よんでみる{ magazine Vol.14 }
Update on 2016.03.15

都会と田舎をつなぐ 自由な空間

特集レポート[OFFICE CAMP HIGASHIYOSHINO]奈良県吉野郡東吉野村

自分らしい働き方を求め、軽やかに都市と田舎を行き来するクリエイター。
彼らが発信する生き方にひかれ、若者が次々と山村を訪れています。


都会と山村。仕事場と遊び場 異なるもののコラボが見たい


川のせせらぎと鳥のさえずりが聞こえる、静かな山里。
奈良県東部に位置する東吉野村は、面積の96%が山林を占める、人口約2000人の小さな村だ。
その村に最近、どういうわけか若者が次々と訪れている。
県内はもとより関東や九州、ときには海を越えて外国からも。

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彼ら彼女らがめざすのは、2015年3月にオープンしたシェアオフィス「オフィスキャンプ東吉野」。
何でもそこの運営者、坂本大祐なる人物がおもしろいらしいと、わざわざ足を運んでくるのだ。


奈良市内から車で約1時間半、最寄駅の近鉄榛原駅からだと約20分。
村役場の近く、かつての目抜き通りに面して「オフィスキャンプ東吉野」は建っている。
木造2階建て、築70年以上の民家を、奈良県と東吉野村などが約2000万円をかけてリノベーション。
大きなガラス張りの戸口と窓から、中で談笑している若者たちがよく見える。

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「何やってるんだろと、思わずのぞきたくなるでしょ」笑顔で出迎えくれたのが坂本さん。

建築デザインからポスター制作までマルチにこなすデザイナーで、8年前に大阪府堺市から移住したIターン組だ。坂本さんはプロダクトデザイナーの菅野大門さんとともに、オフィスの運営を担っている。
菅野さんもIターン組で、2年前に坂本さんを慕って、妻と生後半年の長男、愛犬とともにやはり堺市から越してきた。

Wifi環境を整え、プリンター複合機やキッチン、風呂まで備えたこの施設は、
アーティストやフリーランスなど場所を選ばない働き方をする若者たちに、
「山村で働く」ことを体験してもらうのが目的。
若者の移住促進策として村が打ち出した「クリエイティブビレッジ構想」の拠点として
坂本さんが設置を提言し、企画から内装デザインまでを手がけた。

「オフィスとキャンプ。対極にあるものが寄り合い、ワクワクする何かを生み出す場になれば」
名前に込めた思いを、坂本さんはそう語る。


文:上乃ゆか  写真:祐貴知明

全文は本誌(vol.14 2015年秋号)に掲載


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