運動は、体だけでなく心の健康を保つためにも大切。そうわかっていても、暮らしが便利になり、体を動かす機会が減った現代、ひとりで運動を続けることはなかなか難しいものです。
運動を習慣にすることは、年齢を重ねてからの健康にもつながるもの。全国的に介護保険料が上昇するなか、保険料が減額に転じ、県内で最も低い水準を実現しているまちがあります。
約20年前から「介護予防のまちづくり」に取り組んできた和歌山県橋本市です。
橋本市では、地域の人たちが主人公。運動を通じて体と心の健康を保つだけでなく、人とつながり、仲間とともに人生を楽しめるような場が育まれています。
そして今回、その現場に加わる、介護予防・健康づくりの業務を担う地域おこし協力隊の募集がはじまります。
なぜ募集するの? どういった仕事? などを知るため、橋本市健康福祉部いきいき健康課の職員4名にインタビューしました。面白そう!と思った方は、ぜひ下記の募集要項からご応募ください。
都会と地方の中間で、“新しさ”におおらかなまち
和歌山県の北東端、大阪府・奈良県との県境に位置する橋本市。世界遺産・高野山の麓に広がり、紀の川がゆったり流れる、人口約5万7,000人のまちです。
紀の川を挟むように、平地と山々が広がる橋本市。
山や川の豊かな自然に恵まれながら、大阪都心部までは電車で約40分。市街地にはスーパーや病院など生活に必要な施設も揃い、利便性の高い「都会の暮らし」と、自然環境に恵まれた「地方の暮らし」、その両方をバランスよく感じることができます。
今回お話を伺った職員のなかで、橋本市在住歴が一番長い課長・石井 義光さんによると、積極的で当事者意識の高い市民が多いそうです。
石井さん「新しいアイデアに対して『まずは自分たちからやってみよう』と、あたたかく受け入れて動き出す人が多い印象です。実際に橋本市でこうやって『介護予防のまちづくり』が広がっているのも、そうした住民の方々の存在が大きいように思いますね」

橋本市で生まれ育った課長の石井さん。
27年前に徳島県から和歌山県へ移住してきた介護予防指導員・西 早由里さんは、出身地との共通点から、橋本市の地域性について次のように話します。
西さん「地域の外から来た人を快く受け入れる文化があるように感じます。他府県に隣接した立地もありますが、高野山の麓にある橋本市とお遍路のある徳島、どちらも祈りの地として、外から訪れる人々を長年迎え入れてきた歴史があるからかもしれません」

「私が移住してきた時も、どなたも娘のように可愛がってくれました」と西さん。
人生を楽しむ仲間ができる、橋本市の介護予防
そんな橋本市では、これまでどのように介護予防を進めてきたのでしょうか?
特筆すべきは、知識を得るだけで終わらない、実践的な健康教室を設けていること。さらに、仲間との交流や楽しさを取り入れ、無理なく継続しやすい仕組みをつくってきたことです。
お揃いのオリジナルTシャツを着て運動する「げんきらり〜教室」の様子。

交流や頭の体操を兼ねてゲームを楽しむ「地域ふれあいサロン」の様子。

運動の選択肢を広げるために加えられた「いきいき百歳体操」の様子。
その一つが、和歌山県が開発した高齢者向けプログラム「わかやまシニアエクサ サイズ」です。橋本市では「げんきらり~教室」という名称で実施し、高齢者が自主的な活動を継続できる環境づくりを進めてきました。
また、2019年からは全国的に実施されている「いきいき百歳体操」を導入し、地域高齢者の活動の幅を広げています。
さらに、誰でも気軽に集まり、顔を合わせて交流できる「地域ふれあいサロン」も開催。これらを合わせると、市内には約100か所の通いの場・集いの場があり、年間延べ約6万人が参加しています。参加者の平均年齢は75歳以上で、女性が約85%を占めます。そのため、「男性限定シニアヨガ」や「男の家事教室」など、男性が参加しやすい事業も実施しています。
教室に通ううちに住民同士の仲が深まり、健康面だけでなく、人とつながる場としての存在も継続的な参加につながっているようです。
参加をきっかけに、バンド活動をはじめた男性たちもいるそう。
西さん「教室の後に、みんなでランチに行ったり、春にはお花見に出かけたりもされていますね。生活の変化とともに接点がなくなって疎遠になっていた人と、教室をきっかけにまた仲良くなれたと話してくださった方もいました」
石井さん「教室は、地域の見守りの場にもなっているんですよ。いつも来ている人が最近来ていないと気づいて直接連絡したり、その相談を受けて市から訪問したりすることもあります。『この教室がなかったら、今頃どうなっていたか』とおっしゃる方もいるくらいです」
持ちつ持たれつの関係で支え合い、ともに人生を楽しむ仲間ができる。介護予防という名のもとにある教室は、地域の人たちにとって、かけがえのない場所になっているのです。
20年続く取り組みに、新しい視点を。新たな仲間を募集
実は、橋本市が介護予防・健康づくりの分野で協力隊を募集するのは今回が初めて。どういった背景から募集に至ったのでしょうか?
石井さん「20周年の節目を迎えて、さらに次の段階へ発展させたいという思いからです。参加者が増えるなか、ニーズも多様化し、今の体制だけでは手が届きにくい部分も出てきています。そこで、これからの介護予防を一緒につくる新たな仲間を迎えたいと考えました」

約800人が集まる交流会も実施。
今回募集する協力隊は、高齢福祉係の係長・大谷 良平さんのもとで勤務します。庁内での業務に加え、介護予防の現場に精通する指導員・西さんとともに地域の教室などを回り、地域の人々と関係を深めていく予定です。
橋本市出身で、現在は大阪から通勤するJターン移住者でもある大谷さんは、新たな仲間にこう期待しています。
大谷さん「橋本市で日常を送っている僕らにとっては“当たり前”になっていて、気づけていない魅力や課題がきっとたくさんあると思うんです。その魅力をどう発信していくといいか、課題はどうしたら変えていけるのか。そういうことを僕らと一緒に考えてもらいたいですね」

今回の協力隊にとって直属の上司となる大谷さん。
現在、橋本市役所では5名の協力隊が在籍しています。今後は協力隊同士が交流できる場をつくり、所属課を越えた横のつながりを広げていく構想もあるそうです。
協力隊の着任から3年間のステップ
今回の協力隊は、年度ごとに任用される会計年度任用職員として採用され、いきいき健康課にデスクが設けられます。
任期は最大3年間。年ごとに役割を切り替えるわけではありません。3年間を通して地域を回り、関係を築きながら、徐々にできることを広げていくイメージです。
【1年目】
各教室を訪れ、地域の人々と信頼関係を築き、介護予防・健康づくりの現場を知る。
【2年目】
地域の声と外からの視点、自分の経験をいかし、新しい取り組みを企画する。
【3年目】
その取り組みが住民主体で今後も継続できるよう、仕組みをつくる。
3年間の任期は、あくまでひとつの区切り。その後も橋本市に暮らしながら、3年間の経験をいかして仕事に就いたり、自ら起業したり。どのような道を選んでも、地域とのつながりを持ち続けてほしいと願っています。

いきいき健康課は橋本市保健福祉センター内にあります。
求む!柔軟な視点で、一緒に楽しめる人
では、今回の協力隊には、どういった人に来てもらいたいのでしょうか?
大谷さん「運動や健康はもちろんのこと、人との関わりが好きな方がいいですね。都心と地方の中間のような橋本市には、さまざまな働き方や暮らし方の人がいて、それぞれの考えがあります。そういったなかで、まずは相手の意見に耳を傾ける姿勢が大切です。いろんな考えを素直に受け止めながら、自分の考えも柔軟に広げていける人だとうれしいです」
西さん「『それ、面白そう!やってみよう!』と、地域の人たちと一緒に楽しめる人もいいなと思います。主人公は地域の人たちだから、その声をいかして形にしていく。それと同時に、自分自身も楽しむこと。その気持ちがあってこそ、魅力も伝わりますからね」
もちろん、何でも一人でする必要はありません。「一人で抱え込まず、気軽に相談してほしい」と石井さん。職員も寄り添いながら、活動を支えていきたいといいます。

いきいき健康課。協力隊のデスクは職員と隣り合わせ。
「介護予防といえば橋本市」を目指して
最後に、新しい仲間を迎えた3年後に思い描く橋本市の姿を伺いました。
現在の介護予防事業は高齢者が中心ですが、Uターン移住者である課長補佐・中岡 祥子さんがこれから目を向けたいというのが、まだ介護を身近に感じづらい40〜50代。その世代にも、健康について考えるきっかけを届けたいといいます。
中岡さん「この世代は仕事や子育てなど目の前のことに精一杯で、自分の健康に対する優先順位が低くなりがち。しかし、少しずつ体の不調を感じはじめる頃です。幅広い世代で心と体の健康に意識を向ける人が増えて、誰もが元気にいきいきと過ごし、年を重ねていくことが楽しくなる。橋本市をそういうまちにしていきたいですね」

大学時代は大阪で過ごしたという中岡さん。
石井さん「地域の皆さん自身が『自分たちがやっていることって、すごいことなんだ』と地域の価値を再発見して、『こんなこともやってみたい』という声が自然に生まれてくる。そして、協力隊として来てくださる方をはじめ、誰もが住みたい・住み続けたいと思える。そんな橋本市を一緒につくっていけたらと思います」
介護予防のまちづくりを、地域とともに育てて20年余り。10周年を迎えた際には、参加者から「介護予防といえば橋本市、と言ってもらえるようにがんばろう」と声があがっていたそうです。新たな仲間を迎えるこれから、その未来へまた一歩、歩みを進めようとしています。
2泊3日の「おためし地域おこし協力隊」に参加しませんか?
本記事を読んで、「面白そう!」「地域おこし協力隊として活動してみたい」と感じてくださった方へ。
とはいえ、いきなり応募するとなると、「自分に合う地域なのかな?」「どんな人たちと一緒に活動するんだろう?」と、気になることもあるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、11月に開催される「おためし地域おこし協力隊」です。
実際に地域を訪れ、人やまちの雰囲気に触れることで、応募前に気になることを自分の目で確かめられる機会です。
【日時】2026年11月19日(木)〜21日(土)2泊3日
【体験内容】
・げんきらり~教室運営体験
・岸上文化センターにて実践講座体験
・まち案内(市内一周、産直市場で買い物など)
・先輩移住者との座談会他
【参加費】無料
【募集人数】3名程度
「おためし地域おこし協力隊」の詳細は、募集要項からご確認ください。
取材・撮影:前田有佳利
(各教室の写真提供:橋本市役所 健康福祉部 いきいき健康課)
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都道府県+市町村 和歌山県橋本市 募集状況 募集中 勤務地 橋本市保健福祉センターいきいき健康課に在籍、課内に席を設けます。
※業務による移動は、市公用車を使用します。募集職種 介護予防・健康づくり事業に関する業務及び情報発信 雇用形態 【雇用形態】
橋本市会計年度任用職員として任用します。
【任用期間】
令和9年4月1日〜令和10年3月31日
※1年度単位で更新し、最長3年を限度に再任できるものとします。
※地域おこし協力隊としてふさわしくないと判断した場合は、任用期間中であってもその職を解くことがあります。福利厚生 (1)社会保険等(雇用保険、健康保険、厚生年金)に加入します。
(2)通勤手当の支給があります。(※橋本市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の定めによります。)
(3)住居賃借に対する補助があります。(※上限あり。)
(4)活動に必要なパソコンや車両などの備品は、市が所有するものを使用します。
(※市の所有するものは、私用に使えません。)
(5)活動に要する消耗品等は、予算の範囲内で支給します。
(6)活動や研修のために出張する場合には、予算の範囲内で市職員に準じて旅費等を支給します。
(7)年次有給休暇等があります。(橋本市会計年度任用職員の勤務時間、休暇等に関する規則の定めによります。)
(8)事前に届出書を提出し、勤務時間外に行うものであり、かつ心身の疲労等により本業務に支障を及ぼす恐れがない場合に限り兼業可能です。仕事内容 (1)地域現場の介護予防・健康づくりの活動に関わる活動
(2)橋本市の介護予防・健康づくりの情報発信にかかる活動
(3)新しい健康づくりの取組を企画、実践する活動
(4)介護予防・健康づくり事業に関する事務や連絡調整
※地域おこし協力隊員の活動のほか、市職員の一員として各種研修等の受講や、選挙事務、災害対応業務等に従事していただく場合があります。
勤務時間 原則として平日8:30~17:00(休憩60分)
※業務の都合により、勤務時間を超える場合には、時間外手当を支給します。応募資格 以下(1)~(6)をすべて満たす方
(1)応募時点で3大都市圏(東京・名古屋・大阪)をはじめとする都市地域(過疎、山村、離島、半島等の対象地域又は指定地域を有していない市町村をいう。)に在住、または地域おこし協力隊であった方(同一地域における活動2年以上、かつ解嘱1年以内)で、委嘱後に橋本市に住民票を移すことが可能な方(委嘱を受ける前に既に住民登録し、市内に定住・定着している方を除きます)。
※対象地域については総務省が定める地域おこし協力隊の地域要件によります。
(2)地方公務員法第16条の各号(欠格条項)に該当しない方
(3)最長3年間の活動期間終了後も橋本市で定住する意思のある方。
(4)普通自動車運転免許(AT限定可)を取得し、日常的に車の運転が可能な方。
(5)Word、Excel、PowerPoint等の基本的なパソコン操作がができる方。
(6)市の広報ルールやガイドラインを理解し、SNS(Instagram・市公式LINE)等を活用した情報発信ができる方。募集期間 令和8年9月18日(金)~令和8年11月30日(月)
※郵送の場合、11月30日(月)必着選考プロセス 【応募方法】
上記受付期間に、提出書類を、採用問い合わせ先まで郵送もしくは持参ください。
【提出書類】
(1)橋本市地域おこし協力隊応募用紙
(2)住民票抄本 1部(※3か月以内に取得したもの)
(3)普通自動車運転免許証の写し 1部
※選考結果にかかわらず、提出書類は返却しませんのでご了承ください。
※郵送の場合は、必ず特定記録郵便または簡易書留郵便とし、封筒の表に「橋本市地域おこし協力隊員応募書類在中」と明記ください。
※これら以外による不着の問題については一切対応しかねます。
【選考】
(1)一次選考(書類選考)
受付期間終了後、書類選考のうえ、選考結果を応募者全員に文書で通知します。
(2)二次選考(WEBによる面接)
一次選考合格者を対象に、WEBにて二次面接を行います。(※Teamsを使用)
詳細は、一次選考結果を通知する際にお知らせします。
選考のうえ、選考結果を二次選考受験者全員に文書で通知します。
(3)最終選考(現地面接)
二次選考合格者を対象に、面接(会場:橋本市保健福祉センターを予定)を行います。詳細については、二次選考結果を通知する際にお知らせします。
なお、最終選考に要する交通費は個人負担とします。
(4)最終選考結果の通知
最終選考終了後、選考結果を最終選考受験者全員に文書で通知します。
※選考の経過及び結果についての問合せには応じられませんので、あらかじめご了承ください。採用問い合わせ先 担当課:橋本市 健康福祉部 いきいき健康課
住 所:〒648-8585 和歌山県橋本市東家一丁目1番1号
電 話:0736-33-3705
メール:ikiiki@city.hashimoto.lg.jp