茨城県北部の常陸太田市里美地区にある「田舎暮らしトライアルハウス Jinba」。 懐かしい佇まいの一軒家で、地域の人と交流しながら、 暮らすように自然や風土を体験することができる。
水戸から北へ20km、東京から120kmに位置し、県内で最大市域面積を誇る茨城県北部の常陸太田市。温暖な気候を生かし、全国的に有名な「常陸秋そば」をはじめ、米、ぶどう、梨などの栽培が盛んな場所である。
常陸太田市の中でも最北端に位置する里美地区。山間を流れる清らかな里川に寄り添うように田畑が広がる小さな農村だ。あちこちに沢や滝があり、せせらぎのやさしい音が心を癒してくれる。
そんな原風景の残る里美地区で実際の暮らしを体験できる「田舎暮らしトライアルハウスJinba」に、東京在住の森田さん一家が訪れた。
森田晃一郎さん、歩美さん、蒼くん(5歳)、匠くん(2歳)。夫婦ともに東京出身。自然が身近にある生活にも憧れを抱いている。
木造平屋建ての一軒家。「ただいま!」と言いたくなるような玄関が迎えてくれる。
案内してくれたのは、合同会社ポットラックフィールド里美の代表で施設管理を担う岡崎靖さん。自然に囲まれた暮らしを求めて二十三年前に移住してきた頼れる移住の先輩でもある。
「里美地区はまさに自然の宝庫。春は満開の花々を眺めたり、夏は近くの沢で遊んだり、秋は栗拾いをしたり。水のおいしさも格別なので、お試し暮らし中にぜひ体験して欲しい」と、地域の魅力を話し出すと止まらない。
里美地区の人たちと交流しながら暮らしを体験できるところが、「Jinba」の特徴の一つ。地域の人は気さくであたたかく、外の人もすぐに溶け込めるような雰囲気がある。岡崎さんは地域と宿泊者の人とのつなぎ役として、地域の人との交流の場を提供してくれるほか、興味や関心に応じて各分野に精通した人やおすすめの場所を紹介してくれたり、さらには移住の相談にも乗ってくれたりと至れり尽くせりだ。
アプローチからつながる庭はほどよい広さ。大人の目の届く範囲で子どもたちはのびのびと遊べる。
あたたかさと懐かしさが同居する室内。明るい和室8畳がふた間連なる。
「普段は自然に触れ合う機会がないのですが、ここに来れば子どもたちものびのびと過ごせそう。次回は長期の休みを利用して長く滞在してみたいです。」と奥さんの歩美さん。暮らしに必要な設備が身軽に来訪できるのもうれしいポイントだ。
岡崎さんによると、暮らしのメージをつかむためには、季節ごとに訪れるのがおすすめだそう。まずは週末だけの気軽な滞在からスタートし、具体的な暮らしのイメージを膨らませよう。
お試し暮らし中の頼れる拠点となるのが、「Jinba」から車で5分の場所にあるコミュニティスペース「ポットラック」だ。ここに来て岡崎さんや地域の人と話をするもよし、不定期で開催される地域のイベントに参加するもよし。地域の人と気軽につながれる場所があるのは何とも心強い。岡崎さんにお願いすればスーパーや学校など里美の暮らしのイメージが湧くような場所や、自然を満喫できるスポットを案内してもらうことも可能。暮らしをイメージできるよう全面的にサポートしてくれるので安心だ。
Jinbaの概要(設備のポイント)
冬場は居間でこたつを囲んでのんびり。
4人家族なら十分な広さのキッチン。電子レンジや炊飯器などの家電製品から食器類まで自炊設備はひと通りそろっている。
【物件名称】常陸太田市田舎暮らしトライアルハウスJinba
【居住物件】茨城県常陸太田市小菅町1522番地
【利用料金】1日2000円、8日目以降は1日1000円(光熱水費込み)
【構造】木造平屋5DK
【設備】電気・風呂(灯油窯)、水洗トイレ
【備品】冷蔵庫、IHコンロ、洗濯機、エアコン、石油ストーブ、掃除機、炊飯器、電子レンジ、簡単な調理器具、食器類、布団類
【周辺施設】常陸太田駅:22km、道の駅さとみ:2.3km、コンビニ:3.3km
※路線バスが通っていますが、便数が少ないためお車の利用をおすすめしています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
お試し居住HP
お試し暮らし中に体験できること①
「ポットラックフィールド里美」の岡崎さんに地域を案内してもらえる
お試し暮らしを始める前に、岡崎さんが里美地区の特徴を説明してくれる。気になることは何でも聞いてみよう。
鮮魚店を改装し、2017年にオープン。地域の人が持ち寄った本や雑誌が並び、情報収集からちょっとした息抜き、軽い仕事など多目的に利用できる。
合同会社ポットラックフィールド里美 代表・岡崎靖さん
1997年に里美地区(旧里美村)に家族で移住。2015年、地域内外の人の夢や得意を持ち寄り(potluck)、未来につながる活動を提供する「ポットラックフィールド里美」を設立。森林ガイドをはじめ、お試し居住施設やコミュニティスペースの運営などを行う。
お試し暮らし中に体験できること②
空き家を見学できる
空き家を「貸したい・売りたい」と考える所有者から提供された情報を集め、空き家の利用希望者に物件を紹介する常陸太田市の空き家バンク制度「じょうづるホーム」。気になる物件を実際に見学することもできる。
お試し暮らし中に体験できること③
おいしい水と身近な自然を堪能できる
「Jinba」から車で5分の場所にある天然の湧き水。清らかでクセのない天然水は食材の味を引き立てる。「お茶やコーヒーはもちろん、炊飯や料理などに使って自慢の湧き水を堪能してほしい」
清流が身近にある環境。子どもが遊べる水辺も多い。
\もう一つのお試し居住施設『勉知庵(べんちあん)』/
金砂郷地区の旧街道の宿場の中にある築70年以上の古民家を増築した一軒家。趣ある庭園内には陶芸工房「勉知庵」を併設し、定期的に陶芸教室などが開催されている宿泊ついでに教室に参加すれば、地域の人たちと触れ合うことができ、地元の雰囲気を体験できる。
\住宅取得促進助成金が新しくなりました!/
「子育て世帯等で住宅を取得された方」や「子育て世帯等と同居するために住宅を取得された方」に交付される「住宅取得促進助成金」。2019年4月以降に住宅を取得した方を対象に助成額が増額された。この機会にマイホームを検討してみては?
<対象となる住宅と新たな助成額>
●新築住宅(築1年未満):20万円→30万円
●築後1年以上10年未満の住宅:15万円→25万円
●築後10年以上の住宅:10万円→20万円
【お試し居住の問い合わせ先】
常陸太田市 少子化・人口減少対策課
電話:0294-72-3111(内線:314・346)
FAX:0294-72-3002
【里美での暮らしについて】
合同会社ポットラックフィールド里美(シェアスペースポットラック)
電話:0294-33-5313
文:中里篤美
撮影:服部希代野