おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンとは、正式な地域おこし協力隊(任期:3年程度)として着任する前に、2泊3日〜3か月程度地域に滞在して生活しながら実際の活動を体験できる制度のこと。協力隊とそれを受け入れる地域側とのミスマッチを防ぐ施策として実施する自治体が増えています。
活動期間:2泊3日〜3か月程度
年齢層:20~30代の若者
報償費(給与):1活動日あたり12,000円を上限に、自治体ごとに設定。
おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンとは?
おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンとは、地域おこし協力隊に興味がある方や活動してみたい方が、正式な協力隊(任期:3年程度)として着任する前に2泊3日〜3か月程度地域に滞在して生活し、実際の活動を体験できる短期~中期間のトライアル制度のこと。おためし地域おこし協力隊よりも地域おこし協力隊インターンの方が活動期間が長く、地域に入り込んでより実践的な活動を行います。
おためし地域おこし協力隊 | 地域おこし協力隊インターン | |
移住要件 | なし | なし |
活動目的 | 実際の暮らしや協力隊業務をおためし体験する | 着任後の暮らしをイメージする |
活動内容 | 受け入れ地域関係者との顔合わせ、地域案内、交流会、地域協力活動の実地体験など | 地域おこし協力隊と同様の地域協力活動に従事 |
活動期間 | 2泊3日~1週間 | 2週間~3ヵ月間 |
\こんな方におすすめ!/
・地域おこし協力隊に興味があり、応募を検討されている方
・地域との相性を確かめたい方
・地方での暮らし・仕事に関心がある方
・地方暮らしが初めての方
・地域づくり活動や地域の課題解決に携わりたい方
おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターン制度を活用するメリット
協力隊の隊員数は、制度開始時(2009年度)の89人から2023年度には7,200⼈に増加。熱意ある協力隊と若い力を求める地域との出会いにより、全国各地で数多くの成功事例が生まれています。
その一方でしばしば話題に上がるのが、協力隊とそれを受け入れる地域・自治体とのミスマッチ。着任した後に、自分がやりたいことと地域が求めることとのギャップに悩まされたり、地域のコミュニティや風土と合わず任期途中での卒業(退任)を選択するケースも出ているため、特に地縁の無い土地での活動を志す場合には十分な事前準備が必要です。
おためし地域おこし協力隊や地域おこし協力隊インターン制度を活用し、協力隊活動の実際や地域の実情を把握した上で着任することでこうしたミスマッチを未然に防げる可能性があるため、初めて協力隊に応募される方や都会から地方へのIターンを希望されている方は積極的に活用することをおすすめします。
メリット1:地域おこし協力隊のリアルな活動を体験できる
各自治体の協力隊募集ページ等には活動概要をまとめた募集要項が掲示されていますが、机上の情報だけでは把握できないことも多いもの。
トライアル制度を活用して短期間でも現地に赴いて活動してみることで、地域の実情や課題、活動のやりがい、リアルな人間関係、先輩隊員の声などリアルな情報に触れ、着任後の暮らしを実感を持って理解することができます。
メリット2:移住・着任前に地域との相性を確かめられる
協力隊になるまでには、書類審査→面接を含む採用プロセスを経る必要がある他、引越し、住民票の移行などの手続きも求められます。任期も3年間と決して短い期間ではないため、本当に住み続けたいと思える地域なのか、活動内容や住環境、人間関係などさまざまな角度から地域を見て相性を確かめる機会として活用できます。
メリット3:活躍の下地をつくれる
着任前に地域住民や先輩協力隊との関係性を築くことで、移住後の活動がよりスムーズになる可能性があります。特に卒業後の起業を目指す場合は、地域内でのネットワークづくり、協力者や見込み顧客との人脈形成が事業成功のポイントとなるため、交流機会は積極的に活用して地域に溶け込む第一歩としましょう。
おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンの募集情報・募集要項
全国の自治体で募集中のおためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターン情報を一部抜粋してお届けします。
※記事執筆時点(2025年4月23日現在)の情報です。最新情報は各自治体にお問い合わせください。
■北海道幕別町:令和7年度 幕別町地域おこし協力隊インターン
募集人数
6人
主な活動
下記いずれかの活動(複数の実施も可)
1.町の魅力発信、観光振興 2.空き店舗・建築物活用 3.地域住民交流促進、イベント企画・運営 4.商店街・市街地活性化 5.移住・定住人口増加 6.ふるさと寄付増加 7.忠類地域活性化
委嘱期間
2週間以上
報償
インターン活動の経費として1日あたり12,000円を支給。
詳細・お問い合わせ
https://www.town.makubetsu.lg.jp/12437.html
■北海道中札内村:地域おこし協力隊 インターン
主な活動
役場業務、観光業務
委嘱期間
2週間~6カ月
報償
インターン活動の経費として1日あたり12,000円を支給。
詳細・お問い合わせ
https://www.vill.nakasatsunai.hokkaido.jp/sonsei/machizukuri/chiikiokoshi/chiikiokoshi_intern/
■埼玉県小鹿野町:地域おこし協力隊インターン【こんにゃく栽培の振興】
募集人数
1名
主な活動
こんにゃく栽培農家のもとで研修し、こんにゃく栽培を軸とした持続可能な農業経営を目指す
委嘱期間
2週間以上3箇月以下
報償
インターン活動の経費として1日あたり12,000円を支給。
詳細・お問い合わせ
https://www.town.ogano.lg.jp/chiikiokoshikyouryokutai/
■埼玉県横瀬町:横瀬町の地域商社で活動
募集人数
若干名
主な活動
・農作業
・地元農産物等を使った商品開発・物販
・地元農産物等を使った食堂(横瀬駅前食堂)の運営
・コミュニティカフェ(チャレンジキッチンENgaWA)の運営及びイベントの企画・実施
・コミュニティスペース(エリア898、LAC横瀬)の運営及びイベント実施
・SNS等を活用した情報発信
・観光業務・教育・木材活用の支援 など
委嘱期間
原則、週5日勤務(週休2日)
2週間~3ヶ月
活動時間は活動内容によりますが概ね1日7時間45分、休憩1時間。
報償
日額10,000円×活動日数
詳細・お問い合わせ
https://www.iju-join.jp/cgi-bin/recruit.php/9/detail/61278
■岡山県笠岡市:笠岡市地域おこし協力隊インターン
募集人数
1~2人
主な活動
提案型
委嘱期間
2週間以上3箇月以下
報償
インターン活動の経費として1日あたり12,000円を支給。
詳細・お問い合わせ
https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/42353.html
■岡山県真庭市:地域おこし協力隊インターンシップ
主な活動
現役の地域おこし協力隊や地域で活動している方々の伴走支援をする
委嘱期間
2週間以上3箇月以下
報償
日当8,000円
詳細・お問い合わせ
https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/42353.html
地域おこし協力隊になると、どんな活動できるの?全国の成功事例
TURNS vol.63(2024年2月20日発売)では、「ローカルでキャリアを磨く 地域おこし協力隊一万人時代へ」と題し、近い将来の「協力隊一万人時代」を見据え、新たなフェーズへと移行しつつある地域おこし協力隊の“今”を取材。また、協力隊としての任期終了後も地域に根を張り活動を続ける隊員たちの活躍にも迫りました。
ここではその一部をご紹介します!
▼詳細はこちら!
https://turns.jp/92011
第1特集:ローカルでキャリアを磨く 地域おこし協力隊一万人時代へ
事例1:秋田県東成瀬村|東成瀬テックソリューションスズ株式会社
人口2400人の村に生まれたIT企業
地域おこし協力隊の制度を活用して、村につくられたIT企業。 秋田県東成瀬村の東成瀬テックソリューションズ株式会社は、社長も社員もみんな協力隊。役場の ちょっとユニークな協力隊募集のアイデアを契機に、変化を恐れない人たちが集まり、今では五十人 規模の企業に成長している。その中心にいるのが社長の近藤純光さん。若きリーダーが見据えるのは、 ローカルがキャリア形成の〝最適解〟であるという国際標準ができあがった未来だ。
取材・文:瀬木広哉 写真:三根かよこ
事例2:宮崎県新富町|ヴィアマテラス宮崎
地域おこし協力隊制度を活用して生まれた、女子サッカークラブ
5 年で女子初のプロサッカーリーグ「WE リーグ」へ──。そう目標を掲げて、宮崎県新富町で 2020 年 12 月に発足した女子サッカークラブ「ヴィアマテラス宮崎」。地域リーグ 2 部からスタートし、 2024 年はなでしこ 1 部リーグに参戦する。快進撃を続ける同クラブは、地域おこし協力隊制度を活 用して誕生した。町民を熱く盛り上げる彼女たちと、その仕組みをつくった行政側の思いを聞いた。
文:矢野由里 写真:中山雄太 編集:甲斐かおり
事例3:福井県高浜町|遠藤航さん
熱量の高い生き方に出会えた、地域おこし協力隊というキャリア
地域おこし協力隊として生活拠点を移す人々の多くは、都市から過疎地域へと移動する。総務省が「過疎 地域等の条件不利地域」として定めた地域は、人口密度に反比例するように人と人との関係性が色濃くなる。 いわゆる〝田舎のコミュニティ〟に戸惑う隊員も少なくないが、自身の本来の才能や力を発揮できる場所 を見つけるきっかけになることもある。千葉に生まれ京都での生活を経て、人口約 1 万人の海の町・福井 県高浜町へ移った遠藤航さんも、移住によって理想の生き方をつかんだ一人。漁師とイベント企画事業と いう異色の 2 本の草鞋を軸として活動する遠藤さんの、町との関係性を探る。
取材・文:佐藤実紀代 写真:酒井裕子
事例4:愛媛県東温市|俳優・斉藤かおるさん
俳優業で身につけたものを 舞台から地域へ
たとえそれが茨の道だとしても、好きなことをやって自分らしい人生を歩む人がいる。「この道しか知りませんから」。俳優として三十年以上のキャリアを持つ斉藤かおるさんは、そう言って笑った。 人生をかけて磨いてきた技術や経験を、どこで、何に、生かせるのか模索していたとき、出会った場 所が愛媛県東温市だった。ここで地域おこし協力隊として、活躍の場を舞台から地域へと広げている。
文・写真:藤田和俊
第2特集:地域おこし協力隊 その後の物語
事例5:新潟県十日町市|髙木千歩さん
地域おこし協力隊の先進地域
地域おこし協力隊の役目とは。主体は自治体であり、隊員はそのサポートをすれば事足りるのかといえば、決してそんなことはないはず。自治体によって求められる職種も待遇も異なる制度だが、共通項として見出せるスキルや心構えはないだろうか? いち早く制度を取り入れて、定住率七割を維持する新潟県十日町市の先輩たちに話を聞いた。
文:吉澤志保 写真:黒崎健一
事例6:秋田県秋田市|重久愛さん
警視庁捜査官から地域おこし協力隊へキャリアチェンジ
出身は鹿児島県の与論島。十三年間、警視庁で捜査官としてキャリアを積み、結婚を機に夫の郷里である秋田県秋田市で地域おこし協力隊になる。協力隊として秋田市では初の産休・育休を経て隊員に復帰。警視庁時代に出合った「ヨガ」を生かし、協力隊退任後も秋田市で活動を続ける。「大切なもの」を自分に問い続けてきた道のりを紐解く。
文:三浦美和子 写真:高橋希 編集:石倉葵
事例7:岩手県洋野町|一般社団法人 fumoto 代表 大原圭太郎さん
“らしさ”を大切にする、洋野町の協力隊
地域おこし協力隊の任期は多くの場合、三年。その先も地域に留まるのか、離れて新しい道を歩むのかの選択が、常につきまとう。 岩手県洋野町で「一般社団法人fumoto」を立ち上げた大原圭太郎さんは、まちに根を張ることを選んだひとり。地域の原点を見つめながら、その人らしさを大切に隊員のサポートを行う大原さん。洋野町の協力隊にとって大切なこととは?
取材・文:西道紗恵 撮影:栁沼亘
事例8:群馬県みなかみ町 | 鈴木雄一
ポテンシャルを信じて地域のために手を尽くす
人を動かす原動力は千差万別だ。鈴木雄一さんの場合、それは「観光の町としての可能性」だった。広告業界で働いていた経験を活かし、観光協会所属の隊員となる。退任後に町の移住支援事業を受託する団体を立ち上げ、現在は移住支援のほか、旅行会社や観光団体のサポート、関係人口の誘致など、さまざまな地域課題の解決に取り組んでいる。
文:野口ひとみ 写真:深澤慎平
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地域インターンシップに参加するという選択肢も
おためし地域おこし協力隊・地域おこし協力隊インターンより、もっと気軽に地域と関わる方法があったら…という方へ!
”これからの地域とのつながり方”を提案するメディア「TURNS」では、全国の自治体と共同で地域インターンシップ「TURNS LOCAL COLLEGE.」(滞在期間:2週間)と「ローカレCAMP」(滞在期間:2泊3日)を開催しています。
地域に関わりたいという方ならどなたでも参加でき、自分らしい”地域とのつながり方”を発見できるプログラムになっていますので、お気軽にご参加ください!
\地域インターンシップ「TURNS LOCAL COLLEGE.」の参加者募集中!/