移住の検討から新生活までをワンストップで
2日に1人が移住する!
「秋田市移住相談八重洲センター」
相談員に聞くサポートの舞台裏

秋田市が市単独で運営する東京の移住相談拠点「秋田市移住相談八重洲センター」が、首都圏などから秋田市への移住を次々と実現させている。

2019年の開設以来、同センターの相談を受けて移住した人の数は1,100人を突破し、「2日に1人が秋田市民になる移住相談所」と呼べる成果を上げてきた。

今年の春には、2名の相談員が新たに加わり、支援体制がパワーアップ。実績好調の要因や新体制の強み、チームで目指す新たな取り組みのビジョンなどを相談員に聞いた。

 

「2日に1人が移住者になる相談所」が相談員3人体制に

TURNS 秋田市は「ちょうどいいから、住みやすい」をキャッチフレーズに掲げて移住者受け入れに力を入れ、昨年度は年間300人近くが県外から移住するなど確かな実績を挙げています。そのうちの約6割が「秋田市移住相談八重洲センター」(以下、八重洲センター)での相談を経て移住されていますが、開設初期から相談員を務めている正木さんは、どこに好調の要因があると感じますか?

正木 第一に、今年の夏も猛暑が顕著だったように、気候の変化を感じて住みやすい環境を求める人が増えたこと。そして、首都圏で販売される新築マンションの平均価格が1億円を越えるなど住宅価格が上がる中で、広い住居と都会的な暮らしを両立させたいと考える人が増えたことが、秋田市への移住者が増えている強い要因だと思います。

そのような状況の中で、私たちは移住関連イベントなどを通じて移住希望登録者の数を増やし、市単独で開設した相談窓口が東京駅近くにあることの認知を広げ、地道な活動で徐々に実績を挙げてきました。

秋田市移住相談員 正木 暁 さん

秋田市出身。民間企業に勤めていた28歳の時に転勤で秋田を離れ、以降、各地で転勤生活を送り、2002年から東京在住。2019年から現職。地元のお気に入りスポットは、実家近くにある「道の駅あきた港セリオン」の展望タワー。

TURNS 八重洲センターは、今年の春に茂藤さん、那須さんを加え、相談員3人体制で新たなスタートを切りました。新体制の強みを教えてください。

正木 単純に相談員の数が増えたというだけではなく、それぞれ得意分野のあるメンバーが集まったことが大きいと感じています。茂藤さんは長く企業に勤めた経験とキャリアコンサルタントとしての実績がありますし、那須さんは小さな子を持つ親として、等身大の視点で子育て世帯の相談に乗ることができます。開設から6年が経ち、移住相談というのは、仕事・住まい・子育てといった複数のお悩みに答えなければならないのが常だと感じてきましたから、それぞれの得意を活かしつつ、1人の相談者に対して3人のチームで“広く深く”対応できるようになったことが、最も大きな変化と言えますね。

TURNS 那須さんは秋田市のご出身なんですね。

那須 はい。結婚を機に離れるまで秋田市で暮らし、市内のホテルに勤めたり、医療事務の仕事をしていました。今も子どもを連れて家族で頻繁に帰省していますが、母親としての視点であらためて地元を見ると、海も山もあり、渋滞に巻き込まれることも少なくて、本当に子育てに最適なところだと気付かされます。将来的には自分も秋田に戻って暮らしたいと考えているので、特に子育て世帯の方々の相談では「自分だったらどんな支援をしてもらえたら助かるだろうか」と、個々のニーズに寄り添った対応を心がけています。また、細かな土地勘や郷土ならではの文化についてもお伝えしています。

秋田市移住相談員 那須 理恵子 さん

秋田市出身。ホテル、住宅機器メーカー、医療機関などに勤務した後、結婚を機に秋田を離れ、今年の春から現職。5歳の男の子を育てる現役ママ。ファミリーにおすすめしたい秋田市のスポットは、「小泉潟公園」と「大森山動物園」。

TURNS 子育て視点から見た秋田市の魅力は、どんなところにあると思いますか?

那須 30万人近い人口を抱える中核市なので、子ども家庭センターのサポートが充実していますし、遊び場が多いところも魅力です。移住体験などで滞在されるご家族には、アスレチックが楽しめ、夏には噴水公園で水遊びもできる「小泉潟公園」をおすすめすることが多いですね。

また、秋田は小中学生の学力が高い地域として有名です。少人数学級や家庭教育への意識の高さはよく挙げられますが、私自身の実感としては、地域の中に自由に勉強できる場所が多いことも、その要因のひとつだと思います。

TURNS 茂藤さんは以前から、就職支援に関わるお仕事をされていたそうですね。

茂藤 出版社に勤めていた頃に就職ガイドを担当していたことがあり、大学などに赴いて学生向けに会社選びや面接対策のレクチャーを行っていました。その後も札幌市のUIターン希望者向けの転職支援に携わってきたので、その経験を活かした移住相談に力を注いでいきたいと考えています。

秋田市移住相談員 茂藤 泰彦 さん

石川県出身。大手印刷会社を経て、旅行関係の出版社に30年勤務した後、UIターン就職の支援業務に従事し、今年の春から現職。キャリアコンサルタントの資格を活かし、移住者の就職支援に力を入れる。7月に開設した八重洲センター公式Xでの情報発信にも奮闘中。

TURNS 長く企業で活躍されてきた中で、移住相談員としては半年ほどの期間が過ぎようとしていますが、この仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?

茂藤 秋田市での仕事が決まったり、補助金の申請が通ったりして、移住希望者の方が喜んでいる顔を見た時の充実感ですね。前職では就職支援に特化した仕事をしていましたが、ここでは住まいを含めた暮らし全般をサポートする仕事に携わることができ、移住者の方々が秋田市での暮らしを思い描く瞬間に立ち会えることが大きな喜びになっています。

 

「若者に選ばれる移住地」の実績踏まえ、学生をターゲットに

TURNS 秋田は県としても移住政策に力を入れ、東京では京橋に相談拠点の「アキタコアベース」を置いています。そちらとの連携体制がしっかり構築できていることも、良い結果が生まれている理由なのでしょうか?

正木 そうですね。アキタコアベースで秋田市に関心を持たれた方を、こちらに紹介してもらう流れができています。アキタコアベースは県全体の移住案内を担い、個々の市町村の窓口につなぐことが主な役割です。その上で秋田市は、市単体で顔の見える窓口を東京に持ち、移住検討の初期段階から実際に移住されるところまで寄り添える点が大きな特徴です。そうした体制が、移住を検討する方々の安心感にも繋がっているのではないでしょうか。

TURNS 開設から6年が経ち、センターの活動も地に足が着いてきました。一方で今年4月には沼谷純市長が初当選されて市政全体に新たな風が吹く今、今後はどんな取り組みに力を注いでいきたいと考えていますか?

正木 「若者移住促進事業」など、40歳未満の方々に対して進めてきた支援が着実に実を結び、特に若年層のUターン移住が増えていることに手ごたえを感じています。今後はさらにターゲットを若い世代へ広げ、秋田県出身の学生へのアプローチを強めていきたいと考えています。

実際、秋田から関東の大学に進学し、卒業後しばらく働いたのちに秋田市へ戻りたいという相談が、数年前に比べて大きく増えています。そこで、在学中から「新卒のまま秋田市で働くという選択肢もありますよ」と呼びかけ、心を掴んでいきたいと思います。政策の柱に「日本一の若者支援と魅力ある街に」という言葉を掲げる沼谷市長も、若年層の移住定住を重要施策のひとつにしているので、本庁と密に連携を取りながら進めたいです。

TURNS 学生のUターンということは、すなわち「就活」と直結すると思うのですが、どんな支援をイメージしていますか?

正木 まずは、実際に大学などに赴いたり、オンラインで情報を交換したりなどして、情報を届けていくことがスタートだと思っています。行政側の目線だと、「故郷なのだから、秋田を進路の選択肢に入れるのは当然だろう」と思いがちです。しかし、上京して東京の圧倒的な情報に触れると、どうしても秋田のことが小さく見えて、「東京で働くのが当たり前」に見えてしまうことはあると思います。そうした認識を持つ学生に確かな情報を提供し、「働く場所の選択肢に秋田がある」「学んだ知識やスキルを活かせるフィールドが秋田にもある」ということを訴えていきたいですね。

茂藤 例えば今、全国的にIT人材が不足し、地方にも人材獲得の動きが広がっています。秋田市にはその分野で有名なグループ企業も進出していますが、地元出身の学生にはあまり知られていません。実際には首都圏並みの待遇で働ける環境があり、首都圏で経験を積んだ社会人だけでなく、大学や専門学校で高いレベルの教育を受けた方にも活躍の場があります。さらに、「東京圏移住支援事業補助金(大学卒業生等向け移転費支援事業)」として引越費用を補助する支援制度も設けているので、情報提供と現実的な支援の両面で若い方たちを応援したいと考えています。

正木 付け加えると、秋田市ではふるさとへの想いを育む一環として、小中学生に向けて地元の暮らしやすさや働きやすさを伝える取り組みを進めています。また、秋田市出身で日本アカデミー賞を受賞した成田洋一監督を講師に迎え、地元の高校生が地元愛を発信するCM塾が行われるなど、県外に向けた情報発信はますます活発になっています。

こうした動きからも、市全体で移住者の受け入れを盛り上げようとする機運の高まりを感じます。その中で、私たちは東京でUターンを希望する方々と最初に出会う窓口として、「故郷の良さを学び、一旦は秋田を離れた人が故郷に帰る」という良いサイクル作りのお手伝いをしたいと思っています。

 

アピール本位ではなく、移住希望者の不安取り除く相談所に

TURNS 那須さんが子育て支援でPRしたい支援制度を教えてください。

那須 未成年のお子様がいらっしゃる相談者の方に必ずご案内しているのは、2人以上の世帯に100万円の支援を行う「東京圏移住支援事業補助金」(社会人等向け支援事業)です。こちらはお子様1人につき100万円の加算があるので、とても心強いと思います。また、「子育て世帯移住促進事業補助金」では、住宅の購入や賃貸借費用に対して40万円以上の補助を行っています。このほか、オーダーメイド型の「移住相談ツアー」も非常に好評で、交通費と宿泊に最大5万円の助成があることに加え、幼稚園や学校の見学など個人の滞在では難しいアレンジも可能なので、実際の移住後の生活をリアルに感じてもらえると思います。移住相談員になってまだ半年ではありますが、つい先日、本ツアーで秋田市を訪れ、実際に移住に至ったシングルマザーの方から感謝のお手紙をいただき、とても励みになっています。

TURNS ありがとうございます。今日は八重洲センターの新たな個性とビジョンをしっかり伺うことができました。今後、皆さんが参加されるイベントがあれば教えてください。

那須 11月8日(土)に下北沢BONUS TRACKで行われる「秋田市つながり実感移住フェア」に相談ブースを出展します。また、来年2月には都内で秋田市出身者を集めた食事会を予定していますので、八重洲センターの外でも、秋田市への移住にご興味を持つ方はぜひご質問ください。

出展情報

令和7年10月18日(土)あきた移住・交流フェア
会場:HOME/WORK/VILLAGE(東京都世田谷区池尻2-4-5)

令和7年10月26日(日)あきた就職フェア
会場:東京都立産業貿易センター浜松町館2階展示室(東京都港区海岸1-7-11)

令和7年11月22日(土)JOIN移住・交流&地域おこしフェア
会場:東京ビッグサイト 東展示棟7ホール(東京都江東区有明3-11-1)

令和8年2月15日(日)あきた就職フェア
会場:東京都立産業貿易センター浜松町館2階展示室(東京都港区海岸1-7-11)

TURNS それでは最後に三人を代表して、正木さんから秋田市への移住に関心を持つ皆さんにメッセージをお願いします。

正木 今年度は、昨年度よりも速いペースで多くの方々からご相談をいただき、いつもセンターがにぎわって嬉しい限りです。当センターは「ぜひ移住してください」とこちらの意欲を伝えることが中心のスタンスではなく、お越しくださる方が住まいや仕事の面で抱える不安にしっかりと耳を傾け、そこを取り除いて移住のお手伝いができる相談所でありたいと思っています。対面でもお電話でも結構ですので、多くの皆様からのご相談をお待ちしております。

秋田市移住相談八重洲センター

東京都中央区京橋一丁目4-14 TOKIビル6F
(東京駅八重洲南口改札より徒歩4分)

相談時間:9:00〜17:00(月〜金) ※土曜日は要相談

フリーコール:0120-99-1101 | オンライン相談にも対応!

詳しくはこちら👉 https://www.city.akita.lg.jp/iju-teiju/1013018/1020507.html

 @akitaiju_yaesu

文:鈴木 翔 撮影:渡部 聡


\11月8日(土)開催!/
秋田市つながり実感移住フェア in 東京

東京圏にお住まいの皆さまへ。

秋田市の暮らしや住環境の魅力などをお伝えする移住イベントを開催します!

会場では「秋田市移住相談八重洲センター」が相談ブースを出展。暮らしのリアルな様子や支援制度をご紹介し、移住に関する不安や疑問にも丁寧にお答えします。

秋田での新しい暮らしに興味のある方は、この機会にぜひお気軽にご参加ください。

開催日時:令和7年11月8日(土)10:30〜16:00

 会場:下北沢BONUS TRACK(世田谷区代田2-36-12)

入場料:無料

詳細はこちら👉  https://akitacity110.com/akitanoichi2025/


▼あわせてご覧ください!

秋田市移住ポータルサイト「AKITANOSU」

秋田市での生活や仕事、イベント情報など、移住検討に役立つ情報が満載です!

👉 https://akitacity110.com/

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