30代、40代から林業の世界へ。新たなチャレンジをサポートする、さまざまな支援制度

遠野地方森林組合 林業就業支援講習

遠野物の舞台、岩手県遠野市。どこか懐かしく美しい里の風景が広がるこ地へ移住し、未経験から林業の世界へ飛び込んだ2人。それぞれ30歳、40歳でのキャチェたが、スキを磨き、今では遠野地方森林組合の直営作業の中核として後輩を指導る立場に。そんキャ入口になる林業就業支援講が今開催される。


40歳での移住と転職で趣味も満喫
 

「間伐した後の山を見て、だとら、業に向いていまよ」と口石さん

「林業はすごく楽しい仕事。チェーンソーで狙い通りズレなく倒せた時は、思わずニヤニヤしちゃいます。この感覚は14年やっていても変わりません」。遠野地方森林組合で働く口石大介さんは、眼鏡の奥の目を細めた。

 今年の4月からは「直営作業班技能指導員」の名刺を持ち、若手職員の指導にも当たる。ベテランの風格だが、実は林業の世界に入ったのは2012年、40歳の時のこと。それまでは東京で激務に追われるシステムエンジニアだった。過労とストレスから心身の限界を感じ、「自然の中で身体を動かす仕事」を求めて北から順に求人を検索。目に留まったのが遠野地方森林組合だった。

 体力勝負のイメージが強い世界。しかし「年齢のハンデを感じる暇もないほど、夢中になりました」。現場では林業経験35年の大ベテランの技を見て学び、「緑の雇用度のフォレトワーカ(FW)研修で理論を学んだ。

若手職員の指導にも当たる口石さんは「林業のすべての基本はチェーンソー。最初の1年半は体力づくりも兼ねて、徹底的に山を歩いて木を伐らせる」という方針。自身は、今年度、「緑の雇用」最上位のフォレストマネージャー研修を受講予定だ

 口石さんが入った14年前は4人だった直営作業班だが、現在は11人に。六人がIターンかUターンの移住者で、キャリアチェンジ組がほとんど。FW研修を終えた後、フォレストリーダ(FL)研修を受講し、技術だけでなく管理能力も身につけ、プロの林業者の道を進んでいる。「自分で考えて学び、改善できる人にはぴったりの仕事」と口石さん。後輩たちの成長に手応えを感じているそうだ。

 この仕事の魅力は、ワークライフバランスの良さにもあるそうだ。始業は午前7時半と早いが、残業がなく、完全週休二日制。もともと多趣味だったが、「今は家具づくりにハマっています。自分で伐った木で本棚やベッドを作れるのは、林業をやってるからこそ。週末のほうが忙しいくらいです」。木にふれる手ざわり感のある日々を満喫している。

遠野市の面積の83%は森林で、スギ以外にカラマツや広葉樹など多様な森林資源に恵まれた土地。遠野地方森林組合の事務所は、遠野地域木材総合供給モデル基地の中にあり、周囲には、製材所や木工所が並ぶ

 

家族との時間を大事に働く

 8年前、妻の実家がある遠野市に移住し、子育て真っ最中の中浜さんも、仕事とプライベートの両立のしやすさを実感している。「仕事の後、子どもたちを保育園に迎えに行って、夕飯を作るのは僕の分担。週末は一輪車の練習に連れていき、郷土芸能の練習にも家族そろって参加しています」

遠野地方森林組合には、全部で8種類の高性能林業機械があり、伐採のほか、丸太を所定の長さに切りそろえる造材や集材、搬出など用途ごとに操作方法が異なるという。「それぞれの機械で全く違うので、それぞれ一定時間乗らないと一人前になれません」と中浜さん

 移住前、勤務時間が不規則な飲食店で働いていたからこそ、規則的な生活がパフォーマンスに与える好影響を実感しているそうだ。「危険と隣り合わせの林業には集中力が欠かせません。今の働き方は、心身ともに安定したリズムで仕事に向き合えるのが良いところ」

 子どもたちの成長とともに、林業者としての自身の成長も実感する毎日。FW研修でハーベスターやフォワーダーなど一通りの高性能林業機械の資格を取得した上で、現場経験を重ねて、操作を体得してきた。「8年たってようやく、重機のアームの先まで自分の体の一部のように動かせるようになってきた。できることが増えていく手応えがあります」と少年のような笑顔を見せる。

 この10年ほどで直営作業班の職員が増えたことで、それまでは2年近く待ってもらうこともあった伐採依頼にコンスタントに対応できるようになった。菊池修市代表理事組合長は「最近は職員の定着がスムーズになり、移住者が増えたことで組織の年齢層もフラットになった」と目を細める。こうした新しい人材の入口となっているのが「緑の雇用制度」や「林業就業支援講習」だ。

菊池修市代表理事組合長は十九歳の時から遠野地方森林組合で働いてきたたたき上げ。「自分が植林現場に運んだ苗木が50年たって立派な木になり、職員たちが伐採しています。林業ならではの時間の流れです」

 

 中浜さんは現在、かつての自分と同じように未経験から挑戦を始める後輩たちを見守る立場にある。「自分が当時困ったことは解消してきたつもり」と控えめだが、その言葉は力強い。「まもなく40代。中堅として自分がもっと引っ張っていけるように成長していきたい」と、その視線は組織と遠野の森林の未来を見据えている。
取材・文…手塚 さや香  写真…Hana Ozawa


 

受講料無料

全国森林組合連合会では、林業への就職を希望する方を対象に、全国各地で林業就業支援講習を随時開催しています。受講期間の異なる3つのコースがあり、講義、体験、資格講習、施設見学を通じて林業の基礎を学ぶことができます。


 

 

▼令和8年度 各コース開催情報▼ ※現時点での予定です。日程は変更になる場合があります。

受講方法
この講習に関する具体的な情報はHP「林業就業支援事業のご案内」にも掲載されています。

https://ringyou.mhlw.go.jp/

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