人気インフルエンサーが体験
都心から近い千葉県南房総で憧れの二地域生活を楽しもう【前編】

平日は都会で仕事をし、週末は自然の中でレジャーを楽しむ。そんな魅力あふれる「二地域居住」という新しいライフスタイルに憧れている人も多いのではないでしょうか。

人気インスタグラマーのPITOさんが二地域居住を体験するため向かったのは、千葉県南房総エリア。東京から近く、海・里・山の美しい自然と新鮮な食材にも恵まれた南房総は、忙しく働く都市生活者の第二の生活拠点として絶好のスポットです。海で遊んでリフレッシュして、地域の人のやさしさに触れ、美味しい食事に舌鼓をうつ……。都会の喧騒を忘れて南房総でゆっくり過ごした3日間をレポートします。


プロフィール

PITO(ピト)さん

東京を拠点に全国・海外を旅するフリーライターとして活躍中。観光情報やグルメ、宿泊施設などを発信している。総15万人のフォロワーをもつ人気インフルエンサー。
インスタグラム https://www.instagram.com/pito_820/

<2022年11月24日(木)> ―鋸南町―
小学校をリノベーションした話題のスポット「道の駅保田小学校」を探検

鋸南町(きょなんまち)は、千葉県の南西に位置し、富津市・鴨川市・南房総市に囲まれた小さなまち。北部に鋸山(のこぎりやま)、南部に西ヶ崎、海岸沿いには複数の海水浴場があり、起伏に富んだ地形のなかで、海も山も楽しめます。

PITOさんがまず訪れたのは、「道の駅保田(ほた)小学校」。2014年に廃校になった保田小学校の校舎を再利用した複合施設で、飲食店や宿泊施設、マルシェ 、観光案内所などバラエティ豊かな施設が集まっています。

鋸南保田インターチェンジから目と鼻の先にあり、都心から約1時間で来られる近さ。JR内房線の保田駅からは徒歩約16分で、電車でも行きやすい場所にあります。この日は平日にもかかわらず、観光客で賑わっていました。

ここでは副駅長の中村 靖さんに旧校舎内をご案内いただきながら、昼食やお買い物も楽しみました。


副駅長の中村 靖さんと。

昔懐かしい給食メニューが食べられる「里山食堂」でランチタイム

昭和の学校給食でお馴染みのハムカツやクジラの竜田揚げなど、懐かしい味でお腹を満たしました。「里山食堂」のほか、ハンバーガーやオリジナルソフトクリームが楽しめる「café金次郎」・地元の中華の銘店「中国料理 3年B組」・薪窯ピッツァ専門店「Pizzeria Da Pe GONZO」・スイーツ&ブレッド「風土職人 A’ma~ne」と計5つの飲食店があります。

 

教室をホテルにリノベーションした「学びの宿」

「道の駅の計画がスタートしたとき、校舎を解体して新築する案もありましたが、『既存の建物を残したほうが親しんでもらえる』という意見から、校舎はもちろん設備や備品などにも極力手を加えず生かすことにしました。『泊まることでじっくり懐かしさを味わってもらおう』と誕生したのが、教室を宿泊施設にしたこちらの『学びの宿』です」と副駅長の中村さん。廃校になった学校を活用した道の駅は全国にいくつかありますが、宿泊施設があるのは保田小学校だけなのだとか。

廊下に沿って、教室の面影を色濃く残す客室が並びます。2~4名利用の客室は1人4,200円(税込)、5~15名利用の大部屋は1人3,600円(税込)。リーズナブルな料金設定も魅力的。施設内には浴場「里の小湯」(宿泊者は無料・日帰り入浴も可)があり、旅の疲れを癒すこともできます。

「まちの縁側」と名付けられた半屋外の空間は、本を読んでくつろいだり、利用者同士が自由に交流できる共用スペース。夕方までは一般にも開放され、夜間のみ宿泊者専用になるそう。

「夜の学校を体験できるなんて、まるで学校祭のような特別感。『肝試しができそう』など、学校で賑やかに過ごした子ども時代の記憶がよみがえります。ますます泊まる楽しみが広がりますね」(PITOさん)

 

マルシェ「きょなん楽市」でお買い物

旧校舎隣にある「きょなん楽市」は、もともと体育館でした。開放感いっぱいの空間に地元の生産者から届けられた新鮮な野菜や果物・お米・飲料・加工品・苗・花のほか、お菓子や小物まで、約3000点が並びます。地元の方にも人気で、お目当てのものをゲットするために午前中から足を運ぶ人が多いそう。

ランドセル型のボックスに入ったどら焼き、学校給食を再現したレトルトカレーなど、ユニークなコンセプトが心をくすぐります。いつも旅先でお土産を買うときは、渡して話題にしやすいものや、相手が「これ何?」と引っかかるようなものを選んでいるというPITOさん。クスリとしながら“お土産選び”という旅の醍醐味を楽しんでいました。

2023年には隣地に新しい都市交流施設がオープン予定。さらに便利で快適な滞在が楽しめそうです!

【情報】
都市交流施設・道の駅保田小学校
住所:千葉県安房郡鋸南町保田724
HP:https://hotasho.jp/

 

明鐘(みょうがね)岬のカフェで最高の眺望とおいしいコーヒーを満喫

西側に三浦半島や東京湾などを望む内房エリアは、海岸線からの眺めも上々。夕暮れのなか向かったのは、「音楽と珈琲の店 岬」です。

高台の明鐘(みょうがね)岬に立つこのお店は、国道127号から一本入った小道に佇むカフェ。2014年に公開された吉永小百合さん主演の映画『ふしぎな岬の物語』の舞台になったことでも知られています。

目の前には180度、海と空。天気のいい日は遠く富士山が見えることも。どの席からもその美景を満喫できます。「まさに『岬』は目がけて行きたいカフェ。夕焼けがとてもきれいで、お店に近づくほどに胸が高鳴りました」と宝物を見つけたように声を弾ませるPITOさん。


コーヒーには地元の湧き水を使用。ドリンクメニューはブレンドコーヒー、7種のストレートコーヒーのほか、こぶ茶・自家製バナナジュース。ピザトーストなどの軽食もあります。

海が夕暮れに包まれる頃は多くのお客さんで賑わうそう。「平日の明るい時間も、ゆっくりできておすすめですよ」と店主の玉木節子さん。

店内の内装は常連のお客さんがDIYで手がけたもの。ロックやフォーク・シャンソン・ジャズ・クラシックなど、その時々で変えるというBGMもまた、お店の魅力です。

「玉木さんがほっとさせてくれるお人柄で、あたたかい気持ちになりますね」とPITOさん。玉木さんとの触れ合いも、どうやら豊かな時間の秘訣のようです。


1973年のオープン以来、お店を切り盛りするは玉木さん。

【情報】
音楽と珈琲の店 岬
住所:千葉県安房郡鋸南町元名1
Instagram:https://www.instagram.com/coffee.misaki/

 

絶景とおいしいコーヒーに身も心も癒されて、1日目は終了です。明日はいよいよ海でアクティビティ。宿泊ホテルのある南房総市大房(たいぶさ)岬へと向かいました。


<11月25日(金)>―南房総市―
海風を感じながら、自らの内面と向き合うマインドフルネス体験

一日の始まりは「マインドフルネス体験」から。大房岬から車で約10分、約2kmの弓状の砂浜が続く岩井海岸に向かうと、インストラクターの傳川紀子さんがスタンバイしていました。

「マインドフルネスとは、『今、この瞬間に意識を向ける』こと。情報過多の時代を生きる私たちには、積極的に『脳を休める』時間が必要です」と傳川さん。確かにパソコンやスマホが手放せない生活が当たり前になり、脳がフル稼働している感覚がありますよね。

今回は岩井海岸ならではの体験ということで、波の音や鳥のさえずり、風の感覚、砂の感覚など、“自然”に意識を向けられるプログラムを多数ご用意してくださいました。プログラムを重ねながら、思考を落ち着かせ、脳の機能回復を図るそうです。

傳川さんの指示に従って、PITOさんも早速トライします。裸足で砂浜を歩いたり、砂浜に身を横たえたり、目を閉じて耳を澄ましたり……。次第に感覚が研ぎ澄まされていきます。

最も印象的だったのが、砂浜に描いた時計盤を使ったプログラム。目を閉じたまま時計盤の中央に立ち、傳川さんの示した時刻に自分の体の向きを合わせていきます。耳、鼻、肌などの視覚以外の感覚を集中させ、太陽の光、風、波の音などを感じながら判断する必要があるのですが、PITOさん、お見事! 傳川さんの言ったとおりの時刻を当てることができました。

「目に見えないものを頼りにしていると、他の感覚を研ぎ澄まされていくのが分かりました。おもしろい体験でした!」と、最初の緊張感もほぐれ、とてもリラックスした様子のPITOさんでした。

普段の生活でも目を閉じて耳を澄ませたり、肌感覚に意識を向けたりすると、同じようなリラックス効果が得られるそうですよ。

【情報】
一般社団法人コーポレートウェルネス研究会
住所:千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3F-MBP
HP:https://cws.or.jp/

 

昼食は海岸から程近い、岩井富浦漁協直営の「おさかな俱楽部」へ。新鮮な海の幸をお手頃価格で提供しています。名物の「まんぷく定食」は、刺身、フライ、煮魚までつき、心ゆくまで魚料理を堪能できました。

【情報】
おさかな俱楽部
住所:南房総市富浦町多々良1254-75
HP:https://www.tairyou.com/chokuso.htm

 

シーカヤックで南房総の海を冒険

午後はシーカヤックで腹ごなし。ガイドの嶋﨑亮介さんが待つ岩井海岸の北側に向かいます。嶋﨑さんは南房総の自然に魅せられ、2016年に移住、2018年にパドリングアーキペラゴを立ち上げ、シーカヤックツアーを始められました。

「南房総市は内房と外房の両方に面していて、海の表情がそれぞれ違います。波がある外房はサーフィン向き、穏やかな内房はシーカヤックやSUPに向いています。両方を楽しめるのが南房総市の魅力ですね」と嶋﨑さん。

カヤックのために特別な服装は必要なく、動きやすい服装であればOK。波しぶきを浴びることがあるので、防水性のある上下があると安心です。この日は、防水性のあるパンツ、ライフジャケット、マリンシューズをお借りしました。海の上は照り返しがあるので帽子もあったほうが良さそうです。

早速、砂浜で基本的なパドルの持ち方、漕ぎ方を教えてくださいました。いよいよカヤックに乗り込み、出発! 波打ち際は不安定でひっくり返らないか緊張しましたが、嶋﨑さんが一押ししてくださり、何とか沖へと漕ぎ出すことができました。

遠浅の内房の海は波もなく穏やかで、一漕ぎするたびに、細長い流線型のカヤックがすいすいと前に進みます。富士山や伊豆大島、三浦海岸の美しい景色を見渡しながら、パドルも軽快に動き、難なく最初の目的地に到着。

その後、嶋﨑さんが「とっておきの場所がある」とさらに連れて行ってくれたのが、見上げるほど高い海食崖が織りなす絶景ポイント。波などの侵食によって長い年月をかけてできた切り立った崖には、海食洞も見られます。カヤックだからこそ、迫力ある造形美に間近で触れることができるのですね。地球の息吹を存分に感じることができました。

帰りは向かい風なのか、なぜか漕いでも進まない……。PITOさんも苦戦している模様です。日が傾き始めるなか、ボラが飛び跳ね、小魚たちの大群が泳いでいるのを眺めながら、漕ぎ続けて、無事にゴール。約2時間のシーカヤックの旅を通して、南房総の海を別の角度から大満喫できました。

「東京からわずか1.5時間で自然豊かな南房総に触れることができます。またぜひ体験しに来てください」と嶋﨑さん。ちょうど水平線の向こうに夕日が沈むのを見届けてから、岩井海岸を後にしました。

【情報】
パドリング アーキペラゴ
住所:千葉県南房総市合戸167番地
HP:http://paddling-a.jp


後編へ続く

▼二地域居住体験中のPITOさんの投稿はこちら!

https://www.instagram.com/p/ClawhVnhl7t/ 

https://www.instagram.com/p/CldgV6aBM3B/ 

https://www.instagram.com/p/Cld7T0Rhq93/ 

https://www.instagram.com/p/ClvHUkYBbL5/ 

                   

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