TURNS編集部による新企画がスタートしました!TURNSが「知ってほしい」「関わってほしい」と惚れ込んだ地域を、勝手に、そして本気で学びに行くツアー…
その第一弾として「TURNS合宿 in 新潟県小千谷市」が2/28~3/1の一泊二日で開催されました!
多彩な文化や歴史、工芸が息づくまち小千谷市。2月末の小千谷は、まさに冬の真っ只中。
この合宿では、この地で暮らし、ビジネスを実践しながら地域に根を張って生きるローカルのキーマンや移住者のもとを訪ねました。
お話を伺いながら「ローカルビジネス」や「冬の暮らし」を五感で体験した様子をレポートします。

1日目 小千谷の暮らしを学ぶ
⚫︎11:30 ひと・まち・文化共創拠点ホントカ。
午前11時、小千谷駅に集合した14名の参加者とともにツアーがスタートしました。
最初に訪れたのは小千谷市内にある「ひと・まち・文化共創拠点ホントカ。」
ここは、2024年9月にオープンした、図書館、郷土資料館、市民活動の場が融合した複合施設です。
なんと、小千谷市長にお越しいただき、参加者へ激励の言葉が送られました。
続く参加者の自己紹介では、「地方で自分の役割を見つけたい」「二拠点生活のリアリティを知りたい」といった熱い想いが語られました。
ホントカ。
住所: 新潟県小千谷市本町1丁目13番35号
時間:9:00〜22:00
⚫︎12:00 わたや本店で昼食

お昼は創業100年に歴史を持つ「わたや本店」で、名物の「へぎそば」をいただきました。
へぎそばとは、新潟県魚沼地方(十日町市や小千谷市)を発祥とする郷土料理で、海藻の「布海苔(ふのり)」をつなぎに使用しているのが特徴です。
この布海苔は、もともと小千谷の伝統工芸品でもある小千谷縮を織る際に、糸の糊付けに使用していたもの。
そんな織物の町ならではのお蕎麦に、参加者一同、舌鼓を打ちました。
わたや本店
住所: 新潟県小千谷市本町2-3-34
時間:平日11:00~15:00(LO14:30) 土日祝10:45~20:00(LO19:30)
⚫︎13:30 高の井酒造で酒蔵見学
美味しいお蕎麦を堪能した後は、小千谷で長い歴史を持つ高の井酒造へ酒蔵見学へ。
高の井酒造はお酒の雪中貯蔵を日本で初めて取り組んだ酒蔵。
170年の古い歴史を持っています。
4代目の山﨑亮太郎さんはUターン移住者。
酒蔵見学では、火事や震災・コロナ禍など数々の困難を乗り越えてきた歴史とともに、酒造りにおける工夫と努力についてもお話していただきました。
「私たちは、ただお酒を販売するのではなく、まず小千谷に来ていただき、この土地の環境や農家、そして蔵のことを理解してもらった上でお取引することを大切にしています。お酒が『美味しい』のは当たり前です。それ以上に『小千谷』という地域を知り、『一度行ってみたい』と思ってもらうことが重要だと考えています。
最も美味しいお酒は、地元の料理とともに、地元で味わうお酒だと思っています」
山﨑さんの丁寧な語り口からは、酒造りへの真剣な向き合い方や、大きな困難に立ち向かう力強い姿勢が伝わってきました。
お話してくださった人

高の井酒造株式会社 代表取締役
高の井酒造(直売所ゆきみず庵)
住所: 新潟県小千谷市東栄3-7-67
時間:10:00~15:00
⚫︎15:00 地域おこし協力隊トーク
高の井酒造を見学した後は地域おこし協力隊員の活動についてお話を伺いました。
登壇してくださったのは元協力隊員であり、現在は「とうふ工房 豆ノ助」を営む坂本 香奈子さんと現役協力隊員の藤井 秀一さんです。
▲移住のきっかけにもなったというTURNS創刊号を持ってきてお話される坂本さん
お二人には、協力隊員になった経緯や現在の暮らし、そして実際に生活する中で感じている小千谷の印象についてお話しいただきました。
お話してくださった人


現役地域おこし協力隊員
次に向かったのは平成商店街。案内役は、先ほどのトークにも登場した藤井さんです。
現在17店舗で構成されており、店主の平均年齢が40代前半と、比較的若く、総会にはほぼ全員が参加するという結束の強さが。
そんな商店街では、実際にお店を営む店主の方々から、それぞれの事業や想いについて直接お話を伺うことができました。
また、道路の雪を溶かすための「消雪パイプ」など、雪国ならではの設備も見せていただき、冬の小千谷暮らしの工夫を実感する場面も。
地域の人たちのあたたかさを肌で感じるひとときとなりました。
ご協力いただいたお店
⚫︎吉水屋酒店
⚫︎フジマキ時計宝石めがね店
⚫︎みんふう楽器店 寺町店
⚫︎滝沢パン
⚫︎flower shop B・Blanc
平成商店街
住所: 新潟県小千谷市平成
⚫︎16:30 トークセッション
「地域資源の可能性を知る」

商店街見学の後は、秀和建設のコワーキングスペース「いいオフィス小千谷」に移動し、地域資源の可能性を知るトークセッションを行いました。
ゲストにお迎えしたのは、小千谷を代表する企業である竹内製菓株式会社の代表取締役・竹内義朗さんと、秀和建設株式会社の代表取締役・伴雅史さん。
お二人からは、小千谷市の魅力や現在抱えている課題、地域資源の活用方法などについて幅広くお話しいただきました。
小千谷の人は、少し内向的に見えるかもしれません。雪国という環境もあって、慎重な人が多いと思います。
ですが、一度話しかけてみればその人柄の良さが伝わり、あたたかいつながりが生まれます。ぜひ一歩踏み出して地域の人と関わってみてほしいですね。
また、地域で活動するプレイヤーがまだ少ない分、これから来る人が主役になれる余白が残されているのも魅力です。
ちなみに、弊社が販売している『おじやおかき』は、パッケージの裏側が観光地図になっているんです。こうした商品をきっかけにまちそのものにも興味を持ってもらえたらと願っています。」
外から来る方々には、ぜひ地域の人と関わりながら、ご自身のスキルや想いを掛け合わせて新しい形を模索してほしいです。そして、一度きりではなく継続的に関わってもらえたら嬉しいですね。
また、小千谷のような地域では、都会と地方のビジネス構造の違いを理解し、その橋渡しができる人材が重要になります。
特にITやDXの分野にはまだ伸び代があるため、都市の知見と地域企業をつなぐ新しい挑戦が生まれることを期待しています。」
小千谷の未来のために行動し続けるお二人の想いと覚悟が、参加者の胸に強く響く時間となりました。
いいオフィス小千谷by秀和建設
住所: 新潟県小千谷市三仏生2533
時間:8:30~17:00
⚫︎19:00 さつまいも農カフェきららで交流会
1日目の最後は『さつまいも農カフェきらら』にて夕食を兼ねた、地元の人たちとの交流会を行いました。
オーナー新谷梨恵子さんは、地元産のさつまいもを主役にした料理やスイーツを通じて、農産物の「6次産業化」実践している経営者。
テレビ番組『マツコの知らない世界』への出演や新潟日報でのコラム執筆など、多方面で活躍されている起業家です。
交流会では新谷梨恵子さんからご自身の活動についてご紹介いただきました。
その後は、市役所の職員の方々や今日1日でお会いした起業家、地域おこし協力隊の皆さんも交えて歓談タイムへ。美味しい食事を囲みながら自然と会話が弾み、小千谷での「暮らしのリアル」を直接感じられる貴重な機会となりました。
お話してくださった人

さつまいも農カフェ「きらら」オーナー
さつまいも農カフェきらら
住所: 新潟県小千谷市桜町2495-1
時間:10:30~18:00
2日目 小千谷の歴史を学ぶ
⚫︎9:30 “小千谷の歩き方” 講座
朝9時頃にホテルを出発した一行は、小千谷市の名物学芸員である白井雅明さんの案内のもと、小千谷市内の散策へと繰り出しました。

「もともとこの地域では『青苧(あおそ)』という繊維用の多年草を育てていました。それを江戸時代初期に『素材のままではなく織物にしよう』と発展させたのが小千谷縮です。こうした発想の転換ができるのも、この町の特徴といえます。
現在の街並みにも、当時の考え方が色濃く残っています。例えば、迷路のように曲がりくねった道は敵の侵入を防ぐための工夫です。町の入口に寺を配置したのも防衛の役割を担わせるためでした。また、当時としては破格の20メートルという広い道幅も、多くの人の往来を見据えた設計だったとされています」
参加者たちが街並みをあらためて眺め直すなか、白井さんはさらに、この街に根付く精神的な土台についても語ってくれました。
「小千谷には『利他』という考え方が深く根付いています。商売などで得た利益を地域に還元するという思いのもと、学校や病院なども商人たちの手によって築かれてきました。
こうした自治と利他の気風があったからこそ、小千谷は災害や戦火を乗り越え、今の姿を保つことができたのです。『自分たちの町は自分たちでつくる』という考え方は、今もなおこの町の根底に流れています」
現在も残る道の構造や建物を目にしつつ解説を受けることで、歴史の断片がいきいきと立ち上がってくるようでした。
利他の精神が街並みに息づく小千谷に触れ、参加者たちは初日に感じた人の温かさの背景を、より深く実感することができました。
お話してくださった人

小千谷市学芸員
⚫︎11:00 フリータイム & 昼食
午後はフィールドワークの時間として、市内を自由に散策。
午前中に学んだ視点をもとに、参加者それぞれがまちを歩き、小千谷の魅力を再発見していきます。
飲食店を訪れたり、商店街を巡ったり、地域の方との何気ない会話を楽しんだりと、単なる観光では味わえない“日常の小千谷”に触れる時間となりました。
⚫︎14:00 振り返り&意見交換

ツアーの締めくくりとして、今回の合宿で学んだことや、今後小千谷とどのように関わっていきたいかをワークシートにまとめ、参加者全員で発表し合う時間を設けました。
参加者からは、
「東京ではお金が評価基準になりがちですが、小千谷では “人”が先にある。利他の精神が本当に根付いていると感じました」といった声や、
「歴史を紐解くと、このまちは合議によってつくられてきたことがわかりました。だからからこそ、外からの人も自然と受け入れてくれる土壌があるのだと納得しました」といった感想が聞かれました。
また、「次は10月にカリフラワーを天ぷらで食べに来たい」「小千谷は必要なものが全て揃っているまちだと思う」といった声もあり、それぞれが自分なりの「この土地との関わり方」を見つけている様子が印象的でした。
一泊二日の合宿を終え、理想とする小千谷との関わり方や次のアクションを語ってくれた参加者たち。
次回小千谷を訪れる際には、この地で新しいチャレンジを始めている皆さんに出会えるかもしれません。
MESSAGE

TURNSプロデューサー
TURNS初の企画「TURNS合宿」を、小千谷市で実施できたことを大変嬉しく思います。敢えて冬の厳しい時期に開催し、全国から集まった15名の皆さんと共に地域の魅力ある人々と出会い、課題や可能性に触れながら、それぞれの関わり方を見つけ実践を宣言する濃密な2日間となりました。
宮崎悦男市長には何度も足を運んでいただき、まちへの想いを語っていただいたことに感謝しています。また、小千谷の魅力の根底にある「自治」と「利他」の精神や歴史を学び、人の魅力の理由を改めて実感しました。
懇親会では立場を越えた交流が生まれ、参加者同士の一体感と新たな可能性を感じる場となりました。この熱量を生み出してくださった参加者の皆さまに深く感謝します。
本企画にご協力いただいた事業者の皆様、小千谷市の皆様にも心より御礼申し上げます。
「TURNS合宿」は今後、全国各地で展開していきます。ぜひご期待ください。

