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【求人】伝統×クリエイティブ
白河だるまが秘める可能性を広げる仕事
福島県白河市 地域おこし協力隊

「だるま」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
願い事、お祝い事、選挙などの勝負事、それとも海外へのお土産……?

福島県白河市は、国内でも有数のだるまの産地。縁起物の「鶴亀松竹梅」が顔の中に描写されているのが特徴的な「白河だるま」は、江戸時代の白河城藩主、松平定信公が、城下の繁栄を願ってだるまを普及させたのが始まりと伝えられています。
そんな伝統のある白河だるまの製造を、2つの会社が一手に担っています。そう聞くと、職人技や伝統を守り続けるというイメージを強く感じるかも知れません。

ですが、白河だるまの製造所は、我々の想像を超えていく、熱さやクリエイティブにあふれていました。
そんな白河だるまの可能性を担う「地域おこし協力隊」を、福島県で募集しています。
今回、受け入れ先となる3つの会社を取材しました。

 

伝統とコラボ。
企業のオーダーも自分たちの企画もだるまに乗せていく

白河だるま総本舗「渡辺だるま店」を継ぐ、14代目の渡邊高章たかあきさんは27歳。江戸末期からだるまの製造を続けている同店ですが、伝統的なだるま製造のほかに、企業とのコラボレーションも積極的に行っています。最近では、東京2020オリンピックやセレクトショップのビームスジャパン、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」などとコラボしています。


白河だるま総本舗14代目 渡邊高章さん

だるまの製造は、昔から女性の仕事だったそうで、同本舗もだるま製造業務にあたっている15~6人は全員女性だそうです。渡邊さんはその中で、企画、出荷作業、事務作業、など製造以外の業務を担います。「企画や営業は、進めていきたい部分なので、地域おこし協力隊の方には、製造以外の仕事で入って来てくれるのも非常にありがたいですね」。

だるまを使ってなんでもできる 可能性の宝庫

とてもわかりやすく、日本の伝統工芸品であるだるまですが、その製造を行っている地域は限られています。競合が多くないので、新しく企画したものの結果が出やすいと渡邊さんは話します。渡辺だるまでは、製造のほかに、企画や商品開発も積極的に行っており、伝統を「守る」だるま、新しい形をつくっていく「攻め」のだるま、2つのラインがあるのが特徴です。そんな渡辺だるまには、今年新卒で男性社員が入社。渡邊さんとともに、製造以外の作業にも携わっています。現役陸上選手だという溝井涼雅りょうまさんとだるまとの出会いは、駅伝での願掛け。渡辺だるま製の、応援メッセージが書かれただるまをプレゼントされたそう。大事な大会の時はだるまが最後の神頼みでした。

「陸上選手である自分の経験が、だるまの企画や営業に生きると思う。ほかの人とは違うアプローチだと思うので。陸上×だるまで何かやりたいです」という溝井さんの笑顔が印象的でした。地域おこし協力隊を目指す人へは、「自由に発想させてくれるので、何か新しいことをやってみたいという人におすすめの職場です」と話してくれました。

白河だるま総本舗 溝井涼雅さん

 

手作業だからこそ 一人一人のお客様に寄り添っただるまを

次に伺ったのは、佐川だるま製造所。ここでは、だるまの型に貼る和紙をすくところから自社で行います。自社店舗の奥まで続く工房には、長く使い続けた道具や型が置かれ、伝統を目の当たりにできます。
製造や販売を担う佐川理沙さんは、この仕事を始めて約10年。まだまだ修行中だと言います。

佐川だるま製造所 佐川理沙さん

楮(こうぞ)をすくのも昔ながらの手作業

こんなに大きなだるまも、注文が入ります

お客様の声から広がるだるまの可能性

佐川だるま製造所の店舗には、ユニークなデザインのだるまが多く並びます。そのほとんどは、お客様からリクエストがあって、同製造所が工夫を凝らしてつくったもの。すべて手作業で行うため、大量生産はできないものの、その分お客様の希望に寄り添って、丁寧に製造することができます。
そこから思いもかけない展開が生まれることも。商売繁盛の「仙台四郎」をだるまにしてほしいとのリクエストを受け製造し、1体残して店舗に飾っていたところ、別のお客さんがこれと同じものが欲しいとなり、そのだるまは今、ロサンゼルスのラーメン屋にあるのだとか。「そういう、予想がつかない出来事がだるまを通して起こるのは、本当に楽しいですね」と佐川さん。

ひときわ存在感を放つ仙台四郎だるま(写真右手)

伝統を守りながら、丁寧に、挑戦していく

協力隊として働きたい人に向けては、まず仕事を知ってほしいと言います。そのうえで、本人のやりたいことに寄り添いたい、と佐川さんは話します。製造に関しては、辛抱強く続ける作業も多いので、「あきらめないで、続けてくれる人。仕事の楽しさを自分で発見できる人と一緒に働けたら」と呼びかけます。現在佐川だるまで製造に当たっているスタッフも、ほとんどが女性で、長年勤めてくださっている方が多いそう。

「私の祖父は、50年以上だるまをつくっていても、完璧にできたことはない、まだよくなるはずと作っていたんです。そういうところに楽しさを見つけてもらえたら」。また、外からの視点で、客観的にだるまを判断できる視線を持っている人だとありがたいとも話してくれました。製造だけでなく、だるまのPRをしたり、新しい企画を作っていくことも協力隊の仕事になっていきます。


市内の作家とコラボしただるま。つやと色合い、花柄が個性的

 

協力隊とだるま屋さんをつなぐ役目は、ご当地ヒーロー!?

最後に、だるま作りを行う2社との間に入り、協力隊員の所属先となる民間企業を訪問しました。
「だるまのように転んでも起き上がる」、をミッションとする「ダルライザープランニング」は、2008年に登場した白河市のご当地ヒーロー「ダルライザー」を活用した地域活性化事業を行っている団体です。代表の和知健明さんが、ダルライザーご本人。地域おこし協力隊と、受け入れ団体のだるまの製造所とをつなぐ、メンター的な役割を担います。

地元高校を卒業後、俳優を目指して上京していた和知さんですが、結婚を機に白河市へUターン。2008年に子どもが生まれたことをきっかけに、自分の子どもたちが楽しいと思える町にしたいと、だるまをモチーフにしたご当地ヒーロー「ダルライザー」として活動を始めました。
ご当地ヒーローを始めたきっかけは、白河商工会議所の青年部内で、キャラクターをつくろうと話が出たことと、地域を活性化したいという自身の想いが重なったところから。ダルライザーとして認知度が上るにつれ講演会等の依頼が増えてくる中で、観客から「ダルライザーってこんなメッセージを持ってやっていたんですね!今まで知りませんでした」と、より深く想いが届いた経験がありました。ヒーローショーのような短時間のものよりも、時間を取って想いを伝えることや、映像的なビジュアルが効果的だと気づき、映画製作を手掛けることに。市民も巻き込みながら撮影をはじめ、2年の年月をかけ制作された『ライズダルライザー -THE MOVIE-』が、2017年7月に公開。単なる「ご当地ヒーロー」の枠を超えた、高い評価を得ました。
協力隊の方には、ダルライザープランニングに所属しながら、渡辺だるまもしくは佐川だるまに通っていただくことになります。本人が希望すれば、ご当地ヒーロー×だるま作りの兼業、なんてかなりユニークな働き方もできるかもしれません。

ご当地ヒーローがお勧めする白河市

地域活性化事業を行うご当地ヒーローですから、当然白河市のことは熟知しています。「自分が東京に出ていくときは、何もないまちだなぁと思っていましたが、ダルライザーをやるようになってからは、なんでもあるまちだと思うようになりました」、と和知さん。

松平定信ゆかりの小峰城(白河城)や、日本最古の公園と言われる南湖公園は、外から観光に訪れる人だけではなく、地元の人にとっても憩いの場所。白河ラーメンは、喜多方ラーメンと並ぶ、福島県のご当地ラーメン。町自体がコンパクトなので、買い物も便利です。
駅前に新しくきれいな図書館やホールがあること、チェーン店は少なく、個性的な個人商店が多いことも、暮らしやすさにつながっています。


小峰城


小峰城 二ノ丸茶屋の「だるまバーガー」。だるまはまちのシンボルのようなもの。


白河市の名所「南湖公園」(写真提供:白河市) 

そして何より、移住を考えている人に良い点は、首都圏からの交通アクセスが抜群に良いということです。
新白河駅は、東京駅から1時間15分。白河から東京に通勤している人がいるほど近いのです。東北自動車道でも、埼玉県浦和市から1時間40分ほどで到着できてしまいます。


白河駅舎(写真提供:白河市)

そしてもうひとつ魅力的なのは、和知さんも所属する白河商工会議所青年部(~45歳まで)が元気で、若手のプレーヤーが多いということです。
地方都市では、未だにシニアである重鎮の発言力が強い地域も多い中、若手が活躍できる場があるというのは、移住者にとってはかなり心強いはずです。

自分のやりたいことを叶えに、白河へ!

どこの地方都市でも同じではあると思いますが、白河市でも若者は大歓迎されます。ただ「せっかくポテンシャルが高い地域なので、こういうことをやりたい、と何か目標がある人がいいのでは」と和知さん。「でも、無ければ無いで、ここに来てメンタルを育てればいいと思いますよ」とも。“七転び八起き”なだるまの産地ならではの心持ちかもしれません。

今回の取材で「だるま」や「伝統工芸」という単語からイメージするのとは、だいぶ違う、人やまち、工芸品の姿を見せていただきました。様々な角度から可能性を感じる白河市で、だるまの可能性を広げてみませんか?

(文:山根麻衣子、写真:中村幸稚)

 

 

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雄国根曲り竹細工(福島県喜多方市 地域おこし協力隊)
https://turns.jp/31237

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