100年続く町をめざす 町と共存するカフェ

「上勝での暮らしを続けていくために、
できることをしよう」と3人で合同会社を立ち上げ、
ごみゼロを掲げるカフェが始まった。

四国でいちばん小さな町に輝く ”北極星”という名のカフェ

徳島県上勝町は人口約1700人の四国でもっとも小さな町だ。
ここは日本料理などに添える”つまもの”の一大生産地。
つまものを扱う「葉っぱビジネス」を展開する「彩(いろどり)」事業の町として、
いまや全国から注目を集めている。
長年の経験と知識を生かして、60歳以上の高齢者が葉っぱビジネスの主軸を担う。
80歳代も現役で、「世界中探したって、こんな楽しい仕事ないでよ」といきいき働いている姿が印象的だ。
また上勝町は日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町。
2020年までに上勝町の焼却・埋め立て処分のごみをなくすため、
34分別によるリサイクルやリユースの推進に取り組んでいる。
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こうした活動が注目され、行政関係者などの視察が絶えない。そうした人たちに
「せっかく上勝へ来たのなら、上勝の新鮮な野菜でつくったおいしい料理を食べてもらいたい」と、
2013年12月、上勝を五感で感じられる「カフェ・ポールスター」が誕生した。

私の好きな上勝を知ってほしい。上勝とつながりをもてる場所に

RDND(アール・デ・ナイデ)の代表・東輝実さんは上勝町出身。
関西の大学に進学し、卒業と同時に上勝町に戻ってきた。
「ほかで経験を積んでから戻るのでは、遅い。上勝には時間がない」と感じていたからだ。
子どもの頃に使っていたバス停が草に埋もれていたり、小さな変化を目にするたび、焦燥感に駆られた。
その一方で「彩」やゼロ・ウェイストの取り組みは注目を浴び、
全国的に知られるようになっていく。
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学生時代をふり返り、東さんは
「田舎町から出てきた子が、帰国子女らと並んでも引け目を感じなかったのは
上勝での取り組みがあったから。
この町で生まれ育ったことは私にとって大きな武器だった」と語る。
文:飛田久美子  写真:千葉大輔
全文は本誌(vol.17 2016年6月号)に掲載

                   

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