学生がレポート #かみのやまローカルインターン vol.2

山形県南東部に位置し、古くから城下町・ 宿場町・温泉町で栄えた上山市。近年は芸術活動やものづくりが仕事の移住者やギャラリーも増え、芸術祭の会場になるなどアートな風も感じられ注目されています。

そんな上山市を舞台に、昨年「#かみのやまローカルインターン」が開催されました。

大学生を中心に、自ら写真を撮り様々な取材体験やワークショップを行いながら現地を巡り、その魅力を発掘することで今後の自分たちのライフスタイルのヒントを掴もうというこのプログラム。

参加した若者たちによるレポートの第2回です。

 

早起きして上山人と歩く。「葉山早朝ウォーキング」

葉山コース案内図

朝7時頃、温泉宿が並ぶ一角に、私たちを含め約15名が集まっていた。先生は、旅館「時代屋」の社長さん。初めに注意事項やコースの説明があり、そこで初めて耳にした「クアオルト」という言葉。ドイツ語で「健康保養地・療養地」という意味だそうだ。ここ上山は、日本初のミュンヘン大学認定のウォーキングコースが存在する。
参加者は地元の方と、観光客が半々。地元の人たちはほぼ毎日このコースを歩いているそうだ。開始5分後、私はゼーハー息を切らし始める。
しかし、何周りも年上であろう地元の人たちはスタスタと身軽に歩いている。その体力を目の当たりにし驚き、自分の生活習慣を反省。

おいていかれている図

時々止まっては健康法や植物についての説明をしてくれる。見るものすべてが初めてで、ワクワクする気持ちが運動不足の足を進めさせた。
途中にあったレトロな井戸はとっても冷たく、肘まで浸かると、思わず「冷たい!」と声を上げてしまうほどだが、濡れた腕は拭かずにしばらくすると、ジンジン芯から温まる感覚があった。冷水によって血行を促す、クナイプ式「水療法」だ。

レトロな井戸

しばらく歩くと神社に着いた。お参りを済ませ、皆で体操をした。早朝の体操は、空気がすっと澄んでいて最高だ。深呼吸をすると、冷たい空気が体の中を通るのが分かる。

神社

そして展望台からは一面に広がる絶景。ここで全員で腹から大きな声を出す。「ヤッホ〜」ではなく、「ヤ! ホ!!」だ。何か溜まっていたものがスッキリした感覚。上山の皆さんにも聞こえただろうか。

最後に座って、美味しい抹茶やコーヒー、梅干しなどをいただいた。「自分たちの“楽しみ”のために毎日こうしている」という。なんて豊かなのだろう。
皆さんにお礼を言い、私たちは一足先に帰った。少しすると、あの「ヤ! ホ!!」の声が聞こえてきた。見上げると先ほど別れた皆さんがいて、手を振ってくれていた。それが嬉しくて、こけそうなくらい手を振り返しながら、初の早朝ウォーキングを終えた。

展望台から見た景色

 
(文・写真)浅野有希 産業能率大学三年生 
地域活性化に携わるため日々勉強中。誰かに伝えたい、地域の埋もれた魅力を発信するオンラインマガジン「ふたりごと文庫」編集長。
https://nippon-teshigoto.jp/blog

 

“かみのやま”には絵に描いたような子供たちがまっている。

山形県上山市……。名前も初めて聞いたこの街に僕は訪れた。
かみのやま温泉駅に降りついた僕は何も考えずに街を散策していた。でも一人で歩く僕には何か物足りなかった。

すると、虫カゴとにらめっこする小学生が一人。
僕「なにしてるの?」小学生「虫で遊んでる」僕「見せて〜」
ひょんなことから打ち解けた子供に遠くからこの街に訪れたことを伝えると、街を案内してくれることに。
毎日のようにカブトムシ、クワガタムシが取れる木。高学年にならないと入っちゃいけない川。大きな蜂の巣のある小屋に公園までの近道。冬になると雪で通れなくなる小道。
僕はなぜか高揚しワクワクしていた。さっき一人で歩いていた道も全く違う道になっていた。一人の小さな案内人がついただけで、とてつもない観光名所になっていたんだよね。

小さな案内人に別れを告げて、一人での散策に戻る。
公園の横を通りかかると沢山の子供達が遊んでいた。エネルギー全開! 言葉通りに走り回り、遊具に登り、ボールを蹴り飛ばす。
そんな子供達に話かけてみた。子供達も僕に興味津々。
「ねー遊ぼうよ」「サッカーしよー」「この遊具登ってー」一斉に喋り続ける。
なんだこのエネルギーって思ったよね。そこからは僕を使って次から次へと遊び続ける。「君たちゲームしたりしないの?」って質問した。
「ゲーム? 外でみんなで遊んだほうが楽しいもん」って。かみのやまの子供達すごい良い! イケてるって思ったね。
そんな子供達と遊んでもらってたらいつの間にか腹から笑ってたし、あっという間が時間過ぎてて、ものすごいエネルギー使ってたんだよね。

大人になって忘れていくものがこの街にはあった。
街のガキンチョみたいに遊びひとつにあんなに真剣になってみんなで笑う。そんな小さい頃の気持ちを思い出させてくれる、絵に描いたような陽気な子供達がこの街にはいた。
かみのやまに訪れよう。そして、大人もたくさん笑おう! 無邪気になろう。

 
(写真・文)MICKY 名古屋商科大学 商学部。
旅、サッカー、アウトドアが好きで、キャンプ、サバイバル、ヒッチハイクなど外遊び好きな20歳!
大学1年でヒッチハイクをして旅が大好きに!
2018年3月からGoProを片手に世界一周予定。Instagramで旅の様子のフォト&ムービーあげてます。
https://www.instagram.com/k.miiiiiiiik/

 

働くと暮らすを考える 

~趣味と家業を組み合わせて WOODYFARM&WINERY 木村さんのお話~
デザインが好きな木村さんと陶芸が好きなお父様、DIYができる知り合いなど様々な人々の知恵と技を組み合わせてこのお店を作っているそうです。「家業は選べないけれど、そこに趣味を組み合わせると楽しくなる」という言葉が印象的でした。木のぬくもりがある空間に自ら考えたワインのストーリーなども飾ってあり、心穏やかになる空間でした。ワイン用のぶどうで作られたぶどうジュースは今まで飲んだどんなものよりも濃く、深みのある味でした。

~暮らしの中にある仕事 土澤木工さん~
以前は東京でアパレルショップの什器を作っていた土澤さん。仕事をする中で木材を使った商品を作りたくなったそうです。その後長野県の木材の学校を卒業し、地元の山形県に戻り、お店をオープンしました。その後は苦労の連続だったそうですが、こだわりは決して曲げなかったそうです。仕事を、やらなければいけないものではなく、暮らしの一部としてとらえている姿が魅力的に思いました。木で作られた家具は温かみがあって、ずっと触れていたくなりました。

~お城の中の山形の味 丹野こんにゃく~
道を歩いているとよく目にする玉こんにゃくという文字。不思議に思っていましたが、山形はこんにゃくの消費量日本一なのだとか。(生産量1位は群馬県)
このお店の名物は餅こんにゃく! こんにゃくを混ぜることで独特の歯ごたえと甘辛い味噌の味が何とも言えない美味しさを作り出していました。他にもかぼちゃを煮たものをこんにゃくで固めたものなどユニークなものがたくさんあって「かぼちゃとこんにゃくって合うのかな?」と半信半疑だった私ですが非常に美味しくて気に入りました。

上山市にはまだまだ伝えきれない魅力がたくさん詰まっています。ちょっと疲れた時、自分の人生を見つめ直してみたい時、美味しいものや魅力的な人々を求めて上山市を訪れてみてはいかがでしょうか。

(写真・文)児嶋佑香
神田外語大学4年
WWOOFやゲストハウスのヘルパーを通して地域のおもしろさを知る。今後も様々な地域と繋がりのある生活ができないかと日々模索中

 
vol.1 https://www.turns.jp/read/16426 

vol.3 https://www.turns.jp/read/17749

                   

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