きっかけはお試し滞在中の「気持ち良さ」!
都会から移住した横田さんご家族の話

2022 年 3 月に四万十町へ移住した横田さんご家族。
ご夫婦はそれぞれ神奈川県、大阪府の出身。
移住前に住んでいた東京で購入しフルリノベーションまでした家をたった一年半で手離し、家族が手にした新鮮で「気持ちいい暮らし」とは?

2022 年3 月、東京から高知県四万十町へ移り住んだ横田さんご家族。
旦那さんの岳夫さん、奥さんの麻梨子さんは、3 歳になる長男・瑛太朗くんとともに、東京で購入し、フルリノベーションまでしたマンションを売り払い、この地へやって来た。

マンションは、たった一年半で手元を離れることになった。きっかけは、麻梨子さんの育児休暇中のできごと。
それまで、レストランやホテルを運営する企業に勤め、東京、神戸、京都、福岡、そしてアメリカなど、大都市に所在するレストランのマネジメントをしながらバリバリ仕事をこなしていた麻梨子さん。自分の仕事や職場が大好きだった。
しかし、瑛太朗くんの子育てのために育児休暇を取得する中、麻梨子さんの心境に変化があった。

↑移住前の岳夫さんと麻梨子さん

「自分の中の価値観というか、それがかなり変わって。本当に仕事が好きだったし、もちろん東京で仕事を長く続けようと思って家も買ったんですけど。子どもが生まれたのが、ちょうどコロナで世の中が騒ぎ始めた時で、なかなか外にも出られなかったり、周りにどういう人が住んでるかもわからない状況になって・・・」

麻梨子さんは、息が詰まりそうなその頃の東京での暮らしに対し、直感的に「子どもを育てる場所じゃないのかもしれない」と感じたそう。

「もうちょっと気持ちのいい場所、子育てに良い場所で暮らしていった方がいいんじゃないかっていう思いが強くなったんです」
そんな思いを抱えた麻梨子さんは、同じようにバリバリ仕事をし全国を駆け回っていた岳夫さんへ「移住しようと思うんだけど」と突然打ち明ける。

その連絡を出張先の北海道で受け取った岳夫さん。いきなりのメッセージに驚きながらも、それまでにも「いつか違う土地に住むのもいいよね」となんとなく話していたこともあってか「じゃあ、まずは現地に行ってみよう」ということになり、2021 年10 月、初めて四万十町を訪れる。

↑フルリノベーションした東京のマンション

その時、最初に気になっていたのは四万十町ではなく、その隣の黒潮町という町。海が好きだったこともあり、太平洋に面した黒潮町に関する記事を雑誌で見かけたことをきっかけに、初めて高知県を訪れた。

どうせ訪問するなら長期間滞在をしてみたいと思い現地を訪れたものの、その時黒潮町には長期滞在ができる施設が空いておらず、ネットでたまたま隣町の情報を覗くと、目についたのが「お試し滞在施設」。
こうした偶然がきっかけで四万十町に目を向けることとなり、翌月、早速大正地域にあるお試し滞在施設へ1 カ月の間、入居することとなった。

「できたばっかりの施設でとても綺麗だったんですよ。使われている家具も四万十ヒノキで良い香りがして。そこに行くまでの道中の四万十川もキラキラしていたんですよね。東京に住んでいた時のマンションは、横に川が流れてたんですけど、あまり綺麗でなくて(苦笑)。ギャップの大きさに、四万十町っていいなあ〜と思ったんです」
キラキラした笑顔を浮かべながら麻梨子さんに同意を求める岳夫さんに、「そうそう、天気も良くて気候も良くて、ほんと気持ちよかったんですよね」と、麻梨子さんが答える。

初春の青々とした木々や木漏れ日、川のせせらぎに包まれる四万十町の心地良い風景が目に浮かんでくる。

↑四万十ヒノキをふんだんに使ったお試し滞在施設

1 カ月間のお試し滞在は、横田さん夫妻の気持ちをより四万十町へと引き寄せることになる。

「ほんとみんな親切で。途中で車が壊れたんですけど、それも近所の人がみんなで来てくれて、車屋さんを呼んでくれたりとか。ホテルではなく、地域の中で暮らすことができたからこそ近所の魚屋さんとも仲良くなれたと思います」
移住の”予行練習”で四万十町での暮らしの心地良さを実感し、横田さん夫妻はその約3 カ月後、いよいよ住処を移した。

四万十町で暮らし始めてから1 年、2 人にとってここでの暮らしの魅力は「食」と「四季」だという。

都会にいた頃、スーパーで買っていた食材は、何人もの人の手に渡り、何台もの車で運ばれ、スーパーに並び、ようやくそれらを横田さんたちが手にする。
一方、四万十町では食材が身近な場所で育ち、収穫されてから食卓に並ぶまでの時間も圧倒的に短い。

「育ったものをすぐ食べられる幸せって、とっても重要で。やっぱり人って食べ物でできていると思うから、食が豊かだと気持ちも心も満たされる。子どもにとってもそこはすごく良かったし、自分たちにとっても、恵まれた食材が身近にたくさんあるっていうのは、生きているうえですごく良いことだなって感じます」

↑取材日はちょうど田植えの季節。

さらに気付かされたのは、「四季」のこと。
田んぼに水が張り、日暮れになれば夕陽が水面に当たって眩しいくらいに光り出す。秋になれば稲穂が黄金色になり、食の実りを感じる。朝方、外に出れば辺り一面を覆い隠す朝霧の光景に出会う。

「星とか月がこんなに明るいって、本当に知らなかったんです。都会で暮らしている頃は、世の中の流行りに常に触れていたり、”洗練された空間”で仕事をすることもたくさんあって。でも、逆に今の暮らしは、自然の中で生きるっていうのが、私たちにとって1 番新しいというか」
知っていたようで、知らなかった世界のこと。好きという気持ちがきっとどこか自分の中にもあったけど、気づいていなかったこと。ここに来て、気付かされた。

四万十町での暮らしは、2 人がもしかしたらこれまでも持っていたかもしれない奥底に眠っていた感覚を沸々と湧き起こしてくれている。

その影響は息子・瑛太朗くんにも。

少し人見知りだったという瑛太朗くん。誰にでも話しかける土佐のおっちゃん、おばちゃんたちに囲まれながら育ち、今では人が大好き。見知らぬ人にもどんどん話しかけるようになったそう。

2 年目の今、岳夫さんは地域おこし協力隊として農業に携わるミッションで活動しながら、2 年後の新規就農に向けて準備中。麻梨子さんは第二子を妊娠中で、7 月に出産を予定している。

「エディブルフラワー」という、四万十町や高知県全体を見ても手をつけている農家が少なく珍しい分野に着目し、将来はこれを主軸に生計を立てていきたいという岳夫さん。

「ここに来ていなかったら2 人目は考えていなかったかもしれない」という麻梨子さん。

「家族で人生を楽しむ」がモットーの横田さんご夫妻。

「東京での暮らしも仕事も好きだったけど。今の方が居心地いいし、楽しい」。

東京でバリバリ仕事をしていた時も充実していたけど、食の豊かさ、四季の感動、人のあたたかさを日々感じる今は、もっと気持ちよくて、もっと生き生きとしている。

 

横田夫妻が移住前に利用した「お試し滞在施設」とは?
その他に役立った移住支援は?

■お試し滞在施設

将来四万十町へ移住を考えている方に対し、1~2 万円/月でお試し滞在ができる物件。基本的な家具や電化製品、食器類、寝具等が揃っており、身軽に暮らしが体験できる(最短1 カ月〜最長6 カ月滞在が可能)。


↑四万十ヒノキをふんだんに使ったお試し滞在施設

その他にも・・・

・旅費支援
概ね3 年以内に四万十町への移住を考えている方に対し、来町時の交通費や宿泊費を四万十町が1/2補助する制度(一度のみ利用可能)。
限度額は1 人当たり2 万5 千円。世帯の場合、1 世帯当たり5 万円。

横田夫妻の声
1 回分の旅費の支援があったおかげで、自己負担による来町も合わせて3〜4回四万十町を訪れることができました。家族だと旅費だけで結構かかってしまうから、もし支援がなかったらそんなに来られなかった。

 

TURNS×四万十町連載始まりました!

四万十町についてこれからどんどん発信しながら、全12回の連載でお届けしていきます!

TURNS起業人が着任!20歳都会育ちの彼が惚れた清流・四万十の暮らし

Text : 岡本里咲 Photo : 鈴木優太

                   

人気記事

新着記事