【岡山県倉敷市】”デニム×文化”に触れる!「とりっぷ倉敷〜倉敷の暮らしをきりとろう〜」開催レポート!

#くらしきで暮らす

「晴れの国おかやま」を代表する観光地であり、瀬戸内の温暖な気候と穏やかな海、歴史・文化、人のあたたかさに恵まれた住環境から、移住先としても人気の倉敷市。そんな倉敷暮らしの豊かさを切り取る「とりっぷ倉敷」が、2025年2月14~16日に開催されました。

参加者は瀬戸内エリアへの移住や二拠点居住、ものづくりに関心を持つ10~40代の男女11名。“繊維のまち”として知られる倉敷市児島地区を中心に巡り、先輩移住者や地域活性化のキーパーソンたちと交流しました。

この記事では、3日間の旅を通して出会った倉敷の魅力的な人やもの、スポットをたっぷりとご紹介します!

\案内役はこの方/

山脇 耀平 さん(株式会社ITONAMI共同代表)

【プロフィール】兵庫県加古川市出身。大学在学中の2014年、実弟とともにオリジナルデニムブランド「EVERY DENIM(エブリデニム)」を創業。瀬戸内地域のデニム工場と直接連携し、オリジナル製品の企画販売をスタートする。2019年には倉敷市児島に初の拠点となる宿泊施設「DENIM HOSTEL float」をオープン。2020年、ブランドを「ITONAMI(イトナミ)」にリニューアルした。“デニム兄弟”の兄としても知られている。
参考記事:https://turns.jp/38348

 

【1日目】倉敷の地場産業の魅力を知る


倉敷市公式移住定住ポータルサイト「くらしきで暮らす」より

干拓地に花開いた繊維文化

今から400年ほど前まで、現在の倉敷市の平野部一帯には大小さまざまな島々が点在する一面の海が広がっていました。今回のツアーで巡る児島地区も元々は独立した島でしたが、江戸時代以降に大規模な干拓が行われたことで海は陸地へと姿を変え、本土と陸続きに。塩分濃度の高い干拓地は稲作に不向きであったことから塩に強い綿やイ草の栽培が始まり、次第に紡績、織布、縫製技術が発達して繊維産業へと発展。1965年には日本初となる国産ジーンズの生産をスタートさせ、“国産デニム発祥の地“として国内外に名を馳せるなど、独自の進化を遂げながら“繊維のまち”としての歴史を育んできました。

こうした歴史と文化は今に受け継がれており、児島は帆布や学生服、畳縁の生産量で国内シェアトップを走り続けています。

倉敷帆布(丸進工業)

その繊維のまち・児島を代表する企業の一つが、最初の目的地である
丸進工業株式会社/倉敷帆布株式会社』です。児島地区で1888年に創業して以来135年以上もの間、倉敷の繊維産業の歴史を紡いできた老舗企業で、現在では日本製帆布の約7割を生産しています。

この日は倉敷帆布の5代目として家業を継いだ武鑓悟志さんが、帆布工場と併設のショップを案内してくださいました。

武鑓さん「倉敷帆布の最大の特徴は、築90年以上の木造工場や1960年代製の旧式シャトル織機など、“古いもの”を職人さんとともに大切に受け継いでものづくりを行っていることです。旧式織機が帆布を織り上げるスピードは、現在主流となったシャトルレス織機の1/10ほど。さらに長年使い続ける中で一台一台に個性が生まれており、その日の気温や湿度などに合わせてミリ単位の繊細な調整も求められます。
古い織機だからこそ、作り手は日々メンテナンスをしながら指先の感覚や音などを駆使して織り上げる必要があり、こうして人の感覚が介在することで生地に宿るぬくもりが倉敷帆布らしさを生み出しています」


一本の糸を介して織機と対話するように作業する職人さん


細い糸を撚り合わせ帆布として織り上げるたび、伝統は紡がれていく


大正時代に建てられた土蔵を活かした「倉敷帆布 本店」。工場の斜向かいにあり、製品のほか色とりどりの帆布生地も購入できる

■丸進工業株式会社/倉敷帆布株式会社
所在地:〒710-0146岡山県倉敷市曽原439番地
HP:https://hampu-ya.com/index.html

WHOVAL

続いて向かったのは、デニムファクトリー「WHOVAL(フーヴァル)」。

2009年にデニムの洗い加工工場からスタートし、その後オリジナルブランド「BLUE SAKURA」や「T-ASSAC」を立ち上げるなど、事業領域を次々に拡大してきた新進気鋭のジーンズメーカーです。

参加者はWHOVALの石橋大輔さんの案内で加工工場を見学した後、デニムの表情を決めるダメージ、ペンキ、模様付け加工を体験しました。


作り手の思いに触れながら、「BLUE SAKURA」のデニムバッグを思い思いに加工していく参加者

石橋さん「デニム産業は、原料となる綿花の生産から生地加工に至るまで大量の水や薬剤、染料を使うため、環境負荷の大きい産業とされてきました。例えばジーンズ一本を製造するには約7500ℓの水が必要とされていて、これは大人一人の7年分の摂水量に相当します。

WHOVALでは”国産ジーンズ発祥の地『児島』から『世界へ』”を掲げ、デニム加工時に使用する水と薬剤の使用量を従来の最大70%ほど、電力使用量を50%削減するナノミスト加工を取り入れるなど、サステナブルなデニムで世界を目指しています」

加工体験を終えた参加者からは、「実際の製造現場で職人さんの熱量に触れたことで、より一層デニムを大切にしたいと思いました!」という声とともに、「“好き”を仕事に、誇りとこだわりを持ってものづくりに取り組んでいる職人さんたちの姿が眩しく見えました」という感想も聞かれ、担い手も含む児島の地場産業の魅力を体感できた様子でした。

■WHOVAL
住所:〒711-0906岡山県倉敷市児島下の町5-1-50
HP:https://whoval.com/about

DENIM HOSTEL float


floatから望む瀬戸内海

参加者を乗せたバスは、瀬戸内の海岸線に沿って続く国道430号線(王子マリンロード430)を走り、宿泊先の「DENIM HOSTEL float」へ。

floatは「ITONAMI」が経営する”泊まれるデニム屋”がコンセプトのホステル兼アパレルショップ。全部屋から瀬戸内海の絶景を一望できる抜群のロケーションとITONAMIならではのデニム愛溢れる滞在体験に、リピーターになる宿泊客も多い人気宿です。


ITONAMIでは、不要になったデニム製品を回収、解体、粉砕、反毛し、新たな製品を造るデニム再生プロジェクト「FUKKOKU」にも力を入れている

参加者はデニム解体作業を体験
デニム生地が折り重なったウエストベルトやポケット、金具などの取り外しには想像以上に力と根気が必要で、思いを持つ人の手でデニム再生が行われていることを実感できた

夜には先輩移住者の濱田大輝さんと和田みなみさんをゲストに招き、地産の食を囲む交流会を開催!

自宅から瀬戸内海を望む暮らしや“好き”を仕事にする生き方、共助の輪の中で生きる安心感など、ゲストが語る児島暮らしの豊かさに、参加者の移住意欲が高まっているようでした。


岡山県産の小麦粉を使った自家製ラザニアとフォカッチャ、
黒藪豚
くろやぶぶた
を用いたコロッケなど地産食材を堪能できる、float内のレストラン「pile」の絶品メニュー

■DENIM HOSTEL float
所在地:〒711-0905 岡山県倉敷市児島唐琴町1421-26
HP:https://www.denimhostelfloat.com/
SNS:https://www.instagram.com/denimhostelfloat/?hl=ja

 

【2日目】倉敷の歴史とデニム×文化を体感する

DENIM HOSTEL float

2日目は、floatでのインディゴ染め(藍染め)体験からスタート。

インディゴ染めとは、藍に含まれるインディカンという物質が空気に触れることで酸化しインディゴ色素となる性質を利用した染色法のこと。インディゴには抗菌・防虫効果があることから、鉱山労働者の作業着としてアメリカで誕生したジーンズの染料として広く親しまれてきました。

染色工程は主に①藍染め液につける②空気にさらす③染料を洗い流す④乾燥の4工程。floatでは事前予約制で①と②を体験することができます。



液につける→空気にさらす工程を繰り返して酸化させるたび、仕上がりの色は濃く深くなっていく

藍染め液につけた直後の生地は濃紺色ですが、その後の洗い流しと乾燥工程を経て“ジャパン・ブルー”と呼ばれる美しい藍色に染め上がります。

明日の仕上がりを楽しみに、晴天に恵まれた2日目も倉敷を巡る旅に出発です!

■服の染め直しサービス「fukuen」
https://ito-nami.com/products/fukuen

松井織物株式会社

倉敷の産業を語る上で、帆布やジーンズと共に欠かせないのが畳縁たたみべり。中でも児島地区は畳縁生産の全国シェア80%を占める一大産地で、その中核を担っているのが明治元年から150年続く老舗織元の「松井織物株式会社」です。

この日は7代目の松井克爾社長と8代目の松井敬祐さんが製造工場を案内してくださいました。


「松井織物株式会社」の松井克爾社長

松井さん「国内ハウスメーカーの新築住宅着工戸数は、人口減少やコスト高などを受けて減少傾向にあり、さらに新築住宅の中で畳がある家は全体の2割ほど。そのうちの2割には琉球畳などの畳縁のない畳が使われています。畳縁の需要が落ち込む中、松井織物では畳縁を使ったギターストラップやベルト、地元ジーンズメーカーとコラボしてジーンズの革パッチに代わる縁ネームを開発するなど、畳縁活用の新たな糸口を掴むべく挑戦を続けています」

「伝統を守り受け継ぐためには、絶えず挑戦し変化し続けなければならない」。

トップメーカーとしての誇りと覚悟がにじむ松井さんの言葉を受けて、目を惹く新製品の一つひとつに地場産業活性化への希望が込められていることを実感しました。

■松井織物株式会社
所在地:〒711-0904 岡山県倉敷市児島唐琴3丁目6−77
HP:https://www.herikoubou.co.jp

 

いしはるうどん

お昼時を迎えた一行は、地元に愛される名店「いしはるうどん」へ。

海老天や肉、揚げ、わかめなどが贅沢にトッピングされた、名物の「スペシャルうどん」をいただきました。


揚げたてホヤホヤの海老天は、出汁に浸すとパチパチッ!と音を立て食欲をそそる

■いしはるうどん
所在地:〒711-0904 岡山県倉敷市児島唐琴3-6-57

 

須浪亨商店

人気商品のい草のかごバッグ「いかご」や「びんかご」、鍋敷きなどが並ぶ、須浪亨商店の工房

児島で綿花と共に栽培が盛んだったのが、畳やござなどに用いられるい草です。1960 年代には国産い草のほとんどは岡山県産で、なかでも倉敷はい草の一大産地でした。「花ござ」も倉敷で生まれ、その後全国に広まったとされています。

1886年(明治19年)に児島で創業した「須浪亨商店」は、ござ製造の老舗商店。時代の流れの中で一時期は製造が途絶えましたが、須浪隆貴さんが5代目を継ぎ伝統を復活。祖母から受け継いだ織り機を使い、い草製品を現代の暮らしに寄り添うよう生まれ変わらせた生活道具で若い世代からも人気を集めています。


歴史が詰まった織機

この日は、い草の鍋敷き作りワークショップを開催!

参加者は全員初心者ながらも1時間程で鍋敷きを編み上げることができ、地域伝統の手仕事をより身近に感じることできたようでした。

■須浪亨商店
HP:https://maruhyaku-design.com

 

とおる民藝店/倉敷美観地区

風土が育む手仕事の魅力に触れた参加者は、倉敷を代表する観光地・美観地区へ。

美観地区は白壁の蔵や町屋が続く景観の美しさで広く知られていますが、実は日本で東京に次いで2番目に民藝館「倉敷民藝館」が建てられるなど、民藝への造詣が深いまち。これは倉敷発展の礎を築いた実業家・大原孫三郎さんが民藝運動や民藝品の作り手を積極的に支援したことに由来し、こうした歴史を背景に美観地区には今も民藝品を扱う老舗商店やギャラリー、美術館などが点在しています。

参加者は古き良き街並みを巡る自由散策を楽しんだ後、1971年(昭和46年)から続く「融民藝店」を訪ねました。

江戸時代に建てられた町屋を活かした店内には、店主が全国の作り手のもとを訪ねて集めた器やグラス、手織りの織物などが所狭しと並ぶ

融民藝店は初代店主である小林融子さんが、「倉敷民芸館」の初代館長・外村吉之介さんによる支援を受けて開いた老舗民藝店。半世紀もの間営業を続けてきましたが高齢のため2022年に引退され、山本尚意さんが2代目として後を継ぎました。

山本さん「商品のセレクト基準は、先代が大切にしていた“日々使う日用品として親しみやすいもの”であること。実際に作り手のもとを訪ね、手にした時に丈夫さや安定感を感じられる重みや厚みがあり、かつ毎日使いたくなるような実用性を兼ね備えた品をそろえています」

「健康で、無駄がなく、真面目で、威張らない」。
外村吉之介さんが説いた民藝の精神は、初代店主から2代目へと受け継がれ、新たな歴史を刻み始めていました。

■融民藝店
所在地:〒710-0055 岡山県倉敷市阿知2-25-48
HP:https://toworu-mingei.studio.site
Instagram:https://www.instagram.com/toworu_mingei

 

DENIM HOSTEL float


岡山の地魚・ヒラやガラエビ、たこ飯など、地のものがそろう特製プレート

夜には先輩移住者の長野美鳳さんと、菅野亮さんを囲む交流会を開催!

参加者からは倉敷市の移住支援・補助金制度、移住に向けて準備すべきことなど、初日よりも具体的な質問が出ていました。移住後の仕事・物件の探し方については菅野さんが「どちらも人と人とのつながりの中で紹介してもらうことが多く、都会のように求人票や物件情報という形で表に出ないことも多いです。地域のお祭り、消防団や町内会、商工会などに積極的に参加し、地元の人たちと交流する中で少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です」と答えていました。

■倉敷市公式移住定住ポータルサイト「くらしきで暮らす」
https://iju-kurashiki-gurashi.jp/

 

【3日目】地域活性化のアイデアを出す


インディゴ染めの思い出と美しいジャパン・ブルーの色合いに愛着が湧く

産業・文化を切り口に倉敷の魅力を深掘りしてきた「とりっぷ倉敷」もいよいよ最終日。
2日目のインディゴ染め体験で染めた衣服を受け取った参加者からは、「お気に入りの服に倉敷で染めたという新しい思い出が加わり、より愛着の湧く一着になりました。これからも永く大切に身に着けていきたいです」という感想が聞かれました。

朝焼けに染まる瀬戸内海を眺めたり海岸沿いを散歩したり、floatで思い思いの時間を満喫した参加者を乗せ、バスは児島地区の中心部へと向かいます。

野﨑家塩業歴史館

児島の誇りとして今なお語り継がれる「児島三白」。これは、地域を代表する産業である「塩(塩業)・綿(繊維業)・いかなご(漁業)」の3つの白の総称です。

そのうちの一つである塩業で大成し、児島の発展に大きく寄与したのが野﨑武左衛門さん(1789~1864年)。野﨑さんは、晴天日数が多く朝夕の干満差が大きい児島の地域性を活かし、生涯をかけて161haに及ぶ大規模な入浜式塩田を築造。江戸時代後期から製塩業と新田開発で財を成し、塩田王と称されました。1833年(天保4年)から1852年(嘉永5年)にかけて建造された旧野﨑家の大屋敷は国の重要文化財に指定され、現在は「野崎家塩業歴史館」として一般公開されています。


長屋門を抜けた先に連なる土蔵群


主屋には9つもの座敷が23間(42m)にわたって続く。この日は、野﨑家に伝わる立派なお雛様が迎えてくれた

約3000坪もの敷地内には、主屋を中心に客人をもてなした表書院や茶室、6棟もの土蔵が軒を連ねており、当時の繁栄ぶりが伺えました。

■野崎家塩業歴史館
住所:〒711-0913岡山県倉敷市児島味野1丁目11-19
HP:https://www.nozakike.or.jp

 

サンレモン

大きなレモンのオブジェが目を惹くサンレモン

お昼に訪ねたのは、野崎家塩業歴史館から徒歩6分ほどのところにある「サンレモン」。1970年のオープン以来50年以上もの間、地元住民や「児島ジーンズストリート」を訪れる観光客らに愛されてきた喫茶店です。近年は昭和の香り漂うレトロな雰囲気が“エモい”とSNS等で注目を集め、10~20代の若い世代の来店も増えています。


ぽってりとしたランプの先に水のカーテンが揺れる居心地の良い店内

参加者は、イタリアンスパゲティ+カツカレーが味わえるトルコランチや、ハンバーグ+エビフライのAランチを楽しみました

■サンレモン
住所:〒711-0911 岡山県倉敷市児島小川5丁目1−1
Instagram:https://www.instagram.com/sunlemon1970

DENIM HOUSE BON

お腹を満たした一行は、「児島ジーンズストリート」から徒歩10分程の閑静な住宅街に佇む「DENIM HOUSE BON」へ。

ここは「ITONAMI」が “泊まれるデニム屋”の2号店として2024年3月1日にオープンした一棟貸しの宿泊施設&ショールーム。築90年以上の古民家をリノベーションして造られており、「須浪亨商店」のすだれが静かに揺れる門の先には手入れの行き届いた庭や土間、縁側が織り成す和モダンな空間が広がっています。客室は最大2名が宿泊できる「EN」と4名定員タイプの「YO」の 2部屋。親子3代の旅行や企業研修、ゼミ合宿など、仲間と共に食卓を囲み語り合うシーンを想定して設計されています。


建物自体が持つ歴史や趣を受け継ぎ伝えていきたいと、もともと使われていた梁や柱をそのまま活かしてリノベーションされている


各部屋をゆるやかにつなぐ大きな土間やダイニングの円卓に、「大切な仲間とゆったり語り合えるように」という心づかいが感じられる

併設の蔵にはITONAMIのショールーム&ギャラリーが設けられており、デニム製品に込められた作り手の想いと誇りに触れることができる

この日は、今年3月にジーンズストリートにコーヒースタンド「calma coffee roasters」をオープン予定の濱田大輝さんが、自家焙煎の豆を使った淹れたてコーヒーを振舞ってくださいました。


参加者にコーヒーを振舞う濱田さん

濱田さんは大阪府からの移住者。コーヒー修行中に「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を抱き、全国を旅していた時にfloatと出会ったことが児島との縁を紡いだのだそうです。

濱田さん「一人で何もできずにいた自分が夢に向かって歩み出せたのは、児島に移住し山脇さんをはじめとするたくさんの人たちと出会い、良い刺激を受けたからです。次は僕がコーヒースタンドを通して人と人をつなぎ、新しいことに挑戦する人を応援することで地域に恩返しをしていきたいです」

■DENIM HOUSE BON
住所:〒711-0911 岡山県倉敷市児島小川4丁目7−6(JR児島駅から徒歩20分)
HP:https://www.denimhousebon.com

 

鷲羽山展望台「鷲羽山レストハウス」


各階から望む瀬戸内の絶景と瀬戸大橋のロケーション、座席合計420席もの広さに伸びしろが感じられる

最後に訪ねたのは、瀬戸内海の多島美と瀬戸大橋を間近に望む「鷲羽山レストハウス」。児島半島の南西端にそびえる「鷲羽山」の山頂近くに佇む公設民営施設で、4階建ての館内には土産物店や喫茶店、地のものを味わえるレストラン、休憩スペースなどがそろっています。

現在は主に観光客向けの休憩施設として利用されていますが、次年度以降は山脇さんや菅野さんをはじめとする児島のキーパーソンたちが新たに指定管理事業者となり、地域活性化に向けた拠点施設としてリニューアルしていく計画なのだそうです。

■鷲羽山レストハウス
住所:〒711-0925 岡山県倉敷市下津井田之浦1-1鷲羽山展望台
HP:https://washu-ocean-hotel.fjdo.co.jp/resthouse

ここでは、今回のツアーを通して参加者それぞれが切り取った倉敷の魅力をヒントに、3日目に訪ねた「DENIM HOUSE BON」「サンレモン」「鷲羽山レストハウス」のより良い活用方法を考えるブレストワークショップを開催。参加者同士のディスカッションからは、倉敷の新たな未来を拓くアイデアが次々と生まれました。

<サンレモン>
・レトロ感を活かしたオリジナルの雑貨類(ポストカードやマスキングテープなど)を制作・販売し、PRにつなげる。
・InstagramやTikTokなどでメニューのレシピを公開。内観・外観の魅力とあわせて訴求することで新たなファン層を獲得する。
・テラス席を造り、若者や一見さんも気軽に入店できるようにする。

<DENIM HOUSE BON>
・敷地内にある茶室を活かしてお茶会を開くなど、地域内外の人や20~30代の若者が気軽に集まれるイベントを開催する。
・希望者が間借りでショップを開けるようにする。
・SNSでルームツアーを行い、古民家リノベーションのモデルルームとしても活用する。
・“古き良き”を大切にする感性と実家に帰ってきたかのようなぬくもり・安心感を大切にする。

<鷲羽山レストハウス>
・いぐさや藍染め、帆布など、地場産業の魅力に触れられるものづくり体験ワークショップを開催する。
・足湯やほったらかし温泉、サウナなどが楽しめる温浴施設を造る。
・天体望遠鏡を設置し、星空観察会などの交流イベントを開催する。
・窓際に机を設置し、ワーケーションスポットとしても活用できるようにする。
・4階はおしゃれなカフェ、3階は大切なシーンに利用できるダイニング、2階には結婚式や披露宴会場を設けるなどし、「3回来たくなる恋人たちの聖地」にする。
・窓際席でアフタヌーンティーを提供する。
・駅から途中立ち寄りありの送迎プランをつくる。

ツアーの感想
参加者からは、リアルな地域体験を通して倉敷の魅力に触れる「とりっぷ倉敷」ならではの感想が聞かれました。
・「倉敷市=観光地というイメージが強かったのですが、今回のツアーで地元の方や実際に移住された方々のリアルな話を聞くことができ、移住先としても魅力的な地域だと感じました。瀬戸内の凪海の美しさや職人さんたちが帆布を織る音、いぐさの香りなど、五感を使って地域性を体感できたのも良かったです」

・「地域に根付く歴史や文化、産業、古いものを大切に守り受け継ぎつつ、新しいものを柔軟に取り入れているところが素敵な地域だと思いました。倉敷に住みたいという気持ちがより増した3日間でした」

・「真摯にものづくりに向き合う作り手たちと接する中で、もっと自分なりのこだわりをもって丁寧にものを選び、永く大切にしたいと思うようになりました。心に触れるものがたくさんある地域だったので、まずは二拠点居住から始めてみようと思います」

・「ツアーで出会った方々が、行政に頼りきるのではなく民間の力で地域を盛り上げようとしている姿に感銘を受けました。まちづくりに取り組む人同士が緩やかにつながり支え合うコミュニティの強さがありながら、新しく地域に関わりたいという人を快く受け入れる余白もある地域だと感じたので、今後も倉敷に通い自分らしい関わり方を探していきたいです」

穏やかな瀬戸内海を望む住環境や手仕事が息づく古き良き街並み、自然災害の少なさなど、倉敷が移住先として人気を集める理由は多々ありますが、今回の「とりっぷ倉敷」では、“古いもの”や地域の歴史を大切に受け継ぐ風土や、文化・産業の担い手が想いと誇りを持って活躍する姿など、倉敷の新しい魅力を切り取ることができました。

あなたも、倉敷の新しい魅力を発見する旅に出かけてみませんか?


\倉敷市に移住したい方へ/

■移住・定住に関する情報を発信中!
倉敷暮らしの魅力や移住・定住に関する最新情報、補助金・支援制度、先輩移住者への取材記事などをWEB・SNSで発信しています!
HP:移住定住ポータルサイト「くらしきで暮らす」
Instagram:@kurashiki_de_kurasu #くらしきで暮らす

■オンライン移住相談会
「Zoom」を利用したオンライン相談を実施しています。倉敷市の担当者以外にも、市内企業への就労をサポートする「くらしき移住就労サポートデスク」にも同時に相談できます。
詳細・お申込み:https://www.city.kurashiki.okayama.jp/ijumadoguti/

■お試し住宅
移住希望者を対象に、倉敷暮らしを気軽に体感できるお試し住宅を整備しています。家具家電完備でいずれも1室1泊あたり 2,000円(税込)で利用できますので、ぜひご活用ください!

・お試し住宅(岡山県倉敷市玉島1962-11 倉敷ライフ・キャンパス内 (6室))
HP:https://iju-kurashiki-gurashi.jp/support-info/trial-housing

・せとうち古民家お試し住宅(〒711−0927 岡山県倉敷市下津井1-8-6)
HP:https://setouchi-trial-stay.jp

                   

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