TURNS

【8/20発売】Vol.37 特集
「子供のために、移住したい」

子供を「教育する」って、どういうことですか?

“都会の喧噪をはなれて、地方のゆったりとした環境の中で暮らしたい。そんな思いを子育て世代が実現しようとするとき、気にかかるのは「新しい環境がわが子にどんな影響を与えるのか」ではないでしょうか。自然に囲まれた暮らしが豊かな感性をはぐくむと期待する人もいれば、塾や習いごとといった「教育」のチャンスが減ることを不安がる人もいるはず。どちらも、子の伸びやかな成長と、明るい未来を願うがゆえの気持ちでしょう。

「でも、そもそも子供を『教育する』ってなんだろう?」とTURNSは考えました。親だって、もとは子供。記憶をたどれば、学校や親だけではなく、友だちや地域の大人たち、さらにはテレビアニメや漫画まで、さまざまな人や物の影響でいまの自分がつくられてはいないでしょうか。そうだとすると、子供の人格形成に関わり、生きる力をはぐくむ「教育」とは、思ったよりも捉えどころのないものかもしれません。

そんな疑問をひっさげて話を聞きに行ったのは、身近な話題から社会や政治の大きな問題まで、幅広く論じてきた社会学者の大澤真幸さん。子育てに大学教育と、さまざまな「教育」も体験している大澤さんは「親が抱える教育の悩みは、実はほとんどの場合、子ではなく親の側に原因がある」と話します。はたして、その言葉の真意とはー。”

文:瀬木こうや 編集・写真:三根かよこ

 


 

特集1|子供のために移住したい

暮らしている街を離れて、どこか遠くの街へ移住する。
甘美な響きではあるけれど、なにかがその欲望を堰き止めている。
環境変化は生物にとってリスクであることは間違いない。
暮らす場所の座標を大きく動かせば、仕事も、人間関係も、住環境もなにもかもが「変わる」。
それが吉と出るか、凶と出るか? それは、誰にもわからない。
心はいつだって「この場所にとどまった方がいいんじゃない?」と、囁く。ましてや大切な家族がいれば、現状を大きく変化させる判断はあまりに重い。
それでもなお、あなたに問いたい。「移住してみたい」と感じた、その心の萌芽を摘みとっていいのでしょうか?
今回のTURNSはそんな前提から始めてみようと思います。この特集を通して、移住を考える子育て世代の「不安」がほんの少しでも「希望」に変わるように。そんな願いを込めて、編集部は旅に出ました。

 

くらぶち英語村

群馬県高崎市

豊かな自然に覆われた群馬県高崎市倉渕地域に 昨年四月に誕生した『くらぶち英語村』。ネイティブによる実践的な英語教育と「大自然を生かしたアクティビティ、思いやりや自立の心を育てることを求めてこの場所にやって来た、元気いっぱいの子供たちに会いに行きました。

文・編集:大場桃果 写真:兼下昌典

 

しおかぜ留学

新潟県岩船郡

新潟県本土から船で約一時間、日本海にぽつんと浮かぶ小さな離島「粟島」。病院もコンビニもないこの島で全国から集まったしおかぜ留学生たちは手つかずの大自然と心を通じ合える動物、優しく見守ってくれる島民、気の置けない大切な仲間たちに出会いました。

文・編集:大場桃果  写真:兼下昌典

 

気仙沼市立鹿折小学校

宮城県気仙沼市

『持続可能な開発のための教育』と訳される ESD (Education for Sustainable Development)。国連機関『ユネスコ』がその憲章に基づいて提唱する、グローバル人材を育てる考え方とメソッドで、推進拠点は『ユネスコスクール』加盟校に認定される。その一校である、気仙沼市立鹿折小学校を訪ねた。

取材・文:長瀬稔(シイタケ・アンド・カンパニー)写真:松本伸(P-BOX)

 

NPO法人かえる舎

山梨県富士吉田市

NPO法人『かえる舎」では、 地域を題材とした探究学習を地元の高校生に提唱している。「自分たちの町には何があるのか?おもしろそうと思ったことは何か? 興味を掘り下げて行く度に、やってみたいことが増えていく。ここはもう、つまらない町なんかじゃない。

文:松井さおり  写真:和田博

 

山内西小学校のプログラミング授業

佐賀県武雄市

2020年の学習指導要綱の改訂にともない、全国の小学校でプログラミングが必修化される。今までの教育現場に新しい教育方法が導入されるまで一年を切った。 佐賀県武雄市では2014年から小学校でも実証的にプログラミングの授業を行い、全国に先駆けて日々の授業から知見を集め始めている。 武雄市にある山内西小学校で行われた授業からは、着々と「プログラミング的思考」が小学生に浸透していく様子が伺えた。

文・写真:ミネシンゴ

 

津和野町

島根果鹿足郡

「地域の過疎化」が言われて久しいが、この言葉の発祥は島根県からだそうだ。「そんな島根では「高校魅力化」や「教育魅力化コーディネーター」というような 「教育を軸にしたまちづくりを全国で先駆けてスタートしている。この津和野町もその一つだ。
「ローカル線の山陰本線で緑豊かな山間部を抜けると「ひっそりとした美しい城下町が見えて来る。
「文豪・森鴎外の故郷でもある津和野町。人口7,500人と過疎化の激しい この小さな城下町のまち全体が学びの場だ。

文・編集:田中佑典  写真:ミネシンゴ

 

ヨハネ研究の森コース

千葉県木更津市暁星国際中学・高等学校

街から離れた全寮制の学校 授業ではなく「自学」を重視 教室はなく、先生と生徒の垣根もない そんな一見、変わった学校があります 『ヨハネ研究の森コース」の理念と実践を通して 子供の自立と移住について考えてみましょう

文・編集:山田宗太朗  写真:ミネシンゴ

 

地方のこども 東京のこども

伊藤菜衣子・植本一子

どんな時代の、どんな街の、どんな家族のもとに生まれても
こどもは、こどもなりに、精一杯生きている。

 

特集2|もっと知りたい 子育てしやすい街

子育てをする上で、自分が住む街の環境や制度は、とても大切だと感じます。経済的支援のみならず、少子高齢化を迎えてからはいろいろな支援制度が充実してきました。利便性のいい街も、大自然に囲まれた街も、それぞれの街に利点があります。
でも、もうちょっと現実的に、詳しく知りたい。
子育ては親だけが抱えるものではなく、地域や行政も協力していくもの。特集2では、三つの街で子育てをする親と、その街の行政の方と「子育て」を考える会議を行い、特集の終わりには今ある子育て支援制度をまとめました。
子育てしやすい街へ、子供のために移住しませんか?

 

栃木県・宇都宮市
宮っ子が支え合う街、宇都宮 子育て世代に選ばれる街へ!

『共働き子育てしやすい街ランキング』第1位。結婚から子育てまで切れ目のないサポートが充実している宇都宮市では、行政だけでなく市民や民間と支え合う風土が培われていました。地域社会に密着した子育て世代に選ばれる街として注目されています。

 

神奈川県・厚木市
神奈川県中央の緑豊かな街 自然豊かな都会で子育てを

相模川と丹沢大山に挟まれた緑豊かな一面のかたわら、多くの企業や学校があって活気づく厚木市街。
都会らしさと自然が背中合わせに共生しているこの街では「子育て環境日本一」を目指した取り組みがはじまっています。

石川県・珠洲市
世界農業遺産とSDGsの街 能登の里山里海で子を育てる

能登半島最北端の市、珠洲。世界に認められる豊かな自然と伝統文化を有しながら、その人口減少の著しさはまるで「日本の将来像」です。
そんな局面に立たされるこの街にはどんな可能性があり、ここで子育てをすることにはどんな魅力があるのでしょうか?

編集・文・写真:福村曉 illustration:ikuko sakamoto

 

\いくつ知ってる? 制度から見る“住みやすい町”/

子育て世代に嬉しい制度

2019 年 10 月に施行する幼稚園の無償化など、昨今では政府主導で子育て世代を支援する体制が広がっています。 そんな中、子育てしやすい街づくりを目指し、各自治体でもユニークな子育て支援制度を拡充しようと取り組んでいます。 結婚や出産などを機に今後の人生設計を考えるにあたって、参考にしてみてくださいね!

 

いなかの魅力が詰まった絵本

不思議さやきらびやかさ、素朴さ、やわらかさ、ときには怖さなど、絵本にはこの世界の魅力がたくさん詰まっています。
親しんだ場所でも新しい場所でも、親子いっしょに絵本を通して見ればまた違う風景が見えてくるかもしれません。

 

映画監督・加納土さんに聞いた、あたらしい“子育て”のカタチ。

柔軟な多様性を持っている人が活躍する今の時代、家族のあり方や子育てのスタイルも人それぞれ。母親と保育人が自由に集う「沈没家族」の中で育ち、 その経験をドキュメンタリー映画化した加納土さんに「子どもの国を採り返ってもらい、当時の話を聞きました。

文・編集:大場桃果  写真:本間加恵

 

金原ひとみさんと、本当の子育ての話をしよう

2003年に小説「蛇にピアス」で鮮烈なデビューを飾り、同作で20歳にして芥川賞を受賞、その後も話題作を発表し続け、時代を代表する作家となった全原ひとみさん。私生活では2人の娘を持つママとしても奮闘中で、出産後に岡山県とフランスへ移住した経験を持つ。
昨年、金原さんは6年間のフランス移住生活にピリオドを打ち、家族とともに帰国。ふたたび東京に生活拠点を移した。
日本とフランス、東京と岡山、都会と田舎。それぞれ異なる環境で子育てを続けてきた全原さんと、「本当の子育ての話」をしよう。

文・編集:山田宗太朗  写真:山崎玲士