地域おこし協力隊リレーTALK Vol.33
​「ハンガリーから留学、南牧村に魅せられて協力隊に」

群馬県 南牧村 現役隊員
フォルゴー・テオドーラさん 

活動内容:道の駅での販売業務、イベント企画、鹿の角の商品化、子ども向け英語教室ほか 

フォルゴー・テオドーラさんはハンガリーのブダペスト出身大学で日本語を専攻しブダペストの日本大使館に秘書として勤務していた。
「大使館で日本の文化にふれることができました。しかし、日本についての知識がまだまだ足りないと感じ、さらに文化や文学などの理解を深めるために日本への留学を決意しました。」 

フォルゴーさんは研究留学生として意欲のある外国人留学生に文科省が奨学金を支給する国費外国人留学生制度に応募。2015年に来日し、明治大学大学院博士課程にてドイツ文学を学んだ 

大学院在籍時に、外国人が日本各地を紹介するテレビ番組のリポーターとなり、取材で南牧村を初めて訪れました。そのときに自然が豊かで魅力的な土地だと感じました。その後再訪して、ますます好きになりました。それまでは東京での生活も楽しんでいたのですが、コロナ禍で都会での暮らしに不安を感じ始めていたことと、南牧村で暮らしてみたいという思いが強くなり、真剣に移住を考えはじめました。そこで、村長さんにお会いしたときに、こちらで私が働ける可能性について伺ってみたのですが、そのときに、地域おこし協力隊を提案していただきました。」 

地域おこし協力隊の制度については知らなかったフォルゴーさんだが、自分で調べてみて、魅力的な制度だと感じたという。 

「奨学金をいただいて留学してきたので、卒業後は日本で地域のために仕事がしたいと思っていました。地域おこし協力隊として南牧村のために活動できることも魅力的でしたし、村内の道の駅など3カ所で仕事をした上で自分のやりたいことを探せるように、活動内容の自由度が高かったことが決め手になりました。」 

その後、協力隊に応募し、無事に採用が決まったフォルゴーさん大学院を修了後に就労ビザが発給されるのを待って、2021年の4月に晴れて南牧村に移住し、地域おこし協力隊として着任した。 

左)南牧村の魅力を日々SNSで発信するフォルゴーさん 右)村内の名所のひとつである「三段の滝」

 

捕獲した鹿の角を有効活用しアクセサリー等の商品化に取り組む

着任した当初は、「道の駅オアシスなんもく」で活動を始めた 

南牧村の協力隊は、最初の1年間で道の駅をはじめ3カ所での業務を体験することになっています。働きながら村の方たちと交流をして、自分のやりたいことを探していくというスタイルです。私はまず道の駅に勤務しました地元の方と話す機会が多いし、接客の仕事が好きな私には合っていました。ほかに南牧村の魅力的なスポットをSNSで情報発信したり保育園で子どもたちに英語を教える仕事もしています。南牧村では私のような外国人は珍しいかもしれませんが、幼少期に外国人と接する機会を持つことは、保育園の子どもたちにとって貴重な機会だと思うので、やりがいを感じています。」 

また、南牧村では畑を荒らす鹿が問題となっており、捕獲することが重要な仕事になっている 

「1期上の協力隊の男性と一緒に山に入って、見回りをしながら罠猟の仕掛けについて学んでいます南牧村ではあまり鹿肉を食べないので、捕獲したら廃棄していたそうです有効に活用する方法はないかと考え、鹿の角を使ったアクセサリーやキーホルダーなどの商品化に取り組んでいるところです。鹿の角をそのまま商品にしているケースもあるようですが、もっとデザインを工夫するなど、手を加えていきたいと思っています。まだ始めたばかりなのですが、今はこの取り組みに最も力を入れています。」 

左)南牧村では日中でも頻繁に鹿出没する 右)罠猟などを教えてくれる協力隊の先輩・宮﨑大輔さん(右)と 

 

役場の担当者や協力隊の仲間のサポートに感謝 

都会での生活から生活環境が大きく変わったことで、着任当初は戸惑ったり、イメージしていたものとは違うことも多かったようだ。 

「最初は田舎暮らしのロマンを求めて古民家に住みましたが、古い家での生活があまり合わず、役場の担当者の方にお願いして村営住宅に引っ越しました。冬は水道が凍結してしまうなど、東京とのギャップに困惑しましたが、地域おこし協力隊の仲間や役場の担当者の方には生活面から相談できるので助かっています。地域おこし協力隊をサポートしようという強い姿勢が感じられて、ありがたいと感じています協力隊のOBOGや地元の方が村の各所を案内してくれたり、私の居住エリアとは別の協力隊の方を紹介してくれるなど、本当にしっかりサポートしてくれています。」 

南牧村に居住している外国人は、フォルゴーさんを含めて数人しかいないそうだ 

「最初に道の駅で働き始めた時は、大勢の方が私に会いに来て挨拶をしてくれました。珍しさもあったと思いますが、歓迎されているような気がして嬉しかったです。南牧村の人は移住者にとても優しく、温かく接してくれます。」 

2021年9月には、フォルゴーさんが企画し、ハンガリー大使館の協力を得てハンガリーの温泉文化を紹介する写真展を道の駅で開催した。 

「以前ブダペストの日本大使館で働いていたので、ハンガリー大使館にもつながりがありました。外国にも温泉文化があることを知ってほしくて企画したところ、皆さん興味をもってくださったようです。今後もハンガリーや海外の文化を紹介するイベントを企画したいと思っています。」 

2021年9月に開催した、ハンガリーの温泉文化を紹介する写真展 

 

現状の取り組みを広げつつ、将来のことも考えたい

東京では研究室にこもる生活が続き、帰宅時間も遅くなることが多かったというが、現在は大きく生活環境が変わった。 

「ここでは、仕事が終わってから買い物をしても、18時半くらいまでには帰宅できます。その後は料理をしたり、テレビを見たりしてくつろぐ時間もあり、毎日ゆったりと暮らせるようになりました。時間があるときは、ハイキングや滝巡りをしたりして南牧村での生活を楽しんでいます。」 

今後はいま取り組んでいる活動に加え、若い人向けのイベントなどを仕掛けていきたいなど、今後の活動の広がりを計画している 

「協力隊の仲間でカフェを運営しているメンバーが英会話教室を開いているので、私も手伝うようになりました。2021年11月にはグリーンツーリズムの催しに参加し、とてもいい刺激になりました。将来的には観光関連の活動にももっと携わっていきたいし、鹿の角のアクセサリー作りなど、やりたいことはたくさんあります。」 

1年目ということもあり、任期終了後の計画については、現在まだ思案中だという 

「3年間という期間は、長いようで短いと思います。任期を終えて自分で起業するとしたら、しっかり収益を上げる形にしないといけません。英語関連か、あるいは観光関連なのか、地域おこし協力隊の活動を頑張りながら将来のこともしっかり考えたいです。地域の人と交流を深めながら新しい自分の生きる道を探すことができる。そんな地域おこし協力隊の制度はとても魅力的です。これまでの自分の人生を活かせる、新しいチャンスを与えてくれるので、チャレンジする価値がある制度だと思います。」 

左)地域の伝統行事「どん焼き参加 右)山から見下ろす南牧村 

 

群馬県 南牧村 現役隊員
フォルゴー・テオドーラさん 

1986年生まれ。ハンガリー出身。大学卒業後はブダペストの日本大使館に秘書として勤務。2015年に来日し、明治大学大学院博士課程で学ぶ。テレビ番組の取材で訪れた群馬県南牧村の魅力に惹かれ、同村の地域おこし協力隊に応募。大学院修了後の2021年4月末に着任し、道の駅での販売業務、イベント企画、鹿の角の商品化、子ども向け英語教室など幅広く活動中。 

nanmokudiaries:https://www.instagram.com/nanmokudiaries/?hl=en 

地域おこし協力隊とは? 

地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。具体的な活動内容や条件、待遇は、募集自治体により様々で、任期は概ね1年以上、3年未満です。 

地域おこし協力隊HP:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei

発行:総務省 

 

 

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