め。
移住先で自分らしく働くために


ファシリテータの稲田さん

移住先で気になるのが仕事の問題。今までに培った技術や経験をいかして起業する人も増えていますが、テレワーク移住をする人もいれば、天草で就職先を見つけたいという人もいると思います。天草では主幹産業の漁業や農業のほか、市の取り組みとしてIT企業などの企業誘致も積極的に行われています。課題のひとつがやはり少子高齢化。建築業や鉄工業では特に若い力が求められているそうです。「移住者が地元の人と話をするだけで、トントン拍子でお仕事が見つかることもあります」と、ちょっとしたご縁やおつきあいから仕事につながるケースも少なくありません。さまざまな選択肢がありますが、「自分が本当にやりたいこと、興味のあることを考えて探すことが重要」という言葉に、参加者もうなずいていました。視聴者からは、仕事のほか、子育てや学校、病院、商業施設など暮らしの環境についての質問メールも。若い世代のリアルな本音トークを通して、天草の魅力とこれからの未来がかいま見える楽しいイベントとなりました。

文・山田美穂

あまくさライフ/天草市移住・定住サイト
「島のような穏やかなまちに移住したい。でも島暮らしって不便かな…」と悩んでいる方に特におすすめしたいのが、天草市。ここ数年で20〜30代の移住者が続々と増加している全国的にも珍しい地域です。どんなまち?人気の理由は?などを探るには移住・定住サイト「あまくさライフ」を覗いてみましょう。
https://inaka.amakusa-web.jp/

あまくさライフ公式Instagram
天草に移住した方の暮らしやお店の紹介、移住相談会情報、その他いろんな移住に関する情報発信をしています。移住担当者による空き家紹介のライブ配信もお見逃しなく!
https://www.instagram.com/iju.amakusa/

天草市ふるさと住民登録制度
天草市では、出身者などとつながりを深めながら、魅力的な地域づくりを行うため、「天草市ふるさと住民登録制度」をはじめています。これは出身者などがふるさと住民(あまくさンサポーター)として登録し、自身が市に協力できること、市のためにやりたいことを記載するもので、登録情報をもとに市内の団体などの利用希望に応じてマッチングし、お互いにつながりを深めながら、ともに市を盛り上げていこうというものです。
https://www.city.amakusa.kumamoto.jp/kiji0034927/

                   

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