TURNS

ちちぶ百景プロジェクト vol.2「地元とのタッグを面白がろう」レポート

10月に続き、行楽日和な2018年11月23日。今回も老伽がレポートします。

これからの地域とのつながりかたを探るTURNSの新プロジェクト “ちちぶ百景プロジェクト” のvol.2「地元とのタッグを面白がろう」が開催されました!今回は、実際に秩父で活動している人たちの話を聞きながら、ヨソものならではの関わり方やアイデアを、みんなで面白がってきましたよ。

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地元とのタッグを面白がろう!

午前10時、「西武秩父駅」改札前に集合した参加者たち。だんだん顔なじみも増えてきて、なんだか懐かしさも感じられる朝。最初は、市役所で前回の振り返りを行いながら、今回のお題となる「森・自然チーム」「伝統文化・ものづくりチーム」「遊休不動産チーム」に分かれて、面白がる街歩きがスタートです!

各グループの内容はこちら!

①森・自然チーム
秩父神社「柞の杜」を見学→昼食→ミューズパーク見学「NPO 法人秩父百年の森」島崎さんよりお話を聞く

②伝統文化・ものづくりチーム
逸見織物見学→昼食→寺内工房見学→浅見箸見学

③遊休不動産チーム
こみに亭→昼食→内田家住宅見学→まちなかの空き店舗や物件を見学

 

私は「伝統文化・ものづくりチーム」です。

まずは、秩父ふるさと館にある「逸見織物出張所」に向かいます。その途中、なんと!前回「秩父の語りべ」として参加してくださった木村先生に遭遇!事務所で秩父夜祭りの準備をされていました。秩父銘仙らしい大柄の羽織を着ており、バンダナも巻いたお祭バージョンの木村先生!

前回参加された方からは「木村せんせーい!」という声が!大人気の木村先生。もはやポケモンGOのキャラ並み。

「どうぞあがっていってくださいー。」とのお言葉に甘えて事務所に入れてもらう私たち。木村先生ご自慢の秩父銘仙コレクションを見せていただきました。

秩父銘仙は、8世紀ごろ、知々夫彦命が養蚕と機織の技術を住民へと伝承した事が起源と言われており、明治中期頃にはお洒落な着物として一斉を風靡しました。木村先生曰く、秩父銘仙の柄は世相を反映してつくられているものもあったとのこと。また、緯糸に補色を使用することで光に当てると玉虫のような光沢も特色。

私は赤と黒のお花柄がモダンで好み!!

確かに光にあてると玉虫色!綺麗です。

秩父銘仙のはおり。秩父の街にしっくりきますね。みなさんお美しい!

さて、時間も限られているので、後ろ髪引かれる思いで木村先生とは、ここでお別れ。

「木村先生、またねー!!」

目的の場所「逸見織物出張所」に到着し、逸見織物の三代目・逸見恭子さんから秩父銘仙のお話を伺っていきます。

お店は5年前にオープン。逸見さんは秩父銘仙を高価な着物としてではなく、手頃な入り口として扱って欲しいとの思いから、小物や雑貨など普段使いができて、手に取りやすいものを作っているそう。

熱心に話してくれる逸見さん。

お手頃価格なので銘仙初心者には手が出しやすいしかわいい!

ただ、現代では兼業しないと生活できないため、現状は高齢化が進み後継者不足になっているそう。残念ながら秩父銘仙の関連工場は、現在6軒程まで減少しています。

どこの伝統工芸もそうですが、後継者不足は深刻。どうやったら秩父銘仙を次の世代に継なぐことができるのか、それで生活できるのかは課題ですよね。なかなか根が深くて難しい課題です。逸見さんのように、まずは秩父銘仙に興味を持ってもらうために、小さなきっかけを作るのもありかもしれません。

猫好きの私としてはポーチに惹かれたのですが、実用的な印鑑ケースを購入。しかも100円割引!

逸見さんのお話の後はランチです。手のひら唐揚げが有名な「秩父からあげ きすけ食堂」へ。

ここのお店、メインメニューを頼むとバイキング形式でグリーンカレーや焼きそばなども食べられるので、食いしん坊にはとってもありがたいお店!奥にはキッズスペースもあり、子連れで来ても安心。ママ友会でも使えそうです。

これが名物「手のひら唐揚げ」!私の手のひらより大きいかも!

貧乏性の私、ちゃっかり全メニューいただいてしまい、お腹いっぱいジーンズきつい。ウエストゴムのズボン履いてきたらよかったと後悔。さあ、午後の街歩きもがんばって、カロリー消費しないと!(ズボンもきついのでね。)

次に訪れたのは寺内織物株式会社。大正創業の織物工場を見学させてもらいます。

寺内織物は1914年(大正3年)の創業。埼玉県伝統工芸モデル工場です。

案内してくれるのは、伝統工芸士の寺内秀夫さん。寺内織物では最盛期は40人位の方が働いていたそうですが、現在は家族で食べていける分だけでやっていらっしゃるとのこと。機械の修理を頼めるところも遠い町にしかなく、寺内さんご自身で修理もされるそうです。まさしく、ザ・職人ですね。

めちゃくちゃ歴史を感じる空間!!!

床板が100kg以上だと抜けるかも、とのことで、抜き足差し足で進みます。さすが大正創業。

実際に動かすと「ガッチャンガッチャン」と結構大きな音が!!

戦時中は、パラシュートや細い絹の織物を軍に納めたそうです。戦後、織ればなんでも売れる時代があったそうですが、今は座布団地やショールなどが主力製品として織られています。しかしこれだけの織り機があるのにはみんなビックリ。戦前から戦中、そして戦後から現在までの歴史の匂いや温度を感じられる場所でした。

奥では手織り教室が開催されており、生徒さんたちが5人ほど手織り機で各々好きなものを織っておりました。毎年、秩父のギャラリーで作品の展示会を開くそうですよ。

手織り機。リアル鶴の恩返しだ!

地道な作業です。飽き性の私にはさっぱりできそうにありません!

さて、寺内夫妻に見送られながら次の場所に移動します。途中、桂月堂で名物の芋羊羹をゲット!いつ空いているかわからないらしく、この日は空いていたのでラッキー!!空いているかわからないお店・・・ある意味めちゃ強気な商売・・・すごいぞ、桂月堂!

芋羊羹を他のチーム分購入する、とっても優しい我がチーム。

お土産も買い、次に訪れたのは、秩父の手しごと衆「YOSAGE(よさげ)」代表であり、主に秩父の木を使い、箸と木工製品を製作している浅見箸製作所。ちなみに秩父弁で「〜げ」は、「〜っぽい」という意味です。

建物もレトロないい雰囲気!

YOSAGE(よさげ)代表の浅見知司さん。箸の材料を素手でへし折るワイルドな75歳。

浅見さんは、かの有名な「イチローズ・モルト」の樽材やくぬぎ、斧折かんばを材料に箸を作っているそう!(イチローズ・モルトは、世界のウィスキー愛好家に知られている売切必至の大人気なウィスキー)

イチローズ・モルトの樽材を使った箸ってなんかロマンありますよね!

こちらでは、浅見さんが実際に箸を作っている現場を見学させてもらいます。なかなかレトロな雰囲気。ここで浅見さんは手作り箸を作っているのですね。

箸作りの工程を丁寧に教えてくれる浅見さん。

この時点でもう箸の形になっていますね。

紙やすりで角を削って完成。

浅見さんは、秩父市内の子どもに箸づくり教室も開催しているそう。仕上げにミツロウを塗ると、箸の表情が変わって子どもも喜ぶそうです。きっと自分で作った箸で食べるご飯は格別でしょう!そういった体験を通じて、将来、箸作りに興味を持ってくれる子どもが出てくるかもしれませんね。とっても素敵な活動です。

箸を見せてもらっている間お茶とお菓子を奥様がだしてくれました!やさしい!

びっくりしたのは作っている箸の種類!全部で80種類くらいあるとか!

私が気になったのは雲水箸!雲水(うんすい)とは禅宗の修行僧をさし、寒い冬でも暖房の無いところで食事を取るため、手がかじかんでも持つことができるように太く大きく作られているそう。私も試しにみかんを雲水箸で挟んでみましたが、持ちづらいし、なんなら腱鞘炎になりそう。いろんな意味で修行です。

も、持ちづらいし挟みづらい!!雲水箸みかんリレーとかしたら面白いかも。

お食い初め用の箸との雲水箸。大きさ違いすぎる!!

浅見さんと奥さんと色々とお話できて、ほんわかした癒しの時間でした。お二人の人柄がとってもあったかくて、また会いにきたいと思いました。こういう人たちとの繋がりが、関係人口を増やすのかもしれないですね。

また会いにきたい!

日も暮れてきて、そろそろアイデア出しの時間です。前回と同じく「秩父表参道Lab.」に再集合。モデレーターの唐品さん率いる「森・自然チーム」は交通難に見舞われ、予定より1時間ほど遅れて16時過ぎにスタート!(秩父の課題のひとつである、交通手段!の洗礼をここで受けてしまいます、、、)

チームごとに、それぞれ実際に聞いてきた話や見てきたことを踏まえ、アイデアを出していきます。果たして秩父の課題を解決するアイデアが今回は生まれるのでしょうか…!?

今回も飲みながら面白がる会は始まります。

お馴染み、唐品さんの「おつかれさまでしたー!かんぱーい!」で、面白がる会のはじまりはじまりー!

それぞれ買ってきたお酒を飲みつつ、まずはFacebookグループに投稿した写真を振り返り。みんなが撮った写真を酒のつまみに、秩父のアレコレの活用方法を考え、発表します。

飲みながらもちゃんと話しあっているのです!

30分ほど面白がったところで、じゃんけんで発表する順番を決め、まずは「伝統文化・ものづくりチーム」のアイデア発表です。秩父銘仙の実情や秩父の材木を使った箸工場を見学してみて思いついたことは果たして?

我が、伝統文化・ものづくりチームの発表!

■伝統文化・ものづくりチーム
・秩父銘仙は柄もばえるので銘仙レンタルして街歩きが良さそう。
・「はしや」はおかみさんが人を迎えるのが好き、もてなし好きなので悩み相談場所にしてもいいかも。
・ものづくりと絡むとすれば、大人の遠足や社会見学、例えば、①軽めの体験②ガッツリ体験(一泊2日コースとか、長期的なコースなど)をしてもらうのはどうか。

「秩父銘仙のレンタル場所が街中にあればいいかも。創る人は売るのが下手、広報も下手なので、来た人が他の人に伝えてほしい」という感想も。

また、面白がる会主催の唐品さんからは「3Dプリンターでつくってもらう、とか最新技術とものづくりをかけあわせていく。秩父銘仙なども普段使いできる使い方を考えてみるのはどうか?」というアドバイスもいただきました。

時代に合わせて伝統文化やものづくりもアップデートするというのは、キーワードかもしれませんね。次は「森、自然チーム」の発表です。秩父は自然が豊かなので、どのようなタッグを決めるのかが楽しみです。

■森、自然チーム
・神社の森で昼も夜もヨガ体験(熊野古道でやったことがあるらしい)。
・羊山公園で羊まつり。ジンギスカンする。
・秩父ミューズパークと羊山公園で芝桜対決する。
・森の幼稚園をつくる(サマースクールとか冬休みの間とか)。
・楓の木オーナー制度。植林する。将来メープルシロップがとどく。
・森に透明ドーム型テントを設置し、仕事、勉強、女子会。コワーキングスペースとかになるのがいい。森の中なのにWiFiとんでるとかがギャップがあっていい。
・山の上から超ロング滑り台で駅まで直結させる。絶対遅刻しない。
・ミューズパークで長巨大迷路神隠し(KAMIKAKUSHI)を作る。ジブリ的な。
・秩父のあらゆる動物たちをキャラクター化し、キャラクターごとにご利益の御守を作ってそれを有効活用。

これを受けて、「秩父神社裏の柞の森を活用したい。ご利益ありそう。」「ぜひ滑り台作ってほしい。ミューズパークは広くて活用できていないので、もっと情報を共有したい。」「秩父神社の梟、ムカデなど、ご利益をセグメントしたらいいかも。1人で2個ぐらいお守りなどを買わせるのはどうか。」というご意見をいただきました。

ただキャラクター化するだけではなく、秩父の歴史や文化も一緒に学べるようにするのがいいかもしれません。トリは「遊休不動産チーム」です。前回も話題にあがった「こみに亭」を活かすには?!

■遊休不動産チーム
・こみに亭は二階を宿にしたらどうか?結婚式の二次会利用も可能。
・家の中にある蔵は、瞑想やお昼寝スペースとして活用。
・お化け屋敷やじゃらんぽんまつりの会場としても利用できそう。
・内田家はいろりがあるので、囲んで集まりたい。ここを内職屋にして小銭を稼ぐ。
・寒さも含めて江戸時代の暮らし体験をしてもらう。
・空き家の周遊ツアーをやる。ねぶくろで格安で泊まれる代わりに、雑巾渡される。
・空き家から好きな宿を選ぶ。酒飲みが集まる宿、ものづくりが好きな人が集まる宿など、カテゴリでわけてもおもしろいかも。

「こみに亭のような建物は保存も難しく、取り壊しになってしまう可能性もあるが、何とかして残していきたい。壊すのはもったいない。誰かやらない?笑」という切実な声も聞こえてきました。田舎と空き家問題はセットなので、空き家を集めて見せて選ばせて泊まれるというのは良さそう。

唐品さんからは「こみに亭はアウトドアウェディングとか、蔵にワイン寝かしたり、アイデア次第で色々使い方ありそう!馬屋に寝たい人、蚕とともにねる、とか泊まり方のバリエーションを増やすのも面白いかも。」というアドバイスもいただきました。

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様々なアイデアが出たとところで面白がる会は終了。みなさんお疲れ様でした!この後は自由参加で懇親会へ。(今回は残念ながら私は参加できず帰ります…泣)

 

2回にわたって秩父の街を歩いて思ったのは、実現できそうなことを小さくてもいいからまずやってみる、自分ごととして考えてみる。そこから、秩父にまた来たくなる理由や、関わりたくなるきっかけを作っていくことが大事だなあと感じました。例えば、東京に住んでいても、テレビで秩父が取り上げられていたら、嬉しくなったりSNSに書き込みたくなったり。そんな小さなことでも秩父を身近に感じることができたら、それが第一歩なのかもしれません。

帰りの電車で1日を振り返りながら、逸見さんや寺内さん、浅見さんに木村先生の顔が浮かび、また会いにきたいなと思い巡らせました。また会いたいと思う人に出会えること、それが何よりの地域とつながる方法だなと感じる体験でした。

文・写真:老伽真由美