釣り場によっては必需品、またあれば役に立つのがウェーダーやウェーディングシューズです。ウェーダーは胸や腰、股のところまで伸びた胴長靴のこと。ウェーディングシューズは履いたまま水中に入って釣りができる水陸両用の靴です。

渓流釣りやサーフなどではウェーダーやウェーディングシューズが活躍します。それ以外の場所でも、「ちょっとだけ水の中に入れたらちょうどいいところにキャストできるんだけど…」なんてときに悔しい思いをせずに済みます。

この記事では、ウェーダーとウェーディングシューズの選び方とおすすめ商品をご紹介します。ぜひチェックしてください!

 

ウェーダー選びのポイント

初めに、ウェーダーを選ぶときのポイントを見てみましょう。ポイントは2つ。「素材」と「形状」です。どちらも快適さや機能など、使い勝手に影響してきます。

 

ポイント➀素材

素材によって、通気性と保温性に大きな差があります。また釣りをしている間だけではなく、釣り場までの環境によっては破れにくさも重要になります。

ウェーダーで使われる素材は、主に次の3つです。

  • ナイロン
  • クロロプレン・ネオプレン
  • 防水透湿性素材(ゴアテックス)

膝下はクロロプレン・膝上は防水透湿性素材のように、これらを組み合わせたタイプもあります。

ナイロンは、表面はPVC(ポリ塩化ビニル)になっていて裏地に使われている商品も多くあります。低価格で購入しやすいというメリットがあります。ただし防湿性は低いので蒸れやすいというデメリットがあります。保温性はあまり高くありません。夏場など暑い時期や環境よりも春や秋、あるいは短時間の使用に向いています。

クロロプレンやネオプレンはゴムの1種です。保温性が高く破れにくいというメリットがあります。ただし透湿性は低いため、夏場には向かず冬場に適しています。

防水透湿性素材は、水を防ぎながら内側の湿度も外に逃がしてくれる素材です。具体的な商標では「ゴアテックス」が有名です。夏場も使えて薄手なので使い勝手や汎用性ではおすすめですが、高価なのがデメリットです。

どの素材にしても、季節に合わせて蒸れやすさ・保温性の対策を行いましょう。クロロプレンは蒸れやすく夏には向きません。冬場に防水透湿性素材やナイロン製を使うなら、ウェーダー下の防寒対策をしっかり行いましょう。

 

ポイント②形状

ウェーダーは丈にバリエーションがあり、どこまで水に浸かれるかに違いがあります。浸かれる深さは、丈の約半分が目安です。

なお、無理に深いところに行くのは絶対に禁物です。ウェーダーの中に水が入ると、身動きができなくなり大変危険です。フローティングベストなしで転倒した場合は、足先に溜まった空気で足が浮いて頭を上げることが困難になります。さらに危険で命にかかわります。常に水の深さには注意しましょう。

形状は次の3種類あります。

  • チェストハイ
  • ウエストハイ
  • ヒップ

チェストハイは胸まで丈があるタイプです。背面ふくめ360度同じ高さまで生地があるオーバーオールのような形をしています。汎用性が高いので、初心者にもおすすめです。腰上ぐらいまで浸かることができます。

ウエストハイは丈がお腹まであるタイプです。一般的なズボンのような形です。膝まで浸かることができます。

ヒップは股・お尻ぐらいの高さまでのタイプです。左右分かれているのがチェストハイ・ウエストハイと大きく違います。

上記3タイプとも、靴のようにソールが付いているブーツ一体型が普通です。その場合、次のウェーディングシューズで述べますが靴底の素材もチェックしましょう。素材によって釣り場の向き・不向きがあります。

ブーツ一体型のほか、足先が靴下のようになっていてウェーダーの上から靴を履く「ストッキングウェーダー」もあります。ストッキングウェーダーは着脱が面倒だったり靴も買わなくてはならなかったりしますが、歩きやすいというメリットがあります。

 

ウェーディングシューズ選びのポイント

次にウェーディングシューズの選び方のポイントをまとめます。次の3つのポイントがあります。

  • ソールの素材
  • ソール以外の素材など
  • サイズ

1つずつ見ていきましょう。

 

ポイント➀ソールの素材

ソールの素材は歩く場所の向き・不向きがあります。履いていく釣り場の環境によって選びましょう。ソールには次の3種類があります。

  • フェルトソール
  • ラジアルソール
  • スパイクソール

フェルトソールは、靴底専用の厚みのあるフェルト生地を使用したタイプです。滑りにくいというメリットがあります。コケや藻が生えていたりぬめりのあるような場所でも歩きやすいので、渓流や丸い石が転がっているゴロタ場のような場所で使うのに向いています。ただし陸上の移動にはあまり向かないので、釣り場までの移動もふくめて検討しましょう。

ラジアルソールは、滑り止めの溝が刻まれたラバー製の靴底です。渓流釣りであまり水に入らない場合や、サーフや堤防で使う場合に適しています。ぬめりのあるような滑りやすい場所には向きません。大変危険です。

スパイクソールは、靴底にピンが付けられているタイプです。グリップ力が高まり滑りにくくなります。スパイクソールには、フェルトソールにピンの付いた「フェルトスパイクソール」と、ラジアルソールにピンのついた「ラジアルスパイクソール」とがあります。それぞれフェルトソールのよさ・ラジアルソールのよさにスパイクソールのよさが加わったものと考えてよいでしょう。ただしどちらも汎用性は高まりますが、それぞれのよさがベストの状態で発揮されることがなくなってしまいます。

 

ポイント②ソール以外の素材など

ソール以外の素材やデザインは、耐久性や履き心地(柔軟性・排水性)にかかわります。自然の中を歩くので、耐久性の高い素材のものを選びましょう。とくに足先はぶつけることも多いので、しっかり補強されているものがおすすめです。

また渓流や岩場での釣りは起伏のある場所を移動します。足にフィットする柔軟性のある素材の方が疲れにくいでしょう。

さらに素材ではありませんが、水抜きの穴が開けられているタイプは中の水がすぐに抜けるので陸上でも歩きやすくなります。

 

ポイント③サイズ

ウェーディングシューズは、ストッキングウェーダーやウェーダーソックスの上から履くものです。どちらも厚みがあるので、通常より大きいサイズを選びます。ただしメーカーによって、サイズの表示が異なります。ウェーダーやウェーダーソックスの上から履くことを前提にサイズ表記している場合があります。よく確認してから選びましょう。

 

釣り場別選び方のポイント

次に、上記の選び方を踏まえて、釣り場別にどんなタイプを選んだらいいかまとめます。

 

サーフ釣り

サーフ釣りでは、ウェーダーはウエストハイで防水透湿性素材、ウェーディングシューズはラジアルソールがおすすめです。

形状はもちろんチェストハイでも問題ないのですが、サーフではそれほど深いところまで立ち込むことがありません。ウエストハイで対応できます。

また素材についても、ウェーダーを擦ってしまう可能性もあまり高くありません。予算が許すなら快適な防水透湿性素材がおすすめです。もちろんほかの素材でも問題ありません。

なおサーフや河口でのウェーディングは、エイ対策が必要です。エイに刺されるリスクを減らすよう膝下にエイガードを着用・装着します。エイガードはインナータイプとアウタータイプがあります。どちらも(とくにアウタータイプ)、ウェーダーのサイズが関係してくるので確認しましょう。

靴底については、ラジアルソールは砂浜でも歩きやすいのでサーフに向いています。カレイがターゲットのサーフ釣りでも人気です。

 

磯釣り

磯釣りでは、ウェーダーはヒップ、靴底はラジアルスパイクかフェルトスパイクがおすすめです。ライフジャケットやフローティングベストも必須です。

磯釣りでは基本的に水に入ることはほとんどありません。また、磯は落水する可能性がほかの釣り場より高いです。先に述べたように、落水するとウェーダーは足が浮く原因になって危険です。ヒップなら着脱しやすいので、万が一落水しても脱ぐことができます。ともかく、磯では基本的に水に入らないようにして、せいぜい移動する際に膝下ぐらいまでのところを通る程度にとどめておきましょう。

靴底はラジアルスパイクかフェルトスパイクがおすすめです。ラジアルスパイクは凹凸のある磯、フェルトスパイクはコケや藻の生えた磯に向いています。ただしいずれにしても過信は禁物です。またスパイクのピンが消耗すると滑りやすくなります。釣行前や、滑りやすい場所に移動する前にピンを確認しましょう。

 

防波堤釣り

防波堤釣りでは、ウェーダーはヒップ、ウェーディングシューズはラジアルがおすすめです。

防波堤では、自分から水に入ることはほぼありません。そのため基本的に防波堤釣りではウェーダーは不要です。落水した場合むしろ危険という理由もあります。使用するならいざというとき着脱しやすいヒップにしましょう。

靴底については、平らなところに向いているラジアルがおすすめです。スパイク付きのものは防波堤では滑りやすいので不向きです。

 

河口など

河川の河口部でのウェーディングには、チェストハイかウエストハイのウェーダーとフェルトスパイクの靴底が適しています。

シーバス狙いのディープウェーディングならチェストハイが必須です。フローティングベストも着用しましょう。入水ポイントへの経路によっては、ストッキングウェーダーでウェーディングシューズを場所ごとに履き替えるのもおすすめです。

サーフ同様、必要に応じてエイ対策を行いましょう。エイガードを使用する場合は、ウェーダーとエイガードのサイズの相性のご確認を。

靴底はフェルトスパイク。見えにくいため意識しにくいのですが、河口の足場・川底は意外に不安定です。砂泥やヘドロが堆積していたりゴロタ場になっていたりすることがよくあります。底の状態がわかればそれに最適なソールを選ぶのが一番ですが、ハッキリしない場合は汎用性の高いフェルトスパイクがおすすめです。

 

渓流釣り

渓流釣りやバス釣りでは、ウェーダーならウエストハイで防水透湿性素材、靴底はフェルトかフェルトスパイクがおすすめです。

ウェーダーの形状は、比較的浅瀬のポイントが多いためウエストハイで対応できます。もちろん「大は小を兼ねる」で、チェストハイでも問題ありません。また水の中は移動程度で水の中から釣りをするのでなければヒップでもじゅうぶんです。

ウェーダーの素材については、予算が許すなら防水透湿性素材がおすすめです。ただ藪漕ぎをする場合は、ほかの素材より破れやすいので注意が必要です。ちなみに最も破れにくく丈夫なのはクロロプレン。初めてならナイロン製がリーズナブルで比較的バランスも取れています。

靴底は渓流の岩場でも滑りにくいフェルトソールか、汎用性が高まるフェルトスパイクソールがおすすめです。釣り場までに落ち葉などの上を歩く距離が長い場合は、フェルトスパイクソールの方がよいでしょう。フェルトソールだと滑りやすいです。ただし岩場ではややフェルトスパイクソールの方が滑りやすくなります。

場所によって靴を履き替える方法もあります。その場合ウェーダーを着用するならストッキングウェーダーを選びましょう。

 

おすすめウェーダー5選

それでは、いよいよおすすめのウェーダーをご紹介します!売れ筋の中から評判のよい商品を選びました。なお、価格は参考価格(定価)を記載していますが、実際にはもっとお得に購入できる商品もたくさんあります。予算オーバーかな?と思っても、まずはリンクからチェックしてみてください。割引になっているかもしれませんよ!ぜひ自分にぴったりの商品を探してみてくださいね。

 

チェストハイウェーダー AIRBORNE【DRESS】

(画像引用:Amazon商品ページ※タップ・クリックするとページが開きます

「DRESS」はデザイン性にもこだわった釣具用品メーカー。こちらのウェーダーもタイトでスタイリッシュなデザインです。ちょっと大きめの体格の方はワンサイズ上がおすすめ。素材は外側がPVC(ポリ塩化ビニル)で内側はナイロン。藪漕ぎや磯歩きは少々ご注意を。ソールはフェルトスパイク。インナーソール併用がおすすめです。コスパのよい商品です。

  • サイズ…S・M・L・XL・XXL
  • 税込参考価格…8,580円

 

チェストハイウェーダー【NonModo】

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こちらも大変コスパがよいと評判の商品。チェストハイ×ラジアルソールです。破れやすい膝が補強されているなど耐久性も考えられています。胸ポケットも使いやすいと評判。フィット感が高いため動きやすく、生地がしっかりしているので藪漕ぎも安心です。ソールはフェルトタイプも発売予定とのことです。

  • サイズ…24~29(足サイズ)
  • 税込参考価格…5,980円

 

フィッシングウェーダー SW-4001S-T【ダイワ】

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こちらは大手メーカー・ダイワから発売されているチェストハイのストッキングウェーダーです。ソルトウォーター用のストッキングウェーダーなので、足場が変化に富む場所での海釣りにぴったりです。もちろん渓流でも使えます。ブーツタイプより軽く、スリムなこともあり動きやすいと評判の商品です。

  • サイズ…S・M・L・LL・3L(足サイズ24.0~28.0)
  • 税込参考価格…20,307円

 

ハイパーウェーダー(ウエストHカットFS) スモークグレー FF-051T【シマノ】

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こちらは大手メーカー・シマノのウエストハイ×フェルトソールのウェーダーです。擦れに強いタスラン生地を採用、ブーツ部分はPVC素材で防水性も高いです。内側はメッシュで動きやすくなっています。渓流釣りをする方に人気のウェーダーです。もちろんサーフでも活躍しますよ。

  • サイズ…SS・S・M・MO・L・LO・LL・3L(身長155~185)
  • 税込参考価格…11,860 円~12,300円(サイズによる)

 

テフロンポリエステルウェダー(ヒップ/フェルト)【プロテックス】

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こちらはリーズナブルながらコスパのよいヒップ×フェルトソールのウェーダーです。価格の割に作りがしっかりしているほか、リペア用のキットも付属しており長く使うことが可能です。足先の遊びが少ないので、厚手の靴下やウェーディングソックスを履く場合はワンサイズ大きめがおすすめです。

  • サイズ…3S/SS・S・M・L・LL・3L/4L・5L/6L(足22~31.5)
  • 税込参考価格…5,200円

 

おすすめウェーディングシューズ5選

次におすすめのウェーディングシューズのご紹介です。こちらも売れ筋の中から選んだ評判のよい商品ばかりです。ウェーダー同様に、ここに記した参考価格より販売価格が割引されている商品もたくさんあります。予算にかかわらずまずはリンクからチェックしてみてくださいね!

 

ライトウエイトWDシューズ II(幅広タイプ)【リトルプレゼンツ】

(画像引用:Amazon商品ページ※タップ・クリックするとページが開きます

こちらはフェルトソールのウェーディングシューズ。軽くてフィット感もよく歩きやすいと評判の商品です。作りもしっかりしていて、つま先とかかとはラバー素材で補強されています。靴底も厚めです。水抜き穴付き。ウェーダーを履くことを想定したサイズ表記なので、ふだん履いているサイズをお選びください。

  • サイズ…US8~US12(25~30cm)
  • 税込参考価格…14,080円

 

コモドールフェルトスパイクシューズ【プロックス】

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こちらはコスパがよいと評判の、フェルトスパイクソールのウェーディングシューズです。フェルトもスパイクもしっかりグリップして滑りにくく、水中も安心して移動できます。軽いのに耐久性もあると高評価です。サイズだけちょっとご注意を。ふだんより大きめを選んで、中敷きで調節した方がいいでしょう。

  • サイズ…M・L・LL(25~27.5cm)
  • 税込参考価格…6,742~6,896円

 

ウェーディングシューズ【WEFOX】

(画像引用:Amazon商品ページ※タップ・クリックするとページが開きます)

こちらはフェルトスパイクソールのウェーディングシューズ。縫い目やかかとが補強されており、リーズナブルなのに作りも頑丈と評判です。グリップもしっかりしていて滑りにくい一足です。サイズが少し小さめなので、ふだんより1cmプラス、足の幅が広い方は2サイズ大きいぐらいがぴったりです。

  • サイズ…25~27.5cm
  • 税込参考価格…7,520円

 

ライトウェイトウェーディングシューズ゙Ⅵ・RB ZWS-620【パズデザイン】

(画像引用:Amazon商品ページ※タップ・クリックするとページが開きます

こちらはラジアルスパイクのウェーディングシューズ。とくに渓流での使用にぴったりです。軽いのにしっかりした作り。スパイク部分はアルミ製で、ソールと同期して減っていくタイプです。磯靴の硬いピンとはタイプが違うので、ご購入の場合はそれを踏まえてくださいね。リンク先はLサイズのページですが、ほかのサイズもあります。

  • サイズ…XS・S・M・L・XL・3L(24~29cm)
  • 税込参考価格…17,600円

 

SW-271 ウエーディングシューズ【阪神素地】

(画像引用:Amazon商品ページ※タップ・クリックするとページが開きます)

こちらはお手頃価格のフェルトソールのウェーディングシューズ。アユなど渓流釣りのアングラーに人気の商品です。がっちりしたホールド感より動きやすさ重視の方におすすめ。なお2022年8月現在、AmazonではSサイズとLサイズしか取り扱いがないようです。公式サイトから販売店やネットでの取扱店を検索することができます。

  • サイズ…S・M・L・LL・LLL(24~28.5cm)
  • 税込参考価格…9,500円~13,686円

 

安心・安全に自然と一体化した釣りを楽しもう

ウェーダーやウェーディングシューズを使った釣りは、自然の中に入り込んで一体化した釣りが楽しめます。自分にぴったりの商品を見つけて、安心・安全な釣りを楽しみましょう。ただし、くれぐれも過信はせず慎重に。とくに磯やテトラ帯の移動はよく確認しながら行いましょう。