「民間行政」が地域を変える｜TURNS vol.67【12/20最新号発売】　

 3 億年前から生き残ってきたレプタイル(爬虫類)さながらに、厳しい社会、環境の変化にも対応し、地域を元気にしようと奮闘しているの が岡山県津山市のレプタイル株式会社だ。地元企業のマーケティングパートナーとして、クリエイティブ事業、サービス事業の両輪を回しながら、ワクワクを形にし、地域に新風を吹き込み続けている。

「ふつうじゃない」ことは可能性だ 。岩手県盛岡市を拠点に、主に障害のある作家のアート データを起用し、プロダクト製作や空間演出を手掛けている株式会社へラルボニーた。「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、新たな文化やライフスタイルを生み出そうとする活動は、今や全国から注目を集めている。個々人が持つ “違い”を肯定し続けるその取り組みは今、福祉という枠を飛び越えた広がりをみせようとしている。

広島県大崎上島町｜まなびのみなと（教育）
島のすべてが学び舎　公と民の間に未来の灯をともす

「学ぶ」とは何か。学校で授業を受ける、会社で 研修を受ける、といった時間だけが学びなのだろうか。本を読む、旅をす る、人と出会う……そうやって異なる文化や価値観に触れ、既 知なる世界が揺さぶられるとき、私たちは人生の糧となるような学 びを得るのではないだろうか。
「 教 育の島 」として知られる広島県大崎上島島ではいま、学びの意味を問い直し、アップデートしていこうとする動きが活発化している。

社会が複雑化し、ルールが張り巡らされると、必ずそこからこぼ れ落ちるものが出てくる。自治体の人的リソースが減っていくこの先、それを行政の施策だけで救うことはますます困難になるだろ う。これから求められるのは、個々人がパブリックな視点で社会課題と向き合っていくこと。そのヒントを求め、ひらかれた保育園や公園を通して子どもの福祉と向き合ってきた酒井咲帆さんを訪ねた。

地域の仕事は手間も時間もかかる反面、向き合う“ 地域 ” の単位が小さいほど、自分ごと化される。それは、家族や自分、ご近所さんの困りごと、暮らし やすさが直結するからだ。宮崎県の北部に、町内全 24 地 区ごとに、地域でできる〝自治〟の範囲を増やしていこうと対話や活動を重ねる町がある。いったいどんなしくみで、ど んなことが進んでいるのか? 地区別定住戦略事業、通称「ちくせん」に取り組む、宮崎県美郷町を訪れた。