はたらいてみる{ 新潟県十日町市 }
Update on 2016.07.22

十日町市地域おこし協力隊

50名以上の受け入れ実績を持つ、地域おこし協力隊のメッカ

海外客も多数訪れる、新潟県十日町市


新潟県の南西に位置する十日町市。棚田やブナ林といった自然と人間が共存する美しい原風景が広がり、
冬には4m以上積もる有数の豪雪地としても知られています。
そんな十日町市を世界的に有名にしたのが「大地の芸術祭」。2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。一部のアート作品は、地域の名物として芸術祭終了後も残され、思いがけない場所で出会うこともしばしば。

国内外から注目されるアートイベントを地域ぐるみで経験してきた十日町市は、外からやってくる人々に寛容的。十日町市役所の高橋さんによると、今回募集する地域おこし協力隊を受け入れる場面でも、この地域性がプラスに働いているそうです。

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「十日町市は、地域おこし協力隊の受け入れを2009年から全国に先駆けてスタートさせました。
今までに51名が着任。33名のOB・OGのうち、24名が定住しています。約73%という定住率は全国トップクラスです。大地の芸術祭での経験を糧にして、よそ者や若者を受け入れる土壌ができあがっていることが大きな要因ではないでしょうか」。


特別なスキルよりも、ふれあうことが大切


小林千詠美さんは、2014年の10月に十日町市の飛渡(とびたり)地区に着任。現在35歳。
東京出身で、これまで十日町とは縁もゆかりもありませんでした。ある日、地域おこし協力隊のことを知り、
東京で開催された説明会に参加。いろいろな地域のブースを回る中で、十日町市に出会います。

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「協力隊終了後の定住率の高さに惹かれました。特に飛渡地区は、今まで協力隊で来た方全員が定住しています。受け入れやフォローの体制が整っている印象でしたね」。

小林さんの活動のメインとなるのが「食と農を考える飛渡の会」の運営。地域の農家が自家消費用に育てている野菜のうち、余ってしまう分を集めて、近隣の飲食店やスーパーへ販売する活動です。商品用の野菜と比べて見た目はやや劣りますが、味や品質はまったく引けを取りません。
最近ではファンも増え、こんな野菜がほしい、という注文がお店の方から入るようになりました。

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3年の任期の折り返し地点を過ぎ、定住を決意した小林さんですが、当初はある不安を抱えていたそうです。
それは、飛渡の協力隊OB・OGが、その後みんな起業していたこと。飲食店を始めた先輩や、農家民宿を作った先輩たちの話を聞いて、ハードルの高さを感じた小林さん。そんな彼女の背中を押したのが、説明会で出会った市の担当者でした。

「かえって小林さんみたいな人のほうが地域に馴染めるので大丈夫、というのが返ってきた答えでした。
少し気が楽になったのを覚えています。協力隊2年目に入って思うのは、やりたいことがたくさんあるのも
大事だけど、まずは地域の方とコミュニケーションを取ることが重要だということです。
全く知らない土地での生活は、教えてもらうことばかり。ともに時間を過ごすうちに、地域の声が集まり、
そこからやってみたいことが生まれてくるはずです」。


自分の中に軸を持っておいたほうがいい


宮原大樹さんは横浜出身の36歳で、地域おこし協力隊のOB。夫婦で十日町市に移住し、2人の子どもも生まれました。任期終了後は、国の就農支援制度などを活用しながら米作りをしています。

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「手植え・手刈り・完全無農薬・全量天日干しで、ほとんど機械を使わない稲作をしています。趣味だね、と妻には半分あきれられています(笑)。収穫したお米は、SNSを使って販売しています。
その他の現金収入は、就農給付金とアルバイトから。農業で生活するのは簡単なことではないですが、東日本大震災をきっかけに食べ物をなるべく自分たちで作りたいと考えるようになり、この暮らしを選びました」。

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地域おこし協力隊として着任した当初、誰も困っていないことに困ったと語る宮原さん。過疎高齢化問題を抱える地域ではあるものの、そこで暮らす住民は70代の方も現役で米作りをしています。
宮原さんは集落の掃除などをしながら、まずは地域に溶け込むことから始めたそうです。その後は、農作業や草刈り、雪掘りといった地域の手伝いをしながら、独学でWEBサイトを作ってお米の販売などもしました。

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新任隊員向けの研修講師も務める宮原さんは、これまでたくさんの地域おこし協力隊を見てきました。
応募を考えている皆さんへのアドバイスをいただきました。

「協力隊として来たはいいけど、地域の要望が整っていないというケースもあります。そんな時、自分がどう暮らしたいか、という考えがないと何もできなくなってしまう。自分の中に軸を持つことが大切です。また、やむを得ない事情で地域を離れなければいけなくなる可能性もゼロではありません。そんな時に動けるだけの蓄えは用意しておいたほうがいいと思います」。


田舎や農業が好き、であれば資格は充分


小林さんと宮原さん、それぞれの観点から忌憚のないお話を聞かせていただきました。
楽しい部分、やりがいのある部分、厳しい部分、考えておかなければいけない部分、たくさんの地域おこし協力隊を受け入れてきた十日町市の二人だからこそ、いろいろな側面を語ることができるのだと思います。
この土地が、協力隊と歩んでいくことに真剣に取り組んでいる証拠なのではないでしょうか。

最後に、十日町市役所の高橋さんからメッセージを。

「地域おこしと聞くと、コンサルができなきゃダメ?特殊なスキルが必要?と考える方もいるかもしれませんが、そんなことは決してありません。田舎が好き・農業の近くで生きていきたい・地域の人達と接して暮らしたいという人であれば、資格は充分。ちょっと話を聞いてみようくらいの気持ちでも構いません。ぜひご応募ください」。



Information
勤務地十日町市内の支所・公民館を活動拠点とする
1. 十日町地域/飛渡地区 :飛渡公民館(十日町市中条戊 665 番地4)
2. 十日町地域/美佐島地区:中央公民館 (十日町市学校町1丁目 730 番地1)
3. 水沢(旧野中小学校区)地区:水沢公民館(十日町市馬場丁1342番地)
4. 中里地域/倉俣南部地区:中里支所地域振興課 (十日町市上山己 2133 番地)
5. 松之山地域 /浦田地区:浦田地区簡易宿泊施設「花立」(十日町市浦田 7575 番地)
6. 松之山地域 /布川地区:松之山布川事務所 (十日町市松之山東川 198 番地)
募集職種十日町市地域おこし協力隊

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