【移住者インタビュー】
「地域貢献」を胸に、鹿児島県薩摩川内さつませんだい市へ。
温かく迎えてくれたまちで、恩返しを

神奈川県茅ヶ崎市生まれの上西尚斗さん。東京のIT会社に新卒入社しましたが、「地方の現場を見て、自分に何ができるのか試したい」と転職を決意。22年間暮らした神奈川県茅ヶ崎市を離れ、鹿児島県薩摩川内さつませんだいへ移住しました。地元企業で営業、総務、農作業を精力的にこなし、休日にはツーリングを楽しむ上西さんに、移住の経緯や薩摩川内市の魅力、暮らしのなかで大切にしていることを伺いました。

 

多様な自然環境と歴史にあふれるまち、薩摩川内市

薩摩半島の北西部に位置する鹿児島県薩摩川内市。東シナ海に面した白砂青松の海岸線、市街地を流れる九州三大河川の一つ・川内川、ラムサール条約登録湿地である藺牟田池、地形の変化が美しい甑島など、多様な自然に恵まれたまちです。


引っ越してきた日にバスの中で一緒になったおじさんから教えてもらった寄田海岸にて。「プライベートビーチのように人がいなくて、きれいなところなんです」

「バイクが趣味なので、休みの日には一眼レフカメラとご朱印帳を持って神社を回ったり、遠出をしたりしています。薩摩川内市には本殿が県の有形文化財に指定されている新田神社がありますし、すぐそばに端陵(たんりょう)神社というお気に入りスポットもあります」

現在24歳の上西さんは、移住前まで茅ヶ崎市の実家で暮らしていました。鹿児島を訪れたことは一度もなく、鹿児島に親戚や友人もいなかったといいます。さらに、今回の移住で初めての一人暮らし。なぜ、縁もゆかりもない薩摩川内市への移住を決意したのでしょうか。

 

激務で働き方を見直し。地域貢献への思いも募り、転職を決意

上西さんが子どものころから現在まで抱き続けている夢は、「地域貢献」です。その原点となったのが、中学校での「総合的な学習の時間」で、茅ヶ崎市役所で景観みどり課の職員にインタビューしたことでした。

「茅ヶ崎市の生き物を守るために働く人の姿を知り、感動しました。いつか自分も市役所の職員として地域に貢献したいと思うようになりました」

その後、関東学院大学法学部地域創生学科に進学。ゼミの一環で岩手県北上市、静岡県焼津市、東京都東大和市、神奈川県藤沢市を訪れ、地域の課題に対する政策提言に取り組みました。

「フィールドワークでさまざまな立場の人たちからお話を伺うなかで、地域に貢献する方法は公務員に限らず、いろいろな形があることを学びました」

焼津市からの感謝状

そして、大学卒業後は地方創生事業を手がける東京のIT企業に就職します。ところが、会社の事情でその事業が終了し、上西さんは別の部署に配属されることになりました。

それでも気を取り直して仕事に取り組んでいましたが、朝は4時に起きて出勤し、家に帰り着くのは日付が変わる頃。通勤に往復5時間かかることもあり、次第に働き方に疑問を抱くようになったといいます。

「体力的に厳しく、週末に休んでも疲れが抜けなくて。『このままだとまずいな』と感じていました。それに、『地域に貢献できる仕事がしたい』という思いもくすぶっていたんです。将来のことを考えたとき、別の道を選ぶべきではないかと考えるようになりました」

退職の意向を伝えたところ、会社から紹介されたのが、現在勤務する薩摩川内市のバイオアース株式会社の営業職でした。同社では、桑を栽培して蚕を育て、その繭から抽出したシルク成分を活用した化粧品を開発し、製造・販売しています。

「伝統的な養蚕を通じて地域を盛り上げる仕組みをつくっていることを知り、ぜひここで働きたいと思いました。また、薩摩川内市に移住して市内の事業所に勤務すれば、奨学金返還支援補助金やUIJターン者家賃等補助金を利用できることも知りました。経済的な負担を抑えられることも、移住と転職へ踏み出す大きな後押しになりましたね」


商談をする上西さん

 

営業だけでなく、総務や農作業にも従事

学生時代から「一度地方に住んで、自分の目で確かめてみたい」と考えていた上西さん。とはいえ、親戚も知り合いもいない薩摩川内市での暮らしに、不安はなかったのでしょうか。

「何とかなると思っていました。だから、移住前に生活環境を調べることは、ほとんどしなかったですね。調べすぎて頭でっかちになるより、自分の目で見て、現地で起こることを楽しんだほうがいいと考えていました」

土地勘がない上西さんのために会社が住居を手配してくれたこともあり、移住はスムーズに進みました。9月末に前職を退職するとすぐに薩摩川内市へ渡り、10月1日に同社での勤務をスタート。現在はホテルやエステ、物産館への営業をはじめ、総務や屋外での農作業まで、幅広い業務を担当しています。


営業活動の一環として、鹿児島県市町村自治会館で開催されたイベントに出展

養蚕から採れたシルクを化粧品として商品化し、販売するまでの一連の流れを学ぶため、入社後1カ月は屋外での現場作業に携わりました。その後は営業活動と並行して、販促資料や会社案内の作成、社内の情報共有や連携を円滑にするためのGoogle Workspaceの導入など、業務環境の改善にも取り組みました。

「社長からは『会社を盛り上げていくためにできることを考えて、思いついたことはどんどんやってほしい』と言われています。その言葉を受けて、自分なりに考え、できることから行動に移しています」


「上西さんは、いつも先を考えて動いてくれるので助かっています」と植村頼美社長(写真右)

取材に伺ったこの日は、気温30度を超える真夏日。上西さんは屋外での作業に汗を流していました。

「今の時期はひたすら草刈りをして、蚕のエサになる桑の収穫作業をしています。入社したばかりの頃は熱中症になりかけたこともありましたが、だいぶ慣れてきました。もともと体を動かすのが好きなので、外での作業が一番楽しい時間かもしれません」

桑畑での収穫作業

仕事以外でも、地域とのつながりが少しずつ生まれています。社長のすすめで、上西さんは川内商工会議所青年部に加入。イベントへの参加や地域の経営者との交流を通じて、多くの刺激を受けているといいます。

「商工会議所でも会社でも、地域全体で若者を応援してくれる空気をひしひしと感じます」


川内川大小路みらい公園で開催された「SENDE FESTA 〜せんでふぇす〜」では商工会議所メンバーとして運営に携わった

 

コミュニケーションも、鹿児島の味覚も。移住後の暮らしを満喫

上西さんが薩摩川内市に来て感じたのは、とにかく「人が温かい」ということでした。

「急によそから来た自分を受け入れてもらえるのか、不安はありました。でも今は、全く心配していません。社長をはじめ、みなさんが我が子のように接してくれますし、わからないことも嫌な顔ひとつせず、一から教えてくれる。街中ですれ違った人に挨拶をすると、相手も『こんにちは』と笑顔で返してくれます。『これこそが人と人とのコミュニケーションだよな』と感じます。移住してよかったなと思えることのひとつですね」

仕事だけでなく日々の暮らしも充実しています。朝は6時に起床してランニングへ。シャワーを浴びてから朝食をとり、8時半過ぎに出勤。18時頃に仕事を終えた後は、再びランニングをしたり、ジムでキックボクシングをしたり。夕食は自炊することが多いそうです。

「鹿児島は何を買ってもおいしい。特に魚のおいしさと安さには驚きます。こちらに来てからは、魚を捌いて料理することも増えました」


川内漁協直営の食堂「薩摩海食堂」で大好きな魚料理を堪能

大型バイクの免許を持つ上西さんの休日の楽しみは、会社の先輩から譲り受けたバイクで鹿児島県内のさまざまな場所を巡ることだといいます。

「先日は1時間ちょっとかけて長島町まで行ってきました。そこで食べたブリのおいしさには感動しましたね」


「もう乗らないから」と会社の先輩に譲ってもらったバイクを愛用

さらに、将来の目標に向けて地域回りの経験も重ねている上西さん。今後の展望について伺いました。

「まずは自社の商品を通して、地元の方々をはじめ、より多くの方に薩摩川内市の魅力を届けていきたいです。また、地域のみなさんに温かく育てていただいていることを日々実感しているからこそ、今度は自分がこのまちにどう恩返しできるのか、挑戦していきたいと思っています」

うまくいく移住のポイントは、「壁をつくらず、思いを口に」

最後に、移住を考えている方へのアドバイスを伺いました。

「1つ目は、人に対して壁をつくらないこと。声をかけられたり誘われたりしたときに断ってしまうと、そこから広がるはずのご縁も途切れてしまいます。移住先での暮らしを楽しみたいなら、心を開いて会話すること、広い心で受け入れることが大切だと思います。

2つ目は、自分の思いを口に出すこと。私の場合は、やりたいことを話したことで、社長がたくさんの人とつないでくださり、人脈が一気に広がりました。口にしたからには、責任を持って行動する。そうして有言実行を重ねていけば、それが自分への自信になり、壁にぶつかったときに自分自身を支えてくれると思っています」

 

\薩摩川内市 移住セミナー&相談会開催のお知らせ/

薩摩川内市での暮らしに興味を持たれた方は、10月に東京で開催予定の移住セミナー&相談会に、ぜひ足を運んでみてください。

会場では、移住担当職員に直接話を聞きながら、実際の暮らしや仕事、子育てなど、気になることや不安について気軽にご相談いただけます。「まずは情報収集だけしたい」という方も大歓迎です!

日 時: 10月10日(土)12時30分〜(予定)

会 場: ふるさと回帰支援センター・東京

住 所: 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館ビル8階

参加費: 無料

定 員: 30名

主 催: 薩摩川内市

詳細・お申し込みはこちら

取材・文:横山瑠美


【薩摩川内市 移住定住サイト】
よかまちきやんせ倶楽部
https://www.city.satsumasendai.lg.jp/ijuteiju/

 

【移住に関するお問い合わせ】
経済シティセールス部 産業人材確保・移住定住戦略室
〒895-8650 鹿児島県薩摩川内市神田町3番22号
電話番号:0996-23-5111

 

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