五感が喜ぶ自然に囲まれて
岐阜県海津市 移住者インタビュー

岐阜県の最南端に位置する海津市は暮らしやすい温暖な気候に恵まれています。
大人は、喧騒から離れてゆったりとした暮らしを楽しむ。
そして、こどもは大自然の中でのびのびと遊ぶ。ここにしかない、特別な時間が流れる海津市に移住した方々と、暮らしを紹介します。

 

五感が喜ぶ豊かな自然がお気に入りです

2012年3月 愛知県名古屋市→海津市  草野暢之さん 直美さん(40代)
長男(16歳) 次男(13歳) 長女(10歳)

 

羽根谷だんだん公園にて

 

山を眺めて暮らしながら、こどもたちをのびのびと育てたいと海津市に移り住んだ草野さん夫妻。自然や木が身近にあるこの場所で、それぞれが自分らしいライフワークに出会えました。

 

こどもたちをのびのびと育てたい

「朝、窓を開けると目の前に山が広がる、そんな自然豊かな場所に暮らしたい」と、12年前に名古屋市内から海津市に移り住んだ草野さん夫妻。夫の暢之さんは名古屋の材木店に20年ほど勤務。妻の直美さんも名古屋のインテリアショップで店長を務めるなど、常に「木」が身近にあった。また、二人ともキャンプやスノーボードが好きで、山へよく遊びに出かけていた。木や山のそばで暮らしたいという想いから、名古屋への通勤圏内で山が身近にある海津市をはじめ、愛知県犬山市、三重県桑名市などを回ったという。移住を考えるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だった。

「当時、私たちは空き家だった築70年の私の実家をセルフリノベーションして暮らしていました。長男は2歳で、次男はまだ生まれたばかり。『もし、次に近くで大きな地震が起こったら、家の下敷きになるかもしれない』という不安から、移住を考え始めたんです」(直美さん)

当時住んでいた名古屋市内の家の周りは車通りが激しく、長男が駆け出すと慌てて追いかけなければならなかった。人の多い公園でも、思う存分遊ばせられない窮屈さを感じていた。「こどもたちをのびのびと育てたい」といった想いが、移住したい気持ちを後押しした。

 

この辺りはいい人ばかりだよ!

いくつかの候補地を巡る中、ネットでたまたま見つけた物件を見るために海津市を訪れたときのこと。市の特産品の一つでもあるみかん畑で草取りをするおじいさんが、「あんたらどっからござった(来なさった)?」と声をかけてくれた。移住先を探していると説明すると、「この辺りはええ人ばっかやよ(いい人ばかりだよ)!」と答えてくれたという。

「『ええ人ばっか』と言い切れるのは、それだけ信頼関係が築かれているということだなと思いました」(暢之さん)

それ以後も海津市に何度も足を運び、地域の人に声をかけては地盤の強さや住み心地などについて話を聞いて回った草野さんご夫婦。山に近いエリアを散歩していたとき、また別の方に声をかけてもらい、移住の意向を話すと、「今ここ、売りに出とったはずだで」と、その場ですぐに持ち主に電話をしてくれ、帰りには取れたばかりの野菜まで持たせてくれた。実はこの土地が、草野さん家族が今も暮らしている場所だ。ここに新築した家の窓からは山はもちろん、朝日や夕日、星空までも眺められる。

 

木とこどもたちを軸にした、新たな活動を展開

移住して、家族をとりまく環境は大きく変わった。周囲にはみかん畑が広がり、土や水、草木などの自然が身近にある。そんな環境の中、こどもたちは思い切り遊び、すくすくと成長した。

海津市に移住して7年が過ぎた頃、直美さんは「木育」の活動に取り組み始めた。「木育」とは、「木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことを通じて、人と木、人と森をつなげることを目指す活動。森林が豊かな岐阜県は「木育」に力を入れており、直美さんは、ぎふ木育指導員や木育インストラクターとして、県内各地の認定こども園や小学校、木育関連施設などでこどもたちを対象に、木を使って創作をするワークショップ「くるまだち木工室」を開催している。市内にとどまらず、名古屋市の商業施設などでもワークショップを実施。今後は全国に活動を展開し、岐阜県産の木材を使ってもらうことで、日本各地に県の魅力を発信していきたいと考えている。

「これまでに海津市の認定こども園などでもワークショップを開催してきましたが、見ていて思うのは、都会に暮らすこどもたちに比べて作品が“力強い”こと。それは普段から自然の中で大人の顔色を気にすることなく、自由に遊んでいるからだと思うんです」(直美さん)

 

家族を変えたプレイパークとの出会い

一方、こどもたちにもっと外で遊んでほしいという想いで、3年前から暢之さんが取り組んでいるのが、「プレイパークかいづ」。プレイパークはこどもたちが自分自身で“遊びを作る”遊び場として、全国300カ所以上で開催。岐阜県内でも10カ所以上で行われている。木登りしたり、焚き火をしたり、地面に穴を掘ったり。「大人の手出し、口出しはノーサンキュー!」を合言葉に、こどもがやってみたいことを実現できる場となっている。草野さん家族は、10年ほど前からプレイパークに来場者として訪れるようになり、こどもが「自分の責任で100%思う存分遊ぶことの楽しさ」を実感。海津市にも活動を広めるべく運営側に立ち、年4回ほど開催している。

「名古屋に住んでいたころ、公園に窮屈さを感じていた長男は、プレイパークに参加するようになって、水を得た魚のようにイキイキと遊ぶようになりました。そして、遊びをきっかけに『自分はどう生きていきたいか』を主体的に考えるようになったんです。今は16歳ながら県内の他のプレイパークからもスタッフとして呼んでもらえるようになって、こどもたちを見守ったり、遊びの相談相手になったりと、一生懸命に打ち込んでいます」(暢之さん)

暢之さんは木材店を退社して木工房を設立。家具などの製作に力を入れている。海津市の自然との出会いによって、家族それぞれにライフワークが生まれた。

暢之さんは、こどもたちが自分で遊びを作り出し、思う存分楽しむことができる「プレイパークかいづ」を年4回ほど開催している

リアルな体験ができるのが海津市の魅力

リモートワークの普及によって、住む場所の自由度が上がりつつある現在。住む場所を選ぶとき、いったい何を基準としたら良いのだろうか。

「AIやデジタル技術がますます進化し、便利になっていく反面、それとは真逆なリアルな実体験が、両輪として重要になっていくと思うんです。木や土に触れたり、花の香りを嗅いだり、風を感じたり。こどもたちがそんなリアルな体験を積み重ねられる場所として、海津市はうってつけです。こどもはもちろん、大人も五感が喜ぶまち、それが海津だと思います」(暢之さん・直美さん)

 



家族全員で、海津市の暮らしを楽しんでいます

2023年6月 愛知県稲沢市→海津市

清水柱民さん 優希奈さん(20代) 優民ちゃん(5歳)

住宅が密集する環境から、周囲に田畑や広がる開放的な海津市に移り住んだ清水さん家族。認定こども園や公園、子育て支援団体など子育て環境が整ったこの地で、穏やかな日々を楽しんでいます。

木曽三川公園センターにて

自由に走り回れる環境で長女もうれしそう

「早く遊ぼうー!」と元気よく遊具のほうへ駆けていく長女の優民ちゃん。この日、清水さん家族はよく遊びにくるという「木曽三川公園センター」を訪れた。夫の柱民さんは、「この公園は、大きな遊具や木製のアスレチックなどが充実しているし、高さ65mのタワーの上からは木曽三川の流れが一望できるんですよ」と微笑む。

 結婚後、長良川、木曽川を挟んで海津市と隣接する愛知県稲沢市にある柱民さんの実家に約4年間住んでいた清水さん家族。周囲は住宅街だったため広い公園がなく、優民ちゃんをのびのびと遊ばせることができなかった。

「そんな娘も海津市に移り住んでからは、家の周りの田園風景の中を自由に走り回って遊んでいます。それを見るのが、移住して一番うれしいことですね」(優希奈さん)

 結婚したときから、マイホームを建てるのが夢だったという清水さん夫妻。稲沢市をはじめ、優希奈さんが生まれ育った海津市、その北にある羽島市など、4年ほどかけて土地を探した。住宅が密集した人の多いところは苦手だという柱民さんの希望もあり、なるべく自然に近く、のんびりと暮らせそうなエリアを重点的に見て回った。そして巡り合ったのが、海津市にある現在の土地だ。


周囲に住宅が少なく開けた環境に立つ新居で楽しむ、のびのびとした暮らし。

移住先として選んだ決め手は、優希奈さんの実家に近いこと。周囲には田畑や山を望むのどかな風景が広がっていること。そして、柱民さん、優希奈さんのそれぞれの職場に、車で20〜30分で通えることもポイントに。

併せて、海津市が行っている「若年夫婦・子育て世帯U・Iターン奨励事業」という制度も移住の後押しとなった。この制度は、39歳以下の夫婦が海津市にU・Iターンする際に、100万円を上限として奨励金を交付するというもの。

「私たちは土地から購入して家を建て、家電や家具も一からそろえなければならなかったので、海津市の補助制度はとてもありがたかったですね」(柱民さん)新幹線の駅がある羽島市や、名古屋市に近い稲沢市に比べ、広い土地がリーズナブルな価格で購入できる点も、海津市を選んだ理由の一つだったという。

市役所や地域の人の優しさに感動

清水さん夫妻が海津市に暮らし始めて、実感したまちの良さは「人の優しさ」。「引越ししてきたとき、市役所に手続きに出かけて、どこの窓口に行っていいかわからずウロウロしていたら、すぐに職員の人が『今日はどんな手続きのためにお越しですか?』と話しかけてくれたんです。いくつか用事があるときは、『こっちから先に行ったほうがスムーズですよ』と順番まで教えてくれたり、海津市の人は優しいなと思いました」(優希奈さん)

 現在の土地を購入したときには、こんなエピソードが。
「土地には雑草が一面に生えていたので、手作業で草むしりをしていたところ、近所の人が『それじゃ、日が暮れてしまうよ』と言って草刈機を貸してくれて、使い方まで教えてくれたんです。あれが無かったら本当に1日じゃ終わらなかったかもしれません(笑)」(柱民さん)

 優民ちゃんが家の周りなどで遊んでいるときも近所の方がさりげなく見守ってくれている。地域全体で子育てをサポートしてくれるところも、海津の魅力の一つだという。

子育て施設や、子育て支援団体が充実

 2023年6月、優民ちゃんが保育園の年中のときに、海津市に移り住んだ清水さん家族。認定こども園に待機児童はなく、希望どおりのタイミングで入園できた。現在、通っているのは私立の認定こども園。体操教室や英語、書道、茶道、ダンスなど、受けられる習い事のメニューが充実していたことが選んだポイントだったという。

「今の年長のクラスには、園児20人ほどに対して先生が6人もいて、こどもたち一人ひとりとしっかりコミュニケーションをとってくれます。家に帰ってくると『今日、先生がこんなこと教えてくれたよ!』と、いつもうれしそうに話してくれるんです」(優希奈さん)

 海津市の認定こども園には、「地域子育て支援センター」が設置されており、未就園児を連れて遊ぶことができたり、情報交換や仲間づくりをしたり、子育ての不安などを相談したりできる。

「支援センターの人が、今度こんなイベントを開催しますと声をかけてくださるので参加しやすいです」(優希奈さん)

 また、海津市には子育て世代向けのイベント情報を発信している子育て支援団体や、絵本の読み聞かせをおこなっているNPOなどの団体があり、清水さん夫妻は今後、参加していきたいと考えている。

優希奈さんの実家も近く、両親は優民ちゃんをとても可愛がってくれているという。大型遊具やアスレチックがそろう「木曽三川公園センター」は、優民ちゃんのお気に入り。

移住後、広がっていく暮らしの楽しみ

 田園風景や山など、身近に自然がある海津市だが、一方ではスーパーやドラッグストアなどもそろい、日々の買い物に不自由は感じないという。清水さん家族は、岐阜市や愛知県一宮市、稲沢市にあるショッピングセンターやモールにもよく足を運んでいる。

「木曽三川という大きな河川が流れる海津市は、堤防の上に道路が整備されているのが特徴。これらの道路は信号が少なく、岐阜市や一宮市へも、スムーズにアクセスできます」(柱民さん)

 海津市に移り住んで1年。清水さん家族の家のリビングに設けた横長の窓からは、田畑や養老山地などが見え、自然に囲まれた落ち着いた暮らしにあこがれていた柱民さんは大満足の様子だ。

「周囲に家が少なく、家の壁も厚くて音漏れがしにくいので、リビングでカラオケを歌ったり、ピアノを弾いたりして楽しんでいます。いずれはギターも始められたらと思っています」(柱民さん)

 海津市内には、温泉や道の駅など、家族3人で行きたいスポットがまだまだたくさん。清水さん家族は、これからもこの海津での暮らしを楽しんでいきたいと考えている。


海津市の情報はこちら!
https://turns.jp/103803

移住に関するお問い合わせ

岐阜県海津市企画課内移住定住サポートセンター

 〒503-0695
岐阜県海津市海津町高須515番地
TEL : 0584-53-1113

\なんでもご相談ください!/


お問い合わせフォームはこちら!
https://kaizuiju.jp/contact/

                   

人気記事

新着記事