埼玉県の北西部に位置する本庄市。東京方面にも新幹線を使えば1時間以内、JR高崎線で都内各主要駅まで直通アクセス可能。高速道路のICもあり、軽井沢や長野、草津など観光エリアにも楽々遊びにいける。
そんな便利な立地環境に加えて、豊かな土壌から野菜や果物、花など農業も盛ん。山も、広い大地も、旧宿場町の歴史も、伝統の祭りも新しい市民イベントもある。おまけに、特性の異なる4つのエリアに分かれているので、自分に合う暮らしに応じたエリアを選んで住むことができる。ーーとにかく「ちょうど良いバランス感」が、アクティブに暮らしたい人、都心と田舎暮らしのどちらもいいとこ取りしたい人にはピッタリのまちです。

そんな本庄市の魅力をぎゅっと詰め込んだ本庄市のPR冊子が、この度完成しました!
まちを盛り上げる方々へのインタビューや見所紹介などをまとめた、本庄市のガイド本のような一冊。「本庄市らしさってどんなところにあるんだろう?」ーーその問いへの答えを探しながら、制作チームで取材や議論を重ねた結果の自信作。ここではその制作過程で見えてきた、「本庄市」で育まれる風土についてお伝えします。
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ワークショップで探る、本庄市PR冊子のヒント
2026年冬のある日、本庄駅から徒歩5分の本庄ガスECOはにぽんプラザに集まった総勢10名ほどの人々。会議室で皆、何やら真剣な面持ちで書いたり思案している様子・・・

・・・と思いきや、実はこれは冊子制作の一環で行われたワークショップ。自分が住む本庄市を愛し、その土地をもっとよくしたい!関わりたい!という有志メンバーが集まって、ともに本庄市の魅力についてアイデアを出し合う場として設けられました。
4年前に制作して好評だった、本庄市への移住を考える人へのPR冊子(写真上)。今回はその続編です
ワークショップは、冊子制作を率いる企画編集者・須井直子さんをファシリテーターに、参加者皆さんの自己紹介からスタート。お互いの興味や住まいのエリア(4エリアで特性が異なる本庄市は、ここの情報が重要!)がわかったところで、その後、お題①普段感じている本庄の魅力、好きなところを、とにかくたくさん書き出すワークから取り掛かりました。


たくさん書き出したあとは、今度はお題②それを具体的なエピソードに置き換える ことに。例えば、「素敵な人がたくさんいる」というメモがあれば、それは具体的にどんな人、あるいは誰のことなのか? ……ここはチームごとにスケッチブックも使いながら、和気藹々と、それぞれの自分のメモがどんなことを意図していていたのか、共有しながら進めてきます。「ああ〜確かに!」「えっ!そんなことあるの!?」と、あちこちで声があがって、すっかり地元の情報交換タイムに。最終的な発表に持っていくために、近しいことを伝えたメモがあればそれを一括りにしてみたりしながら、整理も進めていきます。
そして、そこからお題③へ。机上に沢山上がった具体的なエピソード付きの魅力の中から、冊子を手に取ってくれた方に伝えたいこと、おすすめのイベントや関わり方など、発表内容をチームでまとめていきます。

最後は、発表タイム! チームそれぞれに方向性が異なる目の付け所は、いずれも愛やユーモアに溢れていました。本庄市は赤城おろしという強い風が特徴ですが、それを「風が強くてアトラクション」としてみたり、各要素をまとめて「テーマパーク」というコンセプトを提案してみたり、「パターン別過ごし方ツアー」など実践的な施策案も。多く上がっていた「空が広い」という要素から、「私たちの空を見る心の余裕」なんて素敵なフレーズも飛び出しました。


市民みんなで考え、再発見する本庄市の魅力づくり
実は、こうした行政と市民が連携したワークショップが盛んな土壌も、本庄市の大きな特徴の一つ。本庄市役所はこうした市の魅力を市民一人ひとりが当事者として考え、まちづくりに参加できるようなきっかけづくりを継続的に行っています。
ブランドメッセージを印刷したオリジナルバッグ
「どこにでも行けるけど、ここにいたい。本庄」という本庄市のブランドメッセージ。これも、シティプロモーション事業の一環として定められたもの。
市民と行政一丸となったプロジェクトチームを中心に、まちの人へのヒアリングやワークショップ、メッセージ公募、市民投票を経て決まりました。集まった票は9,800票超え。長年続けてきた、市民みんなで本庄市の魅力を再発見してファンになっていく取り組み全体が評価され、2025年には「令和7年全国広報コンクール(公益社団法人 日本広報協会主催)」にて本庄市が内閣総理大臣賞を受賞するという快挙も成し遂げています。

「どこにでも行けるけど、ここにいたい。本庄」というフレーズは、覚えやすくて、等身大で、地に足がついていて、でもブレない意志を感じるような。じんわりと心に馴染んでいくような味わいがとても素敵だな、と、筆者自身も本庄駅を利用した際に見かけてとても印象に残っていました。
このフレーズが生まれるような本庄市って、一体どんなまちなのか。今回の冊子制作にあたり、ワークショップへの参加者のポジティブな姿勢にその片鱗を見て、さらには本庄市のあちこちをインタビューして回ることで、そのメッセージが生まれた背景を少しずつ知ることになりました。
「どこにでも行けるけど、ここにいたい。」を体現する人たち
今回インタビューした方は、4つのエリアそれぞれで活躍される総勢8名。移住者も代々その地に住み続けてきた人もUターンも、継業した人も新たな事業に挑戦した人も・・・とにかくバリエーションに富んでいました。「本庄市はこういう土地柄」という明確な一色ではなく、いろんな生き方がアリなんだよ、と教えてもらったような。

本庄エリアで、自慢のブランドいちご「あまりん」を育てる久米原農園の久米原さん

本庄早稲田エリアで花卉農家を続ける大谷園芸の大谷さん

児玉エリアで親子2代でお店を切り盛りする、だるまや菓子店の町田親子

児玉里山エリアで里山暮らしを楽しむ片桐さん

児玉エリアにある、リンパケア「Lymph peaR.」とアクセサリーのお店「eme」を営む茂木さん

都内の会社に通う中里さんの暮らしと本庄早稲田の街並み

児玉里山エリアで「tamatowafarm」として農業を営む柴山さん

本庄駅周辺で本庄パン処「麦と豆」を営む宇田さん
どなたにも共通していたのは、自分の意志で、この土地を選んで自分の暮らしをつくっている、という強さがあったこと。“強さ”といっても、エネルギーに溢れているとか逞しいとか、わかりやすい強さではなく、目の前の状況に自分の知恵を出し合い、まわりの力も借りながら、ともに歩んでいくしなやかさ、といった方が近いかもしれない。そしてそのしなやかな意志は、ワークショップの参加者にも、一緒に取材を回っていた市の担当の方々にも同様に。
数多ある選択肢の中から本庄市を選び抜いて移住した人はもちろん、「ここを選んだというより、ここで生まれたから……」という人でも、自分(たち)で決めて自分(たち)でその土地で生き抜いていくための工夫を体当たりで試行錯誤しながら積み重ねている、という自負を持っている。まさに、「どこにでも行けるけど、ここにいたい。」がそこに確かにあることを、しみじみと感じたのです。
“暮らしが選べる”という豊かさが、ここにある
自分で「こう行きたい」と決めたら、それに適した市内の各エリアへ移動できる。それも本庄市の良いところです。宿場街の面影を残す本庄駅周辺エリア、新幹線駅で便利で洗練された本庄早稲田駅周辺エリア、歴史文化と人情味あふれる児玉駅周辺エリア、自然豊かな里山風景が広がる児玉里山地域・・・物理的なフィールドとしてのバリエーションがあることは、個人としての意志を尊重して実現できる後押しとなります。

特に「この環境に馴染めないといけない」と思い込んでしまいやすい若い世代の場合(自分のかつてを思い出してみても…)、様々な大人の働き方・生き方や居場所に触れられる「七高祭」などの機会は、生きづらさや息苦しさを解消してくれるきっかけにも繋がりそうです。場所や価値観に縛られずに、自分の可能性を無限に広げていける若者がたくさん生まれていく土壌があれば、その地域の未来は自然と明るくなるはず。
個人の成長や状況の変化とともに、「今の暮らし、ちょっと変えたいな」と思ったら、場所を選んで移動してもいい。生まれた地、たまたま縁を得た地に居続けることを選んでもいい。ちょうど良い居心地で安心できる居場所があるからこそ、大きく変わりうる未来も受け止めることができます。自分の意思で、自分の人生の舵をとりたい。そう感じる人に、ちょうど良い場所が、本庄市かもしれません。
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広報紙「広報ほんじょう」2026年3月1日号に、本庄市長の吉田信解氏の言葉で、こう書かれていました。
「時代の変化を前向きな力に変え、誰もが豊かさを実感できる本庄を実現したい」(一部抜粋)
https://www.city.honjo.lg.jp/material/files/group/1/R08kouhou0301_mihiraki.pdf
時代の変化を前向きな力に変えるのは、私たち一人ひとり。心持ち次第で、未来は暗くも明るくもなる。
行政の人も、民間の人も、等しく“市民”。より良い未来は、それが来ることを待つのではなくて皆でつくっていくものであるし、その責任を持つこと(持てること)は、とても明るくて楽しいことである。そんなことを、取材を通して出会ったお一人おひとりから学ばせていただいたような時間でした。

本庄市が気になった方は、ぜひ冊子を手にして、本庄市をめぐってみてください。本庄市に漂うやさしくて伸びやかな風土を、ご自身の心で感じていただけたら。そして自分しか描けない自分の人生を考え、「どこにでも行けるけど、ここにいたい。」と一歩踏み出す場になれば嬉しいです。
(文:吉澤志保)
【移住プロモーション冊子 制作チーム】
デザイン:malme design
イラスト:黒木ユタカ
企画・編集:須井直子
文:吉澤志保、須井直子
写真:赤井恒平、大久保七葉、吉田櫻子、上原実圭子、ほか市役所提供