【レポート】ITの力で、地域の可能性を広げよう!講演会 in新潟県小千谷市

ITの力で、地域の可能性を広げる。外部人材と巡った小千谷市で見つけた、地域づくりのヒント

新潟県小千谷市では、地域の外から新しい視点や知見を取り入れ、これからの地域づくりについて考える「外部人材活用セミナー」を開催しました。

第2回となる今回のテーマは、「IT×地域」。

講師として小千谷市を訪れたのは、テレプレゼンスシステム「窓」を通じて、距離を超えたコミュニケーションの可能性を追求するMUSVI株式会社 代表取締役/Founder & CEOの 阪井 祐介 さんと、地域に寄り添ったICT活用や人材育成に取り組む株式会社エー・アール・シー取締役、株式会社イトナブ取締役の 尾崎 健一 さん。

今回は講演だけでなく、前日からお二人とともに小千谷市内を巡るフィールドワークも実施しました。

外部人材と地域の人たちが一緒になって、小千谷の新しい可能性を探った2日間をレポートします!

 

【DAY1】まずは、小千谷というまちを知る

初日は、小千谷市内を巡るフィールドワークからスタート。

ひと・まち・文化共創拠点「ホントカ。」や「テレワークステーションおぢや」をはじめ、山本山のひまわり畑、「おぢやクラインガルテンふれあいの里」「小千谷信濃川水力発電館」「小千谷市総合産業会館 サンプラザ」「錦鯉の里」、スポーツコミュニティプレイス「ソコラテ」など、市内各所を巡りました。


▲テレワークステーションおぢやを見学。施設の取り組みについて話を聞きながら、小千谷での新しい働き方や人の交流について理解を深めました。


▲一面にひまわりが咲き誇る山本山へ。思わずひまわりの中に入って記念撮影!圧巻のひまわりに感動です!


▲「おぢゃ~る」内にある小千谷信濃川水力発電館を見学。展示を通して、信濃川の豊かな水資源と地域を支える水力発電について学びました。

まちなかの交流拠点から豊かな自然、エネルギー、地域産業、小千谷を代表する錦鯉まで。実際に歩いてみると、地域にはさまざまな表情があることに気づかされます。

地域の課題について考える前に、まずは地域を歩き、知り、好きになる。そんな時間も、外部人材が地域に関わる大切な一歩です。

 

【DAY2】「IT×地域」をテーマにした講演会

DXの目的は、「人にゆとりをつくる」こと

2日目は小千谷市役所にて、「IT×地域」をテーマにした講演会を開催しました。

まず登壇した尾崎さんが投げかけたのは、「そもそも、なぜデジタルを活用するのか?」という問いです。

尾崎さんが考えるDXの本質は、単なるコスト削減や人員削減ではありません。

「職員の時間と心に、ゆとりをつくること」。

行政の現場には、紙の照合やデータ入力など、まだまだ多くの手作業があります。それらをデジタルによって少しずつ減らすことで、市民と向き合ったり、新しいことを考えたりする時間を生み出す。それこそがDXの目的だと話します。

そして、そのスタート地点になるのが、「現場のお困りごと」です。

講演では参加者自身が、日々の業務で感じている「モヤモヤ」や「困りごと」を書き出すワークも行われました。

「困りごと」から始まったDXというテーマでは、宮崎県新富町での取り組みが具体例として紹介されました。

最初に行ったのは、現場が抱えている「困りごと」の可視化。そこで116件もの課題を洗い出し、一つずつ改善していきました。

高齢者福祉給付金の案内や税務課のデータ集計、水道課のデータチェック、予約受付など、身近な業務からデジタル化を進めたことで、職員にも「こんなこともできるのでは?」という新しいアイデアが生まれていったといいます。

そして、外部人材もシステムをつくって終わる「業者」ではなく、地域と一緒に課題を考える「伴走者・翻訳者」であることが重要だと語りました。

 

 距離を超えて、人と人をつなぐ「窓」

続いて登壇した阪井さんの講演は、参加者同士で「24時間以内にあった最高の出来事」を話すワークから始まりました。

阪井さん自身が挙げたのは、前日の小千谷巡りでの出会い。錦鯉について話を聞いたことから、かつて祖父が錦鯉を飼っていた記憶が蘇ったといいます。

阪井さんが大切にしているのは、ただ言葉や情報をやり取りするだけではなく、相手のことを知り、互いの存在を身近に感じられるコミュニケーションです。
離れた場所にいる人同士でも、そんなつながりを生み出したい——。その思いから生まれたのが、阪井さんが手掛けるテレプレゼンスシステム「窓」なのです。

「窓」が目指すのは、単に遠隔で会話することではなく、「離れていても、同じ空間にいるような感覚」を生み出すこと。「窓」は、建設、医療、教育、介護などさまざまな分野で導入され、距離によって生まれる壁を越え、人と人のつながりをつくっています。

講演を聞いた参加者からは、「山本山のひまわり畑に『窓』を置いて、渋谷のオフィスとつないだら観光PRになるのでは?」という、小千谷ならではのアイデアも飛び出しました。

それに対して阪井さんは、満開のひまわりを見せるだけではなく、種を植えるところから「窓」をつないでみることを提案。

きれいな景色だけではなく、そこに至るまでの過程や、関わる人の想いまで届けることで、地域の魅力をより深く伝えられるのではないかと話しました。

前日に実際に小千谷を巡ったからこそ生まれた、地域とテクノロジーを掛け合わせたアイデアでした。

 

外部人材と一緒だからこそ、見えてくる地域の可能性

今回の2日間を通して印象的だったのは、尾崎さんも阪井さんも、ITやデジタルを「答え」として地域に持ち込んでいるわけではないことでした。

尾崎さんは、現場の「困りごと」から始める。

阪井さんは、人と人との「関係性」から始める。

アプローチは違っても、共通しているのは、テクノロジーの前に「人」を見ることです。

地域を歩き、人と出会い、地域のことを知る。そこに外部人材の専門性や新しい視点が掛け合わされることで、「こんなことができるかもしれない」というアイデアが生まれていく。

 

小千谷での2日間は、外部人材と地域が一緒に考えることから始まる、新しい地域づくりの可能性を感じる時間となりました。

人気記事

新着記事