使われなくなった森林の活用と保全を同時に行うアウトドアパーク『冒険の森inひるぜん』

岡山県真庭市中和地域

バイオマス先進地-岡山県真庭市中和地域

岡山県北部に位置し、バイオマス先進地として知られる真庭市。
その真庭市の中にあるのが、人口約600人ほどの人々が暮らす小さな里山「中和地域」。

中和地域は真庭市最大の観光地「蒜山高原」の東端に位置しており、都市追求型社会からゆったりとした価値ある生活・豊かな暮らしを求める新しい地域社会を目指し、様々な取り組みが行われている場所。

住民は家族を大事にし集落ごとの結束が強く、この小さな里山に農業でいえば慣行栽培・有機栽培・自然栽培が共存しているという多様性があるのが特徴です。
また、温浴施設への薪ボイラ導入をきっかけに、地域振興を目的とする会社も設立され、真庭市の中で社会人口が増加している地域でもあります。

ゆるやかに持続可能な地域づくりが進むこの中和地域に今夏オープンする森林活用型アウトドアパーク「冒険の森inひるぜん」についてご紹介します。
※オープン特別キャンプイベントも開催されるとのこと!詳細は本記事の最後をご覧ください!


まずは、簡単に日本の森林についてお話しすると…

日本の国土面積の約7割を占める森林。
しかし、その森林は地域の高齢化も相まって付加価値を生む活用が進んでいない状況です。一方で、収益化のためにむやみな開発を行うことは、守るべき貴重な資源である森林を壊すことにつながり本末転倒になります。

このような課題に対し、森林保護と森の収益化を両立させるビジネスモデルとして行われているのが冒険の森というわけです。

 
放置された森林を笑顔で満たすプロジェクト「冒険の森」

冒険の森は、「あらゆる世代の人が自然の中で安心して遊べる場所を提供することで放置された森林を笑顔で満たしたい。」という想いのもと、使われなくなった森林を活用した森林活用型アウトドアパーク。
森林を切り開いてレジャー施設を作るのではなく、ありのままの自然を生かしたソフト重視のもと企画、開発、運営されています。

つまり、冒険の森とは、全く新しい森を活かした森林冒険施設なのです。

冒険の森のHPがこちら!
http://forest-ad.jp/

ちなみに今回の『冒険の森 in ひるぜん』は、奈良県山辺郡山添村、岐阜県郡上市白鳥町石徹白、大阪府豊能郡能勢町につづいて4施設目のオープンということになります。

 
大人も子供も楽しめる、それが冒険の森!

冒険の森に遊びに行ったらどのようなことができるのか…
そのプログラムの一部をご紹介します。

Tree Top Adventure
木登りでもアスレチックでもない。全く新しい森を活かした森林冒険施設です。
「アドベンチャーコース」「チャレンジコース」「ディスカバリーコース」の3つのコースがあり、各施設で提供しているコースが違うのも特徴です。

Forest Segwey Tour
西日本初の、林間の道を利用した「セグウェイツアー」。
30分ほどの簡単な講習、乗車練習が終わったら、いよいよ本番。「セグウェイ」に乗って、自然体験の旅に出かけます。
※講習、乗車練習、ツアー含めて約1時間の体験となります。

E-MTB Tour
最新の電動アシストマウンテンバイクを用い、森の中を走る「フォレストツアー」と、森を飛び出し、地域内のスポットを巡る「プライベートツアー」があります。電動アシストなので息一つ切らさず、ゆったりと自然の風景を楽しみながら走ることができます。

各プログラムは冒険教育の手法を用いられているため、レジャー施設としてただ楽しいだけではなく、『学び』をお土産に持ち帰ることができるのも特徴です。

 
冒険の森inひるぜん、開園までの道のり

実は計画地となった中和地域の森林は、かつて民間企業が所有し、ゴルフ場開発が計画されていた地域。しかし、それが中止となり平成21年に真庭市へ寄贈されました。

そのような背景がある中で、すでに3箇所で開園していた『冒険の森』が中和地域で地域振興を目的に活動している『一般社団法人アシタカ』との出会いをきっかけに開園に向けて動き出します。

そのゴルフ場開発が計画されていた森林では、J-クレジット制度を活用した「真庭・トンボの森づくり」や、地域内の温浴施設の薪ボイラ燃料を供給する「中和地域薪生産組合」の共用林、大学との連携による「津黒湿原の再生」などの地域の活動が徐々に行われはじめていました。
※J-クレジット制度とは…省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度のこと。(J-クレジット制度ホームページより)

そういった活動を応援したい、また冒険の森が集客装置として機能すれば、さらに地域の豊かな暮らしに寄付できると思い開園が決定した…ということです。
※『一般社団法人アシタカ』についてはこちらをご覧ください!
http://ashitaka.or.jp/

そして今、冒険の森inひるぜんのプロジェクトは、
・中和地域薪生産組合(今回の計画地の森林を薪燃料の共用林として持続的に活用)
・真庭・トンボの森づくり推進協議会(計画地の森林を7年前より整備)
・津黒湿原再生協議会(計画地の森林にある湿原の再生に取り組む)
・真庭市地域おこし協力隊(中和地域担当)
など、もともと活動していた地域団体と連携しながら、計画が進められています。

今後行われるプログラムとしては、真庭・トンボの森づくりで整備された場所を拠点に、再生がすすむ湿原の上をジップラインで飛び、薪組合が使っている木材搬出用の作業道をマウンテンバイクでのコースとして活用する…など、ツリートップアドベンチャー、E-MTBフォレストツアー、E-MTBプライベートツアー(冒険の森では初めてとなるプログラム)が予定されています。


中和地域は、地域内で様々な取組が進み移住者は増えていますが、観光客は少なく、温浴施設などの集客が乏しく、移住者の働く場所も不足していました。

冒険の森開園により、様々な層の観光客に中和地域に訪れてもらうことでの地域の活性化、温浴施設をはじめとする周辺観光産業の発展に寄与し、地域内での雇用創出、真庭・トンボの森づくりや、湿原再生協議会などの取組についても知ってもらう機会となることが期待されています。

また、開園にあたり支障木や枯れ木の伐採では、その材を温浴施設の燃料としても使用してもらいます。

最後に冒険の森inひるぜんの担当者に、施設オープンに向けて期待することを伺いました。

「今までは里山地域ならではのゆったりした時間を求めて、シニアの方が多かったんですが、20代女性など若い方にもお越しいただきたいですね。空が広くゆったりした時間の流れる地域の森で、特別な体験を楽しんでもらって、冒険の森だけでなく、温泉や、移住者によるカフェや豆腐屋さんなど、様々な魅力を楽しんで、1日通して中和地域を満喫してほしいです。あとは、冒険の森を通して、中和地域の事を知り、やがて移住定住の候補となれば嬉しいです」

今ある森を活かして、既存の地域環境にも恩恵をもたらす。
冒険の森プロジェクトは、なんでもなかった“ただの森”を地域の資源として改めて付加価値をつけ、さらに地域自体を活性化させる資源の地域内循環を促す森林活用型のアウトドアパーク。

一番簡単な関わり方、冒険の森inひるぜんに遊びに行ってみてはいかがでしょうか。


記事冒頭でお知らせした冒険の森inひるぜんオープン特別キャンプイベントのお知らせです!!

このイベントは、気軽に20代女性に森を楽しんで欲しいと始まった参加費無料のイベントです。イベントのイラストも森好きな女性、照井博恵さんが描いてくれました。

興味のある方はぜひお問い合わせください!

〜以下イベント詳細〜
【イベント名】森の遠足日
【日時】2018年8月18日~19日
【場所】冒険の森㏌ひるぜん
【参加費】無料
【定員】最大12名
【内容】
・冒険の森㏌ひるぜんでの様々な体験
・中村好伸+パーカッションの音楽
・オカズデザインの食事
【参加条件】20代の女性限定
【特設ページ】http://morinoensokubi.com/
【問い合わせ先】
株式会社冒険の森
電話:090-6832-7109
メール:akagi@forest-ad.jp(赤木直人)

                   

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