インフルエンサー もなみんが体験
千葉県香取地域で二地域居住生活【後編】

都会での生活とは異なる田舎暮らしを体験したい、子どもを自然の中で遊ばせたいという都市生活者のニーズが高まっています。千葉県の北東部、香取地域は東京から1時間半ほどの距離にある、自然・歴史・文化に彩られた地域です。今回、フォトグラファーでインフルエンサーのもなみんさんが、この地で二拠点生活を体験しました。

もなみんさんは、地元の人に愛されるスポットを巡りながら地域とのつながりを深め、そこに暮らす気分を味わいました。訪れたのは冬の12月でしたが、心温まる地元の人々や移住者との触れ合いを通して、香取地域の魅力を満喫しました。

その様子を【前編】に引き続きお伝えします。

*前編を読む

 

町人が文化を継ぐ町、佐原

香取市佐原には、歴史的建築物を活用した宿泊施設「佐原商家町ホテル NIPPONIA」があります。一棟貸しの古民家やレンガ倉庫を再生したホテルなど、全国にさまざまなスタイルの宿泊施設を展開しているNIPPONIAですが、佐原にあるのは川沿いの商家町に溶けこむ分散型ホテル。大切な人と一緒に歴史に浸るもよし、非日常空間でテレワークに勤しむもよし。それぞれのニーズに合わせた楽しみかたができます。

支配人を務めるのは、京都府出身の西村龍羽さん。就職を機に香取市に移住した西村さんは、佐原の魅力を“町の人たちの力”だと語ります。

「この町は、江戸時代の頃から商人たちによって支えられてきました。その歴史は、今も佐原の人たちの心に息づいていて、自分たちの力で町を作り守っていくという強い意志を持っています。夏と秋に開催される「佐原の大祭」は、町の人の団結力を感じられるイベントのひとつ。この地域で生まれ育った人たちは、学業や就職の関係で地元を離れていても、お祭りのためにわざわざ帰ってくるんです」

休みを取ってお祭りのために帰省するのだとか。いかに自分たちの地域に誇りを持っているのか、垣間見えるお話でした。

<佐原商家町ホテル NIPPONIA >
住所:〒287-0003 千葉県香取市佐原イ1708-2
HP:https://www.nipponia-sawara.jp/

 

ちょっとした夢が叶う「トゥーノーイシデショウ」

廃校となった石出小学校を活用した「トゥーノーイシデショウ」は、いろいろな人のちょっとした夢が叶う、「やってみたい!」を見つけ、「やってみた!」にトライする場所。

雑貨や地域の産品も買えるカフェ「キッサテンホケンシツ」では、地域の人が日替わりでお店の店主に。バナナジュースやタコライス、どらやきパンケーキなどを味わうことができます。

そのほかにも、フリースクールとして活用している教室があったり、大人も子どもも集中できるコワーキングスペースがあったり。

なかでも、元家庭科室を利用した2階の『リョウリタベル』は、自然と人が集う憩いの場。調理スペースはもちろん、コーヒーメーカーやホットプレート、サムギョプサル用の鉄板まで、あらゆる調理器具も揃っています。

「トゥーノーイシデショウ」に訪れた人は、ここで運営チームと食事を重ねるうちに居心地がよくなってこの町に居着いてしまうのだとか。会話が弾む中で、町の普段の生活が垣間見える等身大トークも多分にあり、有意義な時間を過ごすことができました。

<トゥーノーイシデショウ>
住所:〒289-0612 千葉県香取郡東庄町石出1599
HP:https://hatarakiba.toknow.jp/

 

多古町には、移住者の居場所がある

どの土地に移住しても困ってしまうのが、どうやって地域のコミュニティに馴染んでいくか、そのきっかけをどう得るのかということ。そんな悩みを解決すべく、多古町で立ち上がったのがインターネットラジオ局の「たこみんFM」です。発起人の鳴滝真吾さんも2022年9月に多古町に移住してきたばかり。子育て支援の手厚さが決め手となり多古町にやってきた鳴滝さんに多古町での生活を尋ねると、「幸せです」と即答し、次のように話してくれました。

「多古町には居場所があると思っています。引っ越してきた人たちが活躍できる隙間があり、町の人たちにもすんなり受け入れてくれる空気感がある。移住して半年も経っていない人が、ラジオ局を立ち上げられる町ってすごいじゃないですか。そういう意味で、すごく幸せを感じやすい町だと思うんですよね」

そう話す表情は、想像していなかった未来を生きているワクワク感でキラキラと輝いています。叶えたい目標がある人にとって、多古町が持っている余白は夢を追求するためのフィールドなるのではないでしょうか。

<たこみんFM>
HP:https://tacomin.com/

 

「TACOGRAMP」は、楽しみ方が無限大!

「トゥーノーイシデショウ」と同じく廃校活用施設である「TACO GRAMP」は、カラフルな色使いが特徴的なグランピングリゾートです。元小学校ならではの体育館やプール、日々の疲れを吹き飛ばしてくれるバレルサウナやカラオケルームなど楽しみかたは無限大。

全体的にメキシカンな雰囲気になっており、訪れるだけで思わず気分があがってしまうTACO GRAMP。屋外だけでなく、屋内アクティビティも充実しています。オリジナルハーバリウムを作ったり、ピザを焼いたり、コミックルームでゴロゴロしたり。室内でもBBQができるので、雨の日でも安心です。

とはいえ、星空の下で煌々と燃えるキャンプファイヤーも外せません。暗闇のなかで勇ましくも繊細に揺れる炎は幻想的で、日々の疲れを溶かしてくれるよう。クリスタルナイトバーではスモアセットも販売しているので、ぜひ熱々トロトロのスモアにも癒されてください。

<TACO GRAMP>
住所:〒289-2325 千葉県香取郡多古町南玉造162
HP:https://www.tacoglamp.com/

 

人と環境が心を潤す、もっこり農園

直売所といえば地元の人しか知らないニッチな場所のイメージがありますが、なんと多古町には県内外を問わず多くのファンを抱える無人直売所があるのです。それこそ、ポップな飾りつけが目を引く「もっこり農園」。信じられないお手頃価格で、新鮮な野菜を手に入れることができます。

多古町出身で、この農園の主である菅澤たかおさんは、「もっこり園長」と呼ばれ、たくさんの人に親しまれています。温かく人情深い菅澤さんの人柄に魅せられ、もっこり農園を訪れる人も後を絶ちません。定期的に行われている交流イベント「MOCOFES」には、多古町だけでなく遠方からも人々が集い、それぞれの息苦しさを解放していると菅澤さんは語ります。

「もっこり農園の肩書きは“心のえき”なんです。誰かのためになる益でありながら、心の出発地点かつ執着地点。ハートをリサイクルする場所であり続けたいと思っています。“もっこりでにっこり”がキャッチフレーズですから」

穏やかでありながらウィットに展開される菅原さんのトークには、自分の身を委ねたくなるような安心感がありました。

もっこり農園>
住所:〒289-2231 千葉県香取郡多古町飯笹797

 

ソトモノからの刺激を待っている

お腹が満たされるだけでなく、夢も広がっていくラーメン屋『みんなのらぁめんBAMBU』。生産者が見える地元の食材にこだわり、作り上げられるラーメンには愛情がたっぷりです。

看板メニューは、名産品の多古米でとろみをつけた多古米白湯ラーメン。旨味が濃縮されたマーガレットポークの出汁に溶け合う、多古米と豆乳がたまりません。その味わいはまさに至福の一言。

そんなラーメンを手掛けているのが、Uターンで地元に帰ってきた佐藤さんご夫妻。多古町以外の町にも住んだ経験があるからこその視点で「多古町には、ソトモノに引っ張ってほしいと思っている人がたくさんいる」と語ります。

「多古町の人が移住者に対して包容力があるのは、刺激を欲しがっているからだと思うんです。町の外から来た人に、いろんなことを教えてもらいたいというか。ずっとその町に住んでいると、変わりたいと思っていても体裁を気にして動きづらかったりしますから。自分で声をあげられないからこそ、町の外から来た人に引っ張っていってほしいと思っています」

実際に「たこみんFM」の鳴滝さんがやって来てから、多古町の空気はどんどん変わっていったとのこと。多古町は挑戦したい誰かのために、腕を大きく広げて待ってくれているのかもしれません。

<みんなのらぁめんBAMBU >
住所:〒289-2241 千葉県香取郡多古町染井3893-1

 

「自然や歴史を感じ、地元の人たちとの交流を通して、千葉の日常に隠された魅力を発見することができました」ともなみんさん。香取エリアで過ごした数日間は、もなみんさんの心に新たな印象を刻むだけでなく、二拠点生活という新たな生き方の可能性を具体的に感じさせる貴重な体験となりました。

\マンガで二拠点生活の様子をチェック!/

今回の二拠点生活の様子が、マンガになりました。TURNSのInstagramで公開中!

併せてお楽しみください。

文:坂井 彩花 写真:もなみん


千葉県移住・二地域居住ポータルサイト「ちばらしい暮らし」

https://life-style.chiba.jp/

県と市町村の特徴や移住関連情報をまとめてお届けするポータルサイトです。
ライフスタイルや生活環境、各種支援制度などから希望に合った地域を検索できます。
あなたの「ちばらしい暮らし」を探してみてください。

                   

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