【とくしまSTYLE : 03】
Uターン・嫁ターンの移住者であり、県庁の移住担当でもある2人が語る徳島移住のリアル

【徳島県】とくしまぐらし応援課 移住交流担当
徳島県地方創生局とくしまぐらし応援課移住交流担当は、徳島の移住に関する情報発信や、ワーケーションの推進、交流イベントの開催など「新たな人のつながりづくり」に取り組んでいる。徳島出身で家族とUターンした井村咲絵さんと、妻が徳島出身の縁で移住に至った東京都出身の三木雄太さん。お2人に徳島移住のリアルについて伺った。

子育てしやすい徳島

「三木さんと話す時は、大体子育ての話題になりますね。」と言う井村咲絵さん。徳島県小松島市出身で、東京の大学に進学後、第一生命保険に就職し、10年間の東京勤務の後、2015年に徳島にUターンした。きっかけは、第1子の出産。

「夫と2人の時は、新宿区のワンルームマンションに住んでいました。便利で楽しい場所ではあったんですが、ここで子育てするのは難しいなと。さらに、当時は夫が長時間労働だったため、夫婦で子育てをするための選択肢のひとつとして夫の転職を考え、徳島へのUターンも視野に入れ始めました。夫にとって徳島は初めての地なので、私が育休の間に”お試し移住”するつもりで引っ越したんです。私が会社を辞めなくていいことが安心材料になりました」

井村さん自身は転職ではなく、第一生命の徳島営業支社へ異動。企業版ふるさと納税(人材派遣型)により、第一生命から徳島県庁へ派遣され、現在とくしまぐらし応援課の一員として奮闘している。

2015年にUターンし家族と共に移住してきた井村咲絵さん 

また、7歳と5歳の2人のお母さんでもある。

「15年ぶりの徳島は、豊かに暮らせる場所だなと思いました。車社会だから、いつでもどこにでもサクッと行ける自由さがありますね。子育てには最適です。外食も子連れに配慮があって優しいですし、おいしいものが多いです。休みの日は、家族で温泉に出かけたり、神社巡りしたり、家の近くの海や公園で遊んだりしています。カフェのモーニングもたまに行きますよ」

東京から移住してきて実感するのは、住居環境の良さだとか。家賃が安い上広いことに、東京から戻ってきてびっくりしたのだそう。移住後に家を建てた現在は、自宅の庭にあるさくらんぼの木の実を鳥が食べにくる様子を子どもと観察したり、ハーブを育てたり身近な楽しみもある。徳島にUターンして7年、徳島ならではの良さを満喫している。

身近に自然があるので、子ども達の遊びも豊か。

嫁ターンという選択肢

東京都出身の三木雄太さんは、2021年、第1子が2才の時、子育て環境を求めて徳島へ移住してきた。妻の実家が徳島県だったいわゆる「嫁ターン」だ。現在は、妻の実家から徒歩5分のところに暮らし、徳島県庁のとくしまぐらし応援課で勤務している。4歳と1歳の2人のお父さんでもある。妻の実家近くでの暮らしは、妻にとっても快適だそうだ。神奈川県に住まいを構え、東京都内に通勤していた時に比べると、通勤時間が格段に短くなったことがとにかく嬉しい。

「家族揃って夕飯を食べられる時間に家に帰れることもあり、東京で仕事をしていた時に比べ、格段にライフワークバランスが充実しています」

2021年に、嫁ターンで移住してきた三木雄太さん。徳島県庁へ転職した。

東京都出身で、地方に暮らすのも初めてで、転職も初めてという三木さん。不安はなかったのだろうか?

「友人や知人がいないことに多少の不安はありましたが、東京では見ることができない自然豊かな景色に癒やされたり、徳島ならではのアットホームな雰囲気にすぐに馴染むことができました。自然を堪能できるレジャースポットに行く時は、東京では車で2〜3時間かかっていましたが、徳島では20〜30分行けば遊べるところが色々あって楽しいですね。混んでることもなく、子どもとのお出かけに安心感があります。休みの日は、家族で温泉やフルーツ狩りに出かけたりしています」

自宅近くの畑で土を触ったり、自宅周辺を散歩していると、知り合いでなくても挨拶してくれる環境に、満足しているそう。

休みの日は家族でレジャーに出かける。近場にいろんな遊びがあって楽しい。


移住担当者としての仕事とやりがい

井村さんは、「ワーケーションの推進と複業人材の誘致を担当しています。複業人材とは、スキルやノウハウを活かして地域づくりや社会貢献活動などの複数の役割を担っていただく都市部の方々のことで、『複業人材』と『地域』を結びつけることで持続的な地域づくりの実現を目指しています。その他に、移住セミナーを企画したり、とくしま暮らしの魅力をPRするため取材先の選定をしたりしています」。ファイナンシャルプランナーでもある井村さんは、その資格を活かして「地方でのライフプランとお金の話」などのセミナーに登壇することもある。お金のことが気になる移住、ファイナンシャルプランナーが相談に乗ってくれたら本当に心強い。「人に会えることが楽しいですね。地元の徳島に、こんな人がいたのか、こんな考え方があったのかと、つながっていくことが嬉しいです」と、やりがいを感じている。

三木さんも「井村さんと同じく、移住セミナーで自分の移住経験を話したり、徳島県の移住交流に関する情報発信を行っています。他には、地域おこし協力隊も担当しています。今年度は、『徳島県地域おこし協力隊等交流活性化プロジェクト』を企画・開催しました。県内で活躍する地域おこし協力隊や地域づくりに取り組む若者等が、各地の地域おこし活動を体験することで、『新たな気づき』や『繋がり』を作ることを目的に、全6プログラム、約70名の方にご参加いただきました。皆さん地域を盛り上げようと意欲のある方が多く、会うとこちらも元気をもらえます。多くの協力隊員がこの徳島に残り、地域を元気にする人材として活躍してくれたらと思います」

地域づくりには欠かせない存在になってきている地域おこし協力隊。地域と協力隊をしっかりと繋ぎ、協力隊がちゃんと活躍できるようになるには、行政の担う役割は大きい。

徳島移住交流のおすすめポイント

実は、徳島は、全国屈指のブロードバンド環境が整っている県だ。サテライトオフィス誘致の先進地であるためサテライトオフィスが多く、そのため自然と県内にコワーキングスペースが増え、最近では「ワーケーション」の誘致につながっている。「ワーケーションという言葉から、バケーション要素が強い印象を持つ方が多いようですが、徳島ではしっかり働けることもアピールしています。それも情報インフラであるブロードバンド環境が整っているからですね」と井村さんは語る。

さらに、「徳島に愛着のある方々へ届く発信を工夫しています」と言う三木さん。特に転出の多い若者や女性、そして徳島出身者の主な転出先である大阪圏への発信を強めているそうだ。その取組みの一つが「とくしま若者回帰アンバサダー」。徳島県ゆかりの16歳以上30歳未満の若者が、WEBやSNS等を活用し、若者ならではの目線で徳島の情報発信を行っている。最近、徳島にはオシャレなお店やスポットが増えてきている。新しい動きも活発だ。「一人ひとりが自分に合ったところで暮らせるといいですね」と言う井村さんの言葉通り、徳島に合う人が徳島を楽しんで徳島の情報を発信することで、今後もますます魅力的な徳島が創られていくだろう。

 

とくしまぐらし応援課 移住交流担当のみなさん(左から三木さん、アワーケーションマンこと村松さん、玉川さん、田幡さん、井村さん)

 

井村 咲絵(いむら・さきえ)さん

徳島県小松島市出身。
大学卒業後、第一生命保険株式会社に2005年就職し10年間東京勤務。
CFP(日本FP協会)として、主にライフプラン・資産運用・相続をテーマにセミナー等実施。
結婚後、出産を機に家族で地元の徳島にUターン。
2022年4月、第一生命保険株式会社より企業版ふるさと納税(人材派遣型)で派遣され徳島県庁の職員に。
現在7歳、5歳の子育て中。

 

三木 雄太(みき・ゆうた)さん

東京都出身。
神奈川県に住み東京で勤務していたが、子育てを機に妻の実家のある徳島に嫁ターンで移住し、徳島県庁の職員に。現在、4歳、1歳の子育て中。

 

文・ひらかわひろこ 写真・山川 明訓

 

 

移住交流ポータルサイト「住んでみんで徳島で!」
https://iju.pref.tokushima.lg.jp/

 

徳島県は四国の右側に位置し、日本百名山の一つである「剣山」や、人々の暮らしに大きな恵みをもたらしてきた日本三大暴れ川の一つである「四国三郎・吉野川」など自然の恵みを多く感じることができる地域です。
恵まれた自然環境による豊かな食、昔から続く伝統工芸などの文化活動も盛んです。
徳島県は全国的にもサテライトオフィス誘致に早くから取り組んできたことで、デュアルスクールや二拠点居住など、それぞれに合わせた暮らし方を選択するライフスタイルが定着しつつあります。
そんな徳島ならではの新しいライフスタイルが生まれる中で、移住希望者や地域の課題解決に取り組んでくれる人、いろんな思いでかかわってくれる人達がこれからも徳島に関わり続けてくれるように取り組みを続けていきます!

お問い合わせ:徳島県とくしまぐらし応援課 
088-621-2089 


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