東海道新幹線に乗ってると感じるんですが、静岡県って結構広いんですよね。
エリアが大きく4つに分かれていて、県庁所在地のある静岡市を中心とした中部エリア、御殿場市や富士宮市など富士山のふもとにある東部エリア、工業地帯で有名な浜松市を有する西部エリア、そして温泉地として常に人気の高い熱海市や伊東市などの伊豆エリア。一度は行ったこと、聞いたことがある地域ばかりではないでしょうか。
東京からは新幹線で1時間あれば行けるアクセスの良さ、一年を通して温和な気候で過ごしやすく住みやすい。そして、全国的な知名度を誇るB級グルメの富士宮やきそばを筆頭に、うなぎ、おでん、桜エビなど、あげたらキリがないほど数多くの名産品や名物があるのも特徴的です。
そんな静岡県をフィールドに、地域で働き地域に貢献する、若き人材が次々と生まれているのをご存知ですか?
今回は、6月30日に開催される若者交流会「〜静岡でかなえる、自分らしい生き方・働き方〜」のゲスト6名をちょっぴりご紹介します。
静岡にたどり着いた経緯は人それぞれ、働き方や地域との関わり方も人それぞれですが、”一人の活動が広がっていくと、結果として地域が元気になる” ということを実感する、そんな6人です!
[静岡市葵区]井川メンパの継承者
檜を曲げて漆を塗った伝統的なお弁当箱『井川メンパ』。地域おこし協力隊として、この井川メンパの伝承に取り組むのが、林隆太郎さん。京都府出身で、ものづくりの職人になるという夢を叶えるため、今年の5月より静岡市内で活動している。この日は、メンパ職人の親方から初めてメンパ作りのノウハウを学んだ。1時間に4つの型が作れれば1人前と言われるメンパ職人への道は、まだ始まったばかり。
注文が多く生産が追いついていない井川メンパの現状を変えるべく奮闘する、林さんの想いをイベントでは熱く語っていただきましょう。
[浜松市]人と人をつなぐ まちおこし起業家
浜松市出身の中谷明史さんは、中山間地域の持続可能性に危機感を感じ、2015年に東京からUターンで浜松に戻り、飲食店「kissa&dining 山ノ舎」をオープン。学生時代よりコミュニケーションツールとしてのお酒に興味を持ち、バーテンダーとしての経験も持つ中谷さんだが、徐々に興味は「お酒そのものではなく、お酒のある空間」に変わっていった。その想いを表すように、中谷さんの領域は単なる飲食業だけでなく、コーワーキングスペースの運営からイベントオーガナイズ、旅行業「山ノ舎旅社」の立ち上げなど多岐に渡る。
何よりも人にフォーカスし、人と人の繋がり、出会いを大切にする中谷さん。自身も起業の時に気になっていた、Uターン後の事業のつくり方や人の集め方など参考になるポイントを話してくださるそうですよ。
[藤枝市]デザインを通して地域の力になりたい
富士宮市出身の石川紗彩さんは、藤枝市でボランティア活動に参加していた時に “地域おこし協力隊” という制度があることを知った。実際に地域に入ってみると、情報発信やデザインのスキルが必要とされていることを実感し、都会でなくてもデザインを生かして地域の力になれるのではと、藤枝市の地域おこし協力隊に応募した。
「今は地域の活動に専念していますが、任期が終了しても藤枝市と繋がりながら、いずれは小さなお店を開きたい」と話す石川さん。地域で働くことについて、リアルなお話を聞いてみたいですね。
[沼津市]30年ぶりの移住者として、自分にできることを実行する
東京にある有機食品のお店で働いていた今井風多さんは、東日本大震災をきっかけに移住を決意。偶然、仕入先の一つだったみかん栽培を営む90歳代の知人に声をかけられ、縁もゆかりもない沼津市の築100年近くの古民家に、2人のお子さんと奥さんを連れて移住。この地区では30年ぶりの移住者となった。
その後、友人らの助けを借りながら、物件探し、カフェ「NORA」の開業、ゲストハウス運営、経営など全て一から覚えたそう。先日、初めて音楽フェスも主催。まだまだ課題があるものの、手応えを感じている様子。もっと地域の人も巻き込みながら、ここにしかない魅力を訪れた人に発信していきたいと意気込む今井さんの挑戦話に花が咲きそうです。
[伊豆の国市]一人の元気がまちを明るくする
金融会社に勤務したのち、青年海外協力隊としてウガンダに赴任した千田一徳さん。赴任中に東日本大震災が起き、地元の仙台が大きな被害を受けたことを知り、帰国後は復興支援の活動に従事。その後、自転車での日本一周を経て、東京でITコンサルティング会社に勤めるが、仕事優先の生活から脱して家族のために仕事がしたいと思い、移住を決意。奥さんの実家も近い伊豆の国市の地域おこし協力隊に応募した。
現在は、野菜や加工品の移動販売を行い高齢者の買い物援助を行いながら、自慢の元気さと明るさをウリに地域を盛り上げています。様々な経験を積んできた千田さんならではの、今後の構想もぜひ聞いてみたいと思います。
[静岡市清水区]作家の未来も広げていく、若き挽物職人
浜松市出身の百瀬聡文さんは、静岡デザイン専門学校在学中に静岡挽物と出会い、卒業後10年に渡り師事、修行を積んだ。そして2011年に独立、「挽物所639」を設立した。木を削る道具から刃物まで全てを手作りし、椀・木鉢・花びん、椅子の足など丸いものなら何でも作ってしまう。
「木は湿度や温度に左右されるが、木の性格を知り木と対話して作ることが難しくもあり面白い」と語る百瀬さんは、その技術を生かして様々な仕事を受けているそう。定期的に開催している「moyocami gallery」や、静岡県内の若手職人からなる「するがクリエイティブ」の代表も務めるなど、その活動は職人や作家の未来も広げているように感じます。ものづくりを目指す人には、必見のお話が聞けること間違いなしです。
ざーっとご紹介しただけでも、皆さん素敵な活動ばかりで、やっぱり静岡県は広い!と思ってしまいますよね。
これだけ様々な職種・エリアの方々が一同に集まる機会はありませんので、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょう?
写真:内田真之介
- 若者交流会「〜静岡でかなえる、自分らしい生き方・働き方〜」
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開催日 2018年6月30日(土) 時間 13:15〜16:00 会場 移住・交流情報ガーデン 地図 住所 東京都中央区京橋1丁目1-6 アクセス JR東京駅(八重洲中央口)より徒歩4分/地下鉄東京メトロ銀座線 京橋駅より徒歩5分 定員 20人 主催 静岡県 参加方法 下記問い合わせ先へご連絡ください。定員になり次第締切とさせていただきます。
※要事前申込【申込締切:6月25日(月)】お問い合わせ先 静岡県くらし・環境部政策監(移住・定住担当)
TEL:054-221-2610
MAIL:iju★pref.shizuoka.lg.jp(★→@に変えてください)プログラム ・しずおかって、どんなところ?
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