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Update on 2017.10.20

【10/20発売】Vol.26 特集「地方の経済入門」

お金の使い方、考え方、変わります

「経済」とは、お金やその同等のものと交換することでつながる相互関係、
社会を取り巻くしくみのことである。

ターンズは、都会と地方では、経済の仕組みが異なっている気がしている。

地方の生きやすさのひとつは「お金がかからないこと」。
しかし、お金がかからないこと自体が豊かなことではない、
そこから生まれる「余白」や「自由」や「環境」が、資本主義の文脈とは違う、
地方で新しい経済を生んでいたのだ。

循環、自立、外貨を稼ぐ、小商い、など、
古くて新しい安心の原理で社会的関係を結び、循環しているもの。
それらを「地方の経済」だと定義づけるとしたら、
それは、貨幣のやりとりだけでは生まれない、
社会や周囲の生き方に影響をおよぼす価値をも生んでいる。

地方の経済を知るだけで、日々の暮らしが違って見える。
そんな、経済入門をはじめます。

写真:飯坂大(かみえちご)、片岡京子(タルマーリー)、小禄慎一郎(ソーヤー海)





地方の経済入門ルポ|01

ぐるぐるめぐる、手仕事と幸せの村

松川菜々子さん at NPO法人かみえちご山里ファン倶楽部事務局長

新潟県上越市、中ノ俣。
人口100人に満たない小さな村では、 いまなお手仕事の残る実直な暮らしが営まれている。 その営みの確かさに惹かれ、次の世代へつなごうと試みる松川菜々子さん。
経済とは何か。豊かさとは。 お金がお金を生む金融経済とは一線を画す、幸せの本質を中ノ俣に探る。

“経済の根源を問い直す場所”
“実態のない経済にふりまわされない暮らし”
“生きるすべを持つ人は、自由”

文:甲斐かおり 写真:飯坂大



地方の経済入門ルポ|02

田舎で熟成がすすむ「腐る経済」

渡邉 格さん・麻里子さん at タルマーリー

さらなるものづくりの深淵を追求するため、タルマーリーは鳥取県の智頭町に移転した。
過疎が進む地方の山奥で小商いを営むこと、そして彼らが目指す「腐る経済」は、
パンに、地域に、彼らにどんな影響を及したのだろうか。

“腐る経済 ものづくりに新たな新陳代謝”
“地域内循環 さらなる豊かさ”
“ものづくりと商売のジレンマ”
“社会に意味があるものづくり”
“夫婦という最小最強のユニット”

文:アサイアサミ 写真:片岡杏子



地方の経済入門ルポ|03

ギフトの世界に生きてお金から自由に。

ソーヤー海さん at 共生革命家

3.11をきっかけに東京の消費社会に乗り込み、
与えあいで成り立つ「ギフト経済」を実践してきた
愛と思いやりの共生革命家・ソーヤー海さんが、千葉県の南に、文化の創造者を育む新たな拠点を立ち上げた。
社会をともに変えていく仲間を増やし、経済の枠を越える“新しい文化”をつくるために。

“パーマカルチャー ギフト経済 自然と人の共生”
“ギフトの循環”
“答えはすべて自然の中にある”
“経済が文化になる”

文:中里篤美 写真:小禄慎一郎





\HELLO!循環型社会/

地方の経済を動かす方法

人が現代社会で生きていくためには、お金が必要だ。
自己実現をするならばなおさら。
ここでは貨幣交換だけではない、経済の循環させる方法を紹介。
それは「生きる知恵」とも言える。

物々交換
物と物を交換する経済の原点が地方で進化する

地域通貨
循環をよくするために生まれた〝もう一つのお金〟

クラウドファンディング
ローカルインパクトを起こす、お金の集めかた

シェアリングエコノミー
いまあるモノとコトをシェアして、地域をもっとおもしろく


\PICK UP!/

物々交換|物と物を交換する経済の原点が地方で進化する

[京都府京都市]XCHANGE APARTMENTS

清水寺を望めるマンションの一室、扉を開けるとフルリノベーションされた部屋。
部屋の各所には、この部屋に滞在したアーティストらが「滞在」と引き換えにした自らの作品が飾られている。写真、絵画、オブジェクトなどジャンルは多岐に渡る。これらの共通点は「京都という場所に魅力を感じたひとびとの手による作品」、そして「プロジェクトを担う佐藤さんと福元さんのお眼鏡に適ったもの」であること。現在まで多数の国内外のアーティストと“物々交換”をしてきた。

「最初にはじめたとき、いきなり「いくらで借りられるか教えて」と家賃を訊かれました(笑)。
お金という物差しがないとわからないんです。その時、お金って偉大だなって思いました」(佐藤さん)

京都という土地がつくりだすアートの群像は、ある程度集まったらギャラリーになる予定もある。貨幣交換では絶対につくれない場所だ。

(本文より一部抜粋)





地方のリアルなお財布事情


地方で起業するには、いくら必要?
家賃タダってよくあるの?複業は難しい?
地方で働く、暮らす先輩たちに、リアルなお財布事情についてうかがいました。

文:上浦未来 写真:濱津和貴


01|ゲストハウスオーナー Good Trip Hostel & Bar 中村力弥さん [神奈川県小田原市]
 “お金って何ですか?”

02|地域文化商社代表 うなぎの寝床 白水高広さん[福岡県八女市]
 “お金は基本的に「交換価値」しかありません”

03|ジビエハンター NPO法人 いのちの里京都村 林 利栄子さん[京都府京都市〕
 “ジビエハンターの私の話にいくらの価値がある?”

04|農家 刈屋さんちの安心野菜 刈屋高志さん[新潟県長岡市]
 “お金がなければ急がず「待って」手に入れる”

05|暮らし愛好家 やきいも日和 チョウハシトオルさん[神奈川県中郡大磯町]
 “暮らしの中で得意なことがやがてお金につながっていく”

06|林業 ソマウッド 久米歩さん[静岡県静岡市]
 “稼げなければ、“零細キコリ会社”の未来はない!”

07|デザイナー、コワーキングスペース管理者 デコール/comusubi 瑞慶山成人さん・亜矢子さん[沖縄県豊見城市]
 “お金を稼ぐことを目的にせず、つながりを大切に楽しんで働く”

08|NPO法人スタッフ NPO法人 ONEれいほく 里本裕規さん[高知県長岡郡本山町]
 “お金はあくまで「ツール」地域でうまく循環させみんなでハッピーに”





移住のイロハおしえます

地方でかなえる! 食の自給率を高める30の方法


自分たちが食べるものを、自分たちでつくるために、いったいどんな生活を送ればいいのでしょうか。

山梨県都留市に山を購入し開拓。
森の中で、生態系のなかで、暮らしを営んできた加藤大吾さん。
10年以上の自給自足生活を経て、どんな発見や知恵があったのか、教えてもらいました。


01〜10|栽培・飼育編
11〜20|狩猟・採取編
21〜30|手作り・加工編

文:吉田真緒 写真:庄司直人


※記事全文は、本誌(vol.26 2017年10月号)に掲載


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