群馬県初の農村RMOとして2025年に始動した「安中秋間地域RMO推進協議会」。その舞台である群馬県安中市では現在、秋間地区で活動する同協議会を拠点に農業を含めた地域の維持に取り組む地域おこし協力隊を募集中だ。
全国2位の梅生産量を誇る群馬県において、重要産地である秋間梅林を擁する秋間地区は、梅生産と地域の暮らしが密接に結びついているエリア。まだ全国的に珍しい農村RMOの一員となり、地域の課題や組織づくりに主体的に関われることが、この任務の醍醐味のひとつといえる。
農村RMOとは
農村型地域運営組織。農林水産省が2022年から本格的に推進しているRMO(地域運営組織/Regional Management Organization)の農業版。農村地域の農家や住民、自治会、NPO、企業等が連携して結成され、農用地保全や遊休農地の活用など地域の農業を守るだけでなく、農業を含めた地域そのものを維持することを目的としている。複数の集落が連携し、機能を補完し合うことも特徴のひとつ。現在、全国に100近い組織があり、「安中秋間地域RMO推進協議会」は群馬県初の農村RMOである。
\応募前に、まずはここから/
「おためし地域おこし協力隊」で地域での仕事と暮らしを体験
地域おこし協力隊に興味があっても、実際に地域に入ってみないと分からないことは多い。
「地域でどんな活動ができるの?」
「地域の人とうまく関係を築ける?」
「3年間で自分は何を実現できる?」
そんな疑問や不安を応募前に解消できるのが、令和9年1月7日(木)〜9日(土)に開催される「おためし地域おこし協力隊」だ。
◆体験できること
✅現役隊員4名との交流
✅実際に活動する現地への訪問
✅地域のキーパーソンとの対話
✅市役所の担当職員や現役隊員、OG/OBとの懇親会
✅協力隊として過ごす3年間を具体的に描く「ロードマップ作成」
募集要項を読むだけでは分からない、実際の活動や地域の雰囲気、暮らしのこと。そして、自分の経験や得意なことを地域でどう生かし、任期後の仕事や暮らしへどうつなげていくのか。現地を訪れ、地域の人や現役隊員と話すことで、少しずつイメージが見えてくるはずだ。
地域おこし協力隊を考えるなら、「おためし地域おこし協力隊」から始めてみてはいかがだろうか。

群馬県安中市ってどんなところ?
群馬県南西部に位置する人口約5万3千人のまち。古くは中山道の交通の要所として栄え、現在も上信越自動車道のICや北陸新幹線の「安中榛名」駅があるなど、関東や北陸などへのアクセスに恵まれている。主要産業は工業や農業で、秋間梅林を擁する県内屈指の梅産地としても知られる。
本記事で取り上げる秋間地区は、市北部の西上秋間、東上秋間、中秋間、下秋間、秋間みのりが丘の5区からなる、人口2千9百人ほどの山間地域。「安中秋間地域RMO推進協議会」は西上秋間の「秋間梅林里山を守る会」と秋間みのりが丘の「いきまち倶楽部」を中心に結成された。
ミッション・活動内容は……
ミッションは、地域の人と信頼関係を築き、農地だけでなく地域の未来を支える新たな仕組みを育てていくこと。その3年間の活動イメージを紹介する。
1年目:知る・つながる。
地域の農地を知り、地域住民との信頼関係を築く
主な活動について
◼️農地・梅園・耕作放棄地の現地調査
◼️地域農家への訪問・ヒアリング
◼️草刈り・剪定・農作業の補助
◼️地域の行事や共同作業への参加
◼️SNSで活動発信
着任後は、まず安中市の農業の現状を知ることからスタート!
市内の農業関係団体を訪問し、地域の魅力や課題を学びます。
秋間地域を中心に、農用地保全活動にも実際に取り組み始めます。
2年目:動かす・仕組みをつくる。
農地保全の新しい仕組みづくりに挑戦!
主な活動について
◼️草刈り支援制度の企画
◼️農地管理ボランティアの検討
◼️農作業体験イベントの企画運営
◼️梅のオーナー制度の検討
◼️農地マッチングイベント企画
1年目で得た知識と信頼関係をもとに、活動の幅を広げていきます。
イベント企画や仕組みづくりの検討など“形にする”挑戦の年です。
3年目:つなぐ・地域に残す。
持続可能な農地保全の仕組みを地域へ引き継ぐ。
主な活動について
◼️農地保全組織の運営検討
◼️ボランティア育成
◼️地域住民との意見交換
◼️農地管理計画の作成
◼️活動マニュアル整備
◼️協力隊卒業後の事業づくり
3年目は、これまでの活動の集大成!
これまでの活動をもとに、地域の農業の魅力を発信し、実際のイベントや体験を通じて市内外の人に届けていく年です。
あなたの活動を地域の未来につなげていきます。
【Interview】農地を守る、その先にある地域づくり
今回、同協議会の鈴木義典会長と事務局長の黛若葉さんにインタビューを実施。どんな活動に取り組み、地域の人々とどう関わっていくのか、2人に話を聞いた。

安中秋間地域RMO推進協議会・会長
鈴木義典さん
青森県生まれ。消防隊員として東京や青森で長年勤めた後、2011年に定年退職。同年6月、川崎市に住む娘夫婦の勧めもあり、当時住んでいた青森県野辺地町から安中市に移る。安中市区長会で秋間地区代表区長を務めるほか、草刈りボランティア団体を前身として2020年に発足した「いきまち倶楽部」で活動し、地域の環境美化活動などに取り組んできた。昨年の本協議会設立に伴い、会長に就任。
安中秋間地域RMO推進協議会・事務局長
黛 若葉さん
群馬県高崎市生まれ。前橋市で広告代理店や国立の青少年教育施設などに勤めた後、地域おこし協力隊として安中市に移住。受け入れ先の秋間梅林観光協会で梅の栽培や観光誘致に携わる。3年間の任期後も秋間梅林で無農薬・化学肥料不使用の梅づくりに関わり、梅林を活用した体験の場を地域内外の人に提供している。同じ市内に住む双子の姉・青葉さんと「結び葉合同会社」を立ち上げ、梅を使用した食品の製造販売にも取り組む。安中市集落支援員としても活動。
秋間地区の2区が、県内初の農村RMOを結成
――安中秋間地域RMO推進協議会(以下、秋間RMO)では現在、どのような取り組みを行っているのでしょう?
黛さん 現在、3年間の活動期間の2年目に入っています。1年目は活動の許可が下りたのが秋だったことに加え、年末年始や秋間梅林祭の繁忙期を挟んだため、構成団体の間でビジョンを共有するところまでが中心でした。
一方、2年目からは活動を本格化し、7月には初の大きな取り組みとして「あきまよもやま」という会を開催しました。これは事前に行ったアンケートの結果をもとに、隣り合う地区でも意外と知らない地域課題について話し合うイベントです。西上秋間とみのりが丘だけでなく、秋間地区全体から参加者を募ったことで、さまざまな声を聞くことができました。例えば新興住宅地だと思っていたみのりが丘でも高齢化の課題が増えていることや、市街地寄りの下秋間で空き巣が増えていることなど、私自身も初めて知ることがたくさんありました。
また、地区内にスーパーやコンビニがないという声を受けて、7月からは月に一度「あきまの朝市」も始めました。9月には地元郵便局の方とともに「終活セミナー」の開催も予定しています。

安中市地域おこし協力隊では、これまで11名の隊員が活躍。今回インタビューした黛さんも協力隊OGの一人だ。
――秋間RMOは、秋間梅林のある西上秋間と、「安中榛名」駅がある新興住宅地の秋間みのりが丘(以下、みのりが丘)で活動する2つのボランティア団体を中心に結成されたと伺いました。隣接する2地区が協力することで実現できたことや、地域に変化を感じることはありますか?
黛さん これまではそれぞれの地域で取り組んでいたことが、少しずつ地区の垣根を越えて広がってきたと感じています。
鈴木さん 例えば、今年はこれまで30回続いてきた「秋間納涼祭」が中止になってしまいましたが、それだと子どもたちの楽しみが消えてしまうからと、「これまでみのりが丘だけで行ってきた秋のハロウィンを、西上秋間も巻き込んで一緒にやろう」という提案が秋間RMOに届いています。それも、地域をまたいでつながるネットワークができたことの効果ではないでしょうか。

秋間RMOの活動拠点である、安中榛名駅前の「安中榛名イノベーションスタジオ」で開催された第1回「あきまよもやま」。来年1月まで全4回の開催を予定し、住民目線で地域課題を話し合う。
黛さん そうですね。それに、新しいことに取り組もうという私たちの動きが秋間の他地区にも伝わっていて、あきまよもやまに参加してくださった東上秋間の方が「僕たちの地区も負けられないな」って仰っていたのが印象的でした。そんな風に、いろいろなところから「自分たちの地域に来てほしい」という声が上がってきているのも、これまでにはなかったことですね。
秋間RMOが求める地域おこし協力隊とは?
――農村RMOというのは地元主体で運営される組織だと思うのですが、秋間RMOが外部から協力隊の力を求める理由を教えてください。
黛さん 協力隊の力を借りたいのは、単純に地域のマンパワーが足りていないというのが正直なところです。ただ、私個人としては、3年間の任期後も安中に残り続けて、秋間に限らず市内を盛り上げる人を育てていきたいという思いがあります。地域の中で多面的な役割を担う農村RMOは、地域との関係を築きながら、さまざまな経験を積める場所です。そうした意味でも、協力隊が地域に根を張り、将来の担い手として成長していくための土台を築く、格好のフィールドだと考えています。
――農業関連の協力隊というと、ほかに就農型や農業振興などの任務がありますが、それらと農村RMOに関わる今回の任務には、どのような違いがあるのでしょう?
黛さん 農村RMOの活動は、農用地の保全や耕作放棄地の解消といった「農のある地区を守る活動」がメインです。そのため、大自然の中で畑作業だけをやりたいという希望の方には、ミスマッチかもしれません。一方で、地域を元気にすることや、地域の人たちと一緒に地域づくりに取り組むことに興味がある方なら、最初から農業に強い関心がなくても大丈夫です。

農家の高齢化で耕作放棄地が増える中、地域の農業を守るために重要な農用地保全活動。黛さんも10か所以上の畑を管理している。
鈴木さん もちろん、梅林の剪定や梅の収穫など、農作業に携わることもありますし、梅に続く新たな農産物を地域の新しい軸として育てていくための、栽培の実証実験に関わることもあると思います。イベント開催では、農業とは異なる分野の方々と一緒に企画を考える機会もあり、活動の幅は本当に広いです。その中で活動に慣れてきて、もし兼業で農業をやってみたいと思うなら畑を紹介することもできます。隊員それぞれのやる気を尊重しながら応援していきたいと考えています。

青森県からの移住者である鈴木さん。豪雪地帯の生まれゆえ、移住後は「冬に布団が干せるのが一番の喜びだった」と語る。
――秋間RMOで活動する協力隊にどんな活躍を期待していますか?
黛さん 現在は構成団体の役員がメインで組織を動かす形になっているので、まずは縁の下の力持ちとして、秋間RMOの円滑な活動に力を貸していただきたいです。また、もっと地域の声を拾っていきたいと考えているので、地域の中に入っていき、「聴く力」「話す力」を発揮してくれることにも期待します。きっと、やることが幅広くて、「一人でできるかな?」と不安を抱く方がいるかもしれません。でも、どの任務も私や地域の方と一緒に取り組み、決して一人にはさせないので、安心して飛び込んできてください。
――まだ全国的にも新しく、なおかつ外部から入ることが珍しい農村RMOという組織に関われることも、なかなか得難い経験ですよね。
鈴木さん 今回募集している協力隊の3年間は、秋間RMOの最終年度と、その後を引き継ぐ後継団体での2年間にあたります。秋間RMOは、群馬だけでなく関東でもまだ数少ない農村RMOなので、さまざまなところから注目されています。そうした、まだ他の地域ではあまり取り組まれていない新しい形の地域づくりに、主要メンバーの一人として関われるのは、きっと面白い経験になるはずです。そして、これから形をつくっていく後継団体には、隊員の方のエッセンスも間違いなく注がれると思うので、チームづくりが得意な方にはどんどんアイデアを出してほしいです。

――広範囲の任務だからこそ、充実した三年間になりそうです。その中で、どんな成功体験や喜びを得られそうでしょうか?
黛さん 任務だけを見ると確かに幅広いです。ただ、それぞれの仕事は少しずつつながっています。例えば、地域の方と一緒に整備した畑で育った作物が朝市に並び、それを手に取った方が喜んでくれた時など、自分が関わってきたことが目に見えた時に、人から人へつながっていく喜びがあると思います。
また、自分の企画が実現した時や、朝市などに地域の方が集まり、普段あまり話す機会のない人同士に会話が生まれた時にも、地域が少し動き出したような手ごたえを感じられるはずです。
地域おこしの仕事は、すぐに成果が出ることばかりではありません。それでも自分の働きかけによって人が集まったり、地域の方の表情が少し明るくなったりする。その小さな変化を間近で感じられることが、この仕事の一番のやりがいだと思います。
新鮮野菜が並ぶ「あきまの朝市」。地域住民同士が交流を深める場にもなっている。
――黛さんは農業振興の協力隊を卒隊後、今も秋間梅林に根付き、秋間RMO、企業経営、安中市集落支援員と幅広く活躍中です。最後に協力隊を目指す後輩へのアドバイスとして、黛さんが秋間地区の地域おこしに情熱を燃やし続けられる理由を教えてください。
黛さん 私は最初から強い使命感があったわけでなく、活動を通じて地域の方にいろいろ教えていただき、受け入れてもらう中で、秋間が自分の暮らす地域になっていきました。外から来たからこそ、地域の魅力やもっと良くできる部分に気付きましたし、気付いた以上、見て見ぬふりもできなくて。高齢化や担い手不足など課題はありますが、地域の方が喜んでくれたり、小さな変化が生まれたりすると、「もう少しがんばろう」と思えます。「また明日」はあるけど、「また来年」はないという気持ちで、今年できることは全部やる。そして、ただ変えるのではなく、「変えないで変えていく」。この地域を守るという覚悟も、地域の皆さんに育ててもらったものだと思っています。
安中市で「農のある地区を守る人」に
「西上秋間は昔からの農家さんが多く、みのりが丘は全国からの移住者が集まっている地区なので、いろいろな人と触れ合えて楽しいと思いますよ」と語ってくれた鈴木さんと、「何でもかんでもできる方はもちろん、『地域に入って面白いことをやりたい』という意気込み先行の方も歓迎します。一緒にやれることを考えていきましょう」と応募を呼びかけた黛さん。
協力隊OGのもと、農村RMOの活動に携われるのは貴重なチャンスといえる。本記事を読んで安中市地域おこし協力隊に興味を持った方は、募集要項でより詳しい活動内容や応募方法をチェック。
2027年1月7日(木)〜9日(土)に開催される2泊3日の「おためし地域おこし協力隊」では、実際に地域に入り、活動や暮らしを体験できる。応募を検討している方は、まずはここから地域との接点をつくってみてはいかがだろうか。
取材・文:鈴木 翔 撮影:渡部 聡
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都道府県+市町村 群馬県安中市 募集状況 募集中 雇用形態 (1)安中市地域おこし協力隊として市長が委嘱します。
(2)安中市との雇用関係はありません。
※雇用保険の加入はありません。
※各自のご負担で、国民健康保険、国民年金に加入していただきます。
※活動に支障のない範囲において、副業を認めます。事前に届出が必要です。給与 日額14,500円(半日勤務で7,250円)
※支給時に、源泉所得税が控除されます。
※賞与、時間外手当、退職金はありません。
※年間350万円までが上限となります。福利厚生 (1)委嘱期間中の住居については、地域要件により、居住区域が指定される場合は、市が用意した家屋に居住していただきます。安中市全域に居住が認められている方は、ご自身で希望の住居を見つけていただくことが前提となります。なお、家賃の補助として、月額最大30,000円を市が負担します。
※転居に係る費用、生活備品、光熱水費、町内会費等は各自のご負担となります。
(2)活動に使用する車両は、自家用車をご用意ください。
※借上料として、燃料代を含み月額最大30,000円を支給します。
※自家用車は、任意保険に加入(自己負担)し、対人補償は無制限、対物補償は一千万円以上とすることを要件とします。
(3)活動に使用する携帯電話・PC・カメラ等は、自己所有のものをご用意ください。
※借上料として、通信機器・事務機器に対し月額8,000円を支給します。
(4)活動中の事故に対応するため、市が掛け金を負担し、傷害保険に加入します。
(5)活動に必要となる経費は、協議の上、予算の範囲内で補助します。
※物品購入の際、物品の所有権は原則、安中市となります。勤務時間 1日7時間45分、月20日を基本とします。(年間240日)
※活動状況により、活動開始時間や終了時間、1日当たりの活動時間、休日が変動する場合
があります。
※4時間程度の勤務で0.5日勤務扱いとなります。応募資格 安中市の地域おこし協力隊募集要領の内容を理解した上で、下記(1)〜(8)の要件を満たす方
(1)心身が健康で、地域おこし活動に意欲と行動力があり、住民と積極的に交流できる方
(2)令和9年4月1日時点で、概ね20歳以上50歳未満の方
(3)日々の活動報告、本市の魅力等について、PR活動ができる方
(4)作業用PC等を持参し、SNSをはじめとする情報発信ツールの一般的な操作ができる方
(5)3大都市圏または、都市地域等にお住まいで、委嘱の通知があってから、安中市に住所
を移し、居住することができる方(総務省の「地域要件確認表」参照)
※なお、現在の住所地により、安中市内での居住地に制限があります。
(6)普通自動車運転免許を取得している方(取得見込みも含む)
(7)活動期間終了後も安中市に定住する意思のある方
(8)法令等を遵守し、公序良俗に反しない行動ができる方
※現在安中市にお住まいの方、上記(5)の地域要件のうち、「全部条件不利地域」、または「一部条件不利地域」等の条件不利区域にお住まいの方は応募できません。募集期間 令和8年10月1日(木) 〜 令和9年1月15日(金)※必着 採用問い合わせ先 安中市役所 企画政策部 地域づくり課 地域づくり係
〒379-0192 群馬県安中市安中2-13-7(本庁舎)
TEL:027-382-1111(内線1036)
E-mail:iju-teiju@city.annaka.lg.jp
午前8時30分〜午後5時15分(※土日祝日を除く)