【くらしき移住通信 インタビュー Vol.3】
何でもある、だから楽しい。倉敷で叶える、理想の仕事と子育て

移住とは、住む場所を変えるだけではない。

仕事や暮らしなどのライフスタイル、人とのつながり、考え方や価値観……新しい土地への移住は、多くの新しい出会いをも与えてくれる。

では、倉敷に移り住んできた人たちは、ここでどんな出会いや変化があったのだろうか。

第3回は、海辺のまち児島地区でカフェを2店舗経営する稲葉剛さんにお話をうかがった。

 

〜稲葉さんにQ&A〜

Q.「倉敷に来て、増えたものは?」

A.「家族と過ごす時間が増えました!

 

【プロフィール】

稲葉 剛 さん

栃木県出身。東京の大手ゲーム制作会社に勤務していたが、より良い子育て環境を求めて移住を決意。妻の実家に行きやすく、気候もよい岡山に狙いを絞り、児島にその地を定めた。

現在は雑貨とカフェのお店「koto -good things in life.-」、ジーンズミュージアム併設の姉妹店「BS Cafe & Gallery」を経営。好きな仕事に邁進しながら、倉敷での子育てを楽しんでいる。

 


散歩がてら、子どもと海へ。こんな生活は東京では考えられなかった

2021年に東京都町田市から倉敷へ移住してきた稲葉さん。現在は海の見える倉敷市児島の琴浦地区にて、雑貨とコーヒーを扱うカフェを営んでいる。

移住前は都内の大手ゲーム制作会社に勤務し、通勤ラッシュのなか、毎日1時間近くをかけて会社に通っていた。

「今は店から家まで5分ほど。自分の店を持ったことで時間の融通もきくようになり、家族と一緒に過ごす時間が増えました」

と語るうれしそうな表情が印象的だ。

「倉敷は自然がすぐ近くにあるので、子どもを海や山に連れていく機会も多いです」

という稲葉さん。

「近隣だと、鴻八幡宮と大畠公園のほうによく行きます。

鴻八幡宮は最初、神社の入り口に石段がなくただの坂道で驚いたんですが、実は秋のお祭りでだんじりを引っ張り上げるためだそうで。実際に見たらすごい迫力でした。

それから大畠公園近くの海岸は、のんびりリラックスしたいときによく行きますね。東京だと子連れで海に行くのって大仕事じゃないですか。渋滞に巻き込まれ、駐車場探しにひと苦労。ちょっと遠くに車を停めて、やっとたどり着いたと思ったら海も混んでて、場所取りするだけでヘトヘトになっちゃう。児島だと散歩ついでで行けるから、ちょっと気分転換に海へ……なんて、すごく贅沢な環境だなあっていつも思います」

田舎暮らしがしたいわけじゃない。より良い子育て環境を求めてたどり着いた場所

稲葉さんが移住を考え始めたのは、1人目のお子さんが生まれた頃。

「僕も妻も東京の出身じゃないので、いずれは東京以外の場所に住もうと考えていて。長男が生まれたことをきっかけに、子育てにより良い環境を求めて移住先を探し始めました」

旅行を兼ねてさまざまな場所を訪れ、岡山県に絞ったのは2年ほど前。気候がよく、妻の実家がある山陰地方に近いことが決め手だった。

その後県内を歩き回り、もっとも心奪われたのが児島エリア。海の色がとても美しく、街全体に漂うモノづくりの雰囲気にも惹かれたそうだ。

「それに僕、栃木県のすごく田舎の出身なんです。だから、別に田舎暮らしに憧れているわけじゃない。かといって、岡山市では都会すぎる。その点、倉敷は中心部に行けばなんでもあるし、自然も近くにある。人の距離感もいい。住むのにすごくバランスがいい街だと感じました」

移住と同時に起業を考えていたこともあり、店舗となる物件を探すなかで琴浦地区と出会った稲葉さん。「すごく面白いエリアだと思いました」とすっかり気に入り、2021年、正式に住まいと店を構えた。

しかし、時期はコロナ禍。引っ越しはもちろん開業準備や支援金の申請、子どもたちのケアなど、移住当初はかなり慌ただしかったそうだ。

「本当は長男の小学校入学に合わせたかったんですけど、仕事の都合などもあり1年ずれ込んでしまって。2年次からの転入になったので、長男は大変だったと思います」

慣れない言葉や環境、マスクで顔の見えない同級生たち。さぞかし不安も大きかっただろう。そんな時期を無事に乗り越え、今では友達もたくさんできた。昨年秋には、鴻八幡宮の例大祭「だんじり祭り」で、しゃぎり(県の重要無形民俗文化財にも指定されているお囃子の一種)を担当。稲葉さんも交通整理ボランティアで参加するなど、地域の一員として溶け込んでいる。

仕事も子育ても、まだまだこれから。“面白いまち”倉敷で、未来を紡いでいく

こうして倉敷での生活がスタートして約2年が経った。

2023年はじめには、開業当初から営んでいたカフェを現在地に移転。名前も「koto -good things in life.-」と改め、地元の“いいもの”とコーヒーを扱う雑貨とカフェのお店にリニューアルした。

そして春にはジーンズミュージアムのすぐ隣に、姉妹店となる「BS Cafe & Gallery」をオープン。「koto」は地元の人がテイクアウトで気軽に利用できるお店をコンセプトにしているが、こちらは飲食スペースを広めに取って、観光で児島を訪れた方もゆったりとくつろげる場所を目指している。

「仕事は忙しくなってきましたが、好きなことに遠慮なく突き進めるのも倉敷に来てよかったことですね」

子育てに良い環境を求めた結果、自分にとっても居心地のよい場所を見つけることができた稲葉さん。

「倉敷はすごく引き出しが多いというか、懐の深い街だと思います。いろんな地区が合併してできているので、それぞれの地域にいろんな特色があって、人も文化も違って。中心部は美観地区もあって文化的だし、児島は海もあって繊維業が盛んで、水島地区は工業地域で、玉島も今すごく期待値の高い場所。倉敷だけでいろんなことが成り立っていて、どこに行っても面白いし、ここで完結できる。本当にいい街です」

インタビュー中もたびたび倉敷を「いい街」と評する姿に、むしろ不満はまったくないのかが気になりたずねてみると。

「そうですね……強いて言えば、晴れすぎるところですかね。たしかに気候に惹かれて移住を決めたんですが、まさかこんなに晴れるとは。この夏なんて、雨が全然降らないもんだから、道端の雑草がしおれちゃってましたよ(笑)」

そんなところも面白いんですけどね、と稲葉さんは笑う。3人の子育ても、店の経営もまだまだこれから。倉敷でどんな暮らしを紡いでいくのか、楽しみは尽きない。


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\【くらしき移住通信】バックナンバー/

【VOL.1】

フルリモートで職を変えずに移住。倉敷で手に入れた便利で自分らしい暮らし方

【Vol.2】

仕事も、人も、場所も、好きなものに囲まれて心地よく暮らす。倉敷で見つけた等身大の幸せ

 

【VOL.4】
自分の店を持つという夢が、倉敷と繋がった。コミュニティの場として地域に根ざしていく

                   

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